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神々編
54.最高神だって自分の領域が一番です 最高神視点
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話し終わった千利は、ゆっくり紅茶を飲んでいる。
その姿に神への畏怖はない。敬う様子を見せているものの、その心には尊敬の心は無いのだろう。
離れているニアは、罪人の監視をしている。言外に、こちらを信用などしていないということだろう。
…………彼らは、本当に人間なのだろうか。
心の奥底から溢れ出す、この感情はなんだろうか。
小刻みに震える手を隠して、一心が入れた紅茶を飲む。
一心が入れた紅茶は、文句のつけようがないほど美味しい。
しかしホッとすると同時に、ゾッとするのはなぜだろう。
千利の邪魔をすれば、すぐに私の敵となるから?
人間味が無いほど、美しいから?人間のように、微笑むから?
では、彼女は?
目の前にはニコニコ微笑む一人の女性。……男性に見えるけど、女性だ。
その笑顔から、狂気と圧を感じるのはなぜだろう。
(「一心とニアを侮辱した馬鹿を私が生かして置く訳がないでしょう?」)
先ほど聞いたあの言葉は、本気だった。
だからこそ今回、こうして報復しに来たのだろう。
それが出来てしまうのだ、たった一人で。
それに彼女が殺した神々を見ながら来たが、あれはおそらく警告。
ただ立っているように見えるのに、僅かにでも動けば死んでしまう「人形」。
(「私の邪魔をすれば、死体が増えますよ?これと全く同じ死体が。」)
操られ「人形」となった旧友は正気を取り戻し、私の元に駆け寄ろうとした。
…………止めた時には、もう遅く、首は落ちていた。
彼女が「神様」と呼ぶ者に見てもらえば、「武器を使って切ったにしては、切れ目が綺麗すぎます」といっていた。
彼女が「便利」と言う手刀で切ったのだろう。
手刀で「神の」首を落とし、武器を求め、我が子のために神を殺した精霊妃。
それが小鳥美。
今なお鳥肌が止まらない。恐ろしいが、手を出せばこちらの命がないことは明白だ。
神々にも存在する老害たちをどうにか説得しなければ、この領域の平和はない。
彼らがこちらの相談無しに行動をすれば、今度こそ全滅するだろう。
彼らを客室に泊めるよう指示を出して、「神様」と共に息を吐きだす。
「とんでもない人間がいたものだね、それも異世界から来たとは。」
「以前より並外れた戦闘能力があることは知っていましたが、まさか神殺しを実行するほどとは…。はっきり申し上げて、計算外です。」
「人間が神を傷つけられること自体が計算外さ。誰も予想できやしない。」
神には「神威」と呼ばれる防御膜が存在する。
信仰が過ぎる人間が不用意に近づくことを防ぐためだ。
ちなみにたまたま付けていたこの神威。最近では神であることを認識させることに使われている。
でもこれらは人間に対して使われるものだ。神からの攻撃を防ぐものではない。
事実として、全身に「死神スキル 加護」をまとった一心が蹴っただけで砕け散った。
「彼らへの対策、何かできる事あるのかな。」
一番彼らを知っているであろう「神様」を見れば、
「……………………。」
「無言で目をそらさないでくれないかな?」
「…………。」
「……………はぁ。処置なし、かい?」
「その通りです。あの戦闘能力とそこから作られた2体の人工知能。全員に備わっている理解不能の頭脳。何も仕掛けずに、協力を仰がれたら協力をするのが最善かと。」
その言葉を聞いて、ふと、いやな予感がよぎる。
「………もし、もしもあの老害どもが勝手に彼らの力を制御、自分の支配下に置こうとしたら…?」
「はは、まさか……。あの老害もそこまで馬鹿では………。」
真っ青な顔で「ご冗談を」と言われてもね。
「万が一、の場合の被害を想定したいんだよ。答えてくれ。」
「この領域が滅んで済めばいい方ですよ。その時は、老害を差し出してこの領域を守りましょう。」
作り笑いを即座に真顔に変え、生贄を最善と言い切ったね君。
真っ青な顔のまま、彼はどこかへと消えた。
ああ、今。声を大にして言いたい。
表情変わらないけどさ!僕のメンタル強くないんだよ?!!
