異世界情報収集生活

スカーレット

文字の大きさ
上 下
35 / 205
異世界 阿呆の国編

22.街

しおりを挟む

二回目の街。
王都よりは整備されてないが、活気は同じくらいだろう。

私は髪の色を茶色にしておいたが、ニアはそのまま街に降りた。

街には屋台が並び、基本はアクセサリーや軽食が売られている。

お腹も減っていたので、近くの串肉を買うことにする。
こんな格好なのでチャラそうな感じでいいか。

「うまそうじゃん!おっちゃん、これ二つ頼む。」

「まいど!二つで銀貨二枚だよ。」

この世界の通貨は硬貨だけで、大金貨、金貨、銀貨、銅貨がある。

銀貨が100円くらいで、100枚で金貨になり銅貨は銀貨の10枚分…などをまとめると

大金貨………100000円(十万円)
金貨…………10000円(一万円)
銀貨…………100円
銅貨…………10円

になる。この世界の物価を考えるとひと月に銀貨10枚くらいが稼げるので…。

「おっちゃん、もうちょっとまけてくれね?」

「ダメダメ、銀貨二枚!」

「うーん。……そうだ!もう夕方で残るだろうから五本!五本で銀貨二枚!」

「残りを買ってくれるなんて言われちゃーなー。銀貨四枚だ!」

「うーんもう一声!銀貨三枚に銅貨五枚!」

「………………売った!」

「っしゃい!……ほい銀貨二枚。あと銅貨五枚な。」

「よーし持ってけ!まいど!」

値切り成功!その後もフライドポテトもどきやサンドイッチを食べていく。

「あとなんか食べるか?」

「兄上なら最後に甘味を食べたくなるのでは?向こう側にキャラメルナッツが売っているので買ってきてはどうでしょう?」

ちと高いが、まあいいか。若い女性の店員に話しかける。

「おねーさん、これ二つ!」

「まいどあり、二つで銀貨四枚ね。」

「うーん、俺のカッコよさとおねーさんの可愛さで三枚にならない?」

「えーどうしよう!」

顔を赤らめた店員さんに上目でダメ?と念押しすると三枚で売ってくれた。

「あ、そうだ!ねーねーおねーさんいい宿屋知らない?教えてくれたら4枚で買うよ?」

「宿屋ならちょっと高いけど、北の方の『北の雷』ってところがいいわよ!二つ名が宿の名前になってる人が護衛でちゃんと守ってくれるから、高くても安全でおすすめよ。」

「ほんとに!ありがとおねーさん!はい銀貨四枚。」

「まいどあり!またきてね~。」

赤い顔のまