異世界情報収集生活

精霊達の土地編

35．閉会

「小鳥美は無事だ！毒に侵されてはいない。しかし毒が盛られていた事実から、カッセルラの代表たちはお帰り頂いた。まだ彼らが盛った毒があるかもしれない。各自注意するように。」

そう言って代表達の元へ行く私とウィール様。

歩いてくる様子も先ほどと何も変わらない私達に安心して、会場には一組減った代表達が話を続ける。

「毒が菓子一つにしか塗られていなかったようで、安心いたしました。よくぞご無事で。」

「私も驚きましたが、ウィール様が見て大丈夫だと言っていただいたので安心です。」

「いやはや、運がよかったという他ないですな。」

「ええ、大事が無くてよかったです。本当に。」

「お二人に気付いてもらったからこそですわ。お二人が気付かなければ、私も危なかったかもしれません。ご連絡、ありがとうございました。」

ライミリの国王は純粋な安心で、マルクトリアの国王は探るように話す。

………王族と言えど、バレバレだ。いくら顔で隠そうとも、感情によって匂いはわずかに変化する。
その匂いで私には分かってしまう。

一心は気配を消して、離れたところで代表者同士の話を録音している。

ニアはお菓子のレシピを何とか手に入れようと焦る、ミセッシャスト国王を対応している。

……側近の奴が鼻の下のばしてニアを見てるな……後で〆しめとくか。

その後はもう……。中・小国の奴らに、婿にこいつどう？とか、
一心とはそういう仲で？とか、
そういう仲じゃないならぜひ我が国に！とか！

ウザいったらありゃしない！

一心とニアは大事な子供だよ？だから手、出したら許さないよ？って返したり、
恋人は異世界にいたんです。その人以外にはそういった感情すら湧かなくて…

……って返したけど、絶対知らん顔で勧めるだろうな～。

そんなこんなで式は閉会。

ちなみに、カッセルラの国王達は世界樹と精霊妃の加護を一週間取り消すことで償うことが決まった。

世界樹の加護は食べ物の味と腹持ち(食べたらお腹がいっぱいになるやつ)を与えている。
そして、精霊妃の加護は水と作物に味と栄養を与えているので、この二つがないと……。

食べても食べてもお腹がすく。味もしなけりゃ栄養もないので、栄養失調に陥る。どれだけ食べても。


……地味―に恐ろしいことをしてくるウィール様。精霊王達も公認であるから怒りが知れるというものだ。


下級精霊達も「やっちゃえー」とか「フルボッコなのー」とか言っているしね。

「燃やす―」

「違うのー凍らせるのー！」

「燃やすの―！」
「凍らせるー！」
「燃やすー！」

「切り刻むの―」
「「ダメ―燃やす/凍らすのー！」」



…………………カワユイはよきだね。どうでもよくなってきたな、阿呆どものことなんて。

もうちょっと癒されたい……。

そして情報収集に私だって動きたいよ！
ダーネスの空間内にある我が家に入って、早く休みたい。

………ふっふっふ。明日は情報収集なのだ―。そのためにも今日はスッキリ休みたいなー。