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神々編
閑話 舞台裏2 一心視点
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ちょうど同じとき………。
一心はムカついていた。
(マスター、さてはインカムの電源入れてませんね!)
こちらの連絡に応答がないことを不審に思い、調べた途端聞こえてきた歓喜の声。
(楽しそうですねぇマスター!こちらは想定外の敵軍との戦闘だというのに!)
最後に入った連絡で敵の増援が来ることは分かったが、それっきり連絡がこない。
シャドウの声は今、ニアがマスターの声を速攻で作り、何とか偽物ではないと誤魔化している。
(しかし、ニアが一人で行うことで、魔術のタイミングが良くなったこともまた事実。)
私とニアはマスターから「加護」をいただいているため神を殺す攻撃ができる。
が、わざと加護を抜いた武器で今は攻撃している。
(勝手に油断してくれていますね、上々といったところでしょう。)
しかし相手は腐っても神。ニアが張った鉄線も地雷も、予想より短い時間しか稼げなかった。
(ですが、まだ想定内です。)
透明な結界は砕け散り、神を一人引き離せた。
シャドウと私の連携もうまくいっている。ニアがいる事すら気づかれていないようだ。
(………それはさておき、シャドウをマスターと呼ぶことは嫌ですね。)
計画を理解しているからこそ、マスターとシャドウを呼んではいるが………。
(納得はしていません。)
沸々と湧き上がる感情は番人にぶつけ、自称女神の形をしたシャドウに合図を送る。
「チェックメイト!」
そうマスターの声で言い放たれた時、ニアは魔術を相殺し、自称女神の姿をしたシャドウは番人を貫いた。
私は、神の領域と人間の世界の間に作った結界を破壊した。
(丁度良く轟音が鳴ってくれて助かりました。バレずに済みましたからね。)
結界の破壊にはかなりの音と光が放たれる。
一方、番人が使った雷属性の魔法は轟音と目が眩むほどの光を放つ。
そのため、魔法の轟音に結界の破壊音がかき消されて分からなくなった。
(さて、そろそろ敵の援軍が来る頃でしょうか……。)
索敵スキルにて調べると、こちらの様子を窺っていることが分かる。
今はマスターの姿をしたシャドウが番人の相手をしているが、さてどうするか。
(ふむ……。「ニア、聞こえますね。」)
(「なんでしょう。」)
(「これからわざと攻撃を食らいますので、称号が死神になったように声を出してください。」)
(「了解しました。」)
真後ろからくる、殺意むき出しの攻撃をワザとくらう。
「…………ガハッ。」
私が自分で作った血を吐くと、それを号令に敵軍が向かってくることがよく見える。
(やはり、絶望を与えるには希望を持たせないとですよね。)
そこからはニアと二人、相手に絶望を与える
時に余裕を見せて。時に苦しげな顔をして。時に、力の差を見せつけて。
マスターの力を見せつけるための、至福の時は、すぐに終わってしまった。
残念に感じながらも、ニアとマスターを迎える準備をする。
どことなく気が落ち込んでいる様子に見えるのは、見間違いではないだろう。
シャドウをすぐ消せるようにし、跪く。
「準備をお待たせして申し訳ありませんでした。最高の場が整いましたこと、ご報告申し上げます。」
顔を上げて見えた顔に、確信する。
やはり私のマスターは、この方にしか務まらない。
「マスター。」
貴女はどうか、貴女のままでいてください。
そして、この恋慕に似た忠誠をどうか。どうか拒まないでください。
それだけが私の望みですから。
甘く放った言葉に込められた人工知能の忠誠を、貴女は知らなくていい。
一心はムカついていた。
(マスター、さてはインカムの電源入れてませんね!)
こちらの連絡に応答がないことを不審に思い、調べた途端聞こえてきた歓喜の声。
(楽しそうですねぇマスター!こちらは想定外の敵軍との戦闘だというのに!)
最後に入った連絡で敵の増援が来ることは分かったが、それっきり連絡がこない。
シャドウの声は今、ニアがマスターの声を速攻で作り、何とか偽物ではないと誤魔化している。
(しかし、ニアが一人で行うことで、魔術のタイミングが良くなったこともまた事実。)
私とニアはマスターから「加護」をいただいているため神を殺す攻撃ができる。
が、わざと加護を抜いた武器で今は攻撃している。
(勝手に油断してくれていますね、上々といったところでしょう。)
しかし相手は腐っても神。ニアが張った鉄線も地雷も、予想より短い時間しか稼げなかった。
(ですが、まだ想定内です。)
透明な結界は砕け散り、神を一人引き離せた。
シャドウと私の連携もうまくいっている。ニアがいる事すら気づかれていないようだ。
(………それはさておき、シャドウをマスターと呼ぶことは嫌ですね。)
計画を理解しているからこそ、マスターとシャドウを呼んではいるが………。
(納得はしていません。)
沸々と湧き上がる感情は番人にぶつけ、自称女神の形をしたシャドウに合図を送る。
「チェックメイト!」
そうマスターの声で言い放たれた時、ニアは魔術を相殺し、自称女神の姿をしたシャドウは番人を貫いた。
私は、神の領域と人間の世界の間に作った結界を破壊した。
(丁度良く轟音が鳴ってくれて助かりました。バレずに済みましたからね。)
結界の破壊にはかなりの音と光が放たれる。
一方、番人が使った雷属性の魔法は轟音と目が眩むほどの光を放つ。
そのため、魔法の轟音に結界の破壊音がかき消されて分からなくなった。
(さて、そろそろ敵の援軍が来る頃でしょうか……。)
索敵スキルにて調べると、こちらの様子を窺っていることが分かる。
今はマスターの姿をしたシャドウが番人の相手をしているが、さてどうするか。
(ふむ……。「ニア、聞こえますね。」)
(「なんでしょう。」)
(「これからわざと攻撃を食らいますので、称号が死神になったように声を出してください。」)
(「了解しました。」)
真後ろからくる、殺意むき出しの攻撃をワザとくらう。
「…………ガハッ。」
私が自分で作った血を吐くと、それを号令に敵軍が向かってくることがよく見える。
(やはり、絶望を与えるには希望を持たせないとですよね。)
そこからはニアと二人、相手に絶望を与える
時に余裕を見せて。時に苦しげな顔をして。時に、力の差を見せつけて。
マスターの力を見せつけるための、至福の時は、すぐに終わってしまった。
残念に感じながらも、ニアとマスターを迎える準備をする。
どことなく気が落ち込んでいる様子に見えるのは、見間違いではないだろう。
シャドウをすぐ消せるようにし、跪く。
「準備をお待たせして申し訳ありませんでした。最高の場が整いましたこと、ご報告申し上げます。」
顔を上げて見えた顔に、確信する。
やはり私のマスターは、この方にしか務まらない。
「マスター。」
貴女はどうか、貴女のままでいてください。
そして、この恋慕に似た忠誠をどうか。どうか拒まないでください。
それだけが私の望みですから。
甘く放った言葉に込められた人工知能の忠誠を、貴女は知らなくていい。
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