君たちと!!
違って!!
そんな声は届かない
その姿に神への畏怖はない。敬う様子を見せているものの、その心には尊敬の心は無いのだろう。
離れているニアは、罪人の監視をしている。言外に、こちらを信用などしていないということだろう。
…………彼らは、本当に人間なのだろうか。
心の奥底から溢れ出す、この感情はなんだろうか。
小刻みに震える手を隠して、一心が入れた紅茶を飲む。
一心が入れた紅茶は、文句のつけようがないほど美味しい。
しかしホッとすると同時に、ゾッとするのはなぜだろう。
千利の邪魔をすれば、すぐに私の敵となるから?
人間味が無いほど、美しいから?人間のように、微笑むから?
では、彼女は?
目の前にはニコニコ微笑む一人の女性。……男性に見えるけど、女性だ。
その笑顔から、狂気と圧を感じるのはなぜだろう。
(「一心とニアを侮辱した馬鹿を私が生かして置く訳がないでしょう?」)
先ほど聞いたあの言葉は、本気だった。
だからこそ今回、こうして報復しに来たのだろう。
それが出来てしまうのだ、たった一人で。
それに彼女が殺した神々を見ながら来たが、あれはおそらく警告。
ただ立っているように見えるのに、僅かにでも動けば死んでしまう「人形」。
(「私の邪魔をすれば、死体が増えますよ?これと全く同じ死体が。」)
操られ「人形」となった旧友は正気を取り戻し、私の元に駆け寄ろうとした。
…………止めた時には、もう遅く、首は落ちていた。
彼女が「神様」と呼ぶ者に見てもらえば、「武器を使って切ったにしては、切れ目が綺麗すぎます」といっていた。
彼女が「便利」と言う手刀で切ったのだろう。
手刀で「神の」首を落とし、武器を求め、我が子のために神を殺した精霊妃。
それが小鳥美。
今なお鳥肌が止まらない。恐ろしいが、手を出せばこちらの命がないことは明白だ。
神々にも存在する老害たちをどうにか説得しなければ、この領域の平和はない。
彼らがこちらの相談無しに行動をすれば、今度こそ全滅するだろう。
彼らを客室に泊めるよう指示を出して、「神様」と共に息を吐きだす。
「とんでもない人間がいたものだね、それも異世界から来たとは。」
「以前より並外れた戦闘能力があることは知っていましたが、まさか神殺しを実行するほどとは…。はっきり申し上げて、計算外です。」
「人間が神を傷つけられること自体が計算外さ。誰も予想できやしない。」
神には「神威」と呼ばれる防御膜が存在する。
信仰が過ぎる人間が不用意に近づくことを防ぐためだ。
ちなみにたまたま付けていたこの神威。最近では神であることを認識させることに使われている。
でもこれらは人間に対して使われるものだ。神からの攻撃を防ぐものではない。
事実として、全身に「死神スキル 加護」をまとった一心が蹴っただけで砕け散った。
「彼らへの対策、何かできる事あるのかな。」
一番彼らを知っているであろう「神様」を見れば、
「……………………。」
「無言で目をそらさないでくれないかな?」
「…………。」
「……………はぁ。処置なし、かい?」
「その通りです。あの戦闘能力とそこから作られた2体の人工知能。全員に備わっている理解不能の頭脳。何も仕掛けずに、協力を仰がれたら協力をするのが最善かと。」
その言葉を聞いて、ふと、いやな予感がよぎる。
「………もし、もしもあの老害どもが勝手に彼らの力を制御、自分の支配下に置こうとしたら…?」
「はは、まさか……。あの老害もそこまで馬鹿では………。」
真っ青な顔で「ご冗談を」と言われてもね。
「万が一、の場合の被害を想定したいんだよ。答えてくれ。」
「この領域が滅んで済めばいい方ですよ。その時は、老害を差し出してこの領域を守りましょう。」
作り笑いを即座に真顔に変え、生贄を最善と言い切ったね君。
真っ青な顔のまま、彼はどこかへと消えた。
ああ、今。声を大にして言いたい。
表情変わらないけどさ!僕のメンタル強くないんだよ?!!
君たちと!!
違って!!
そんな声は届かない
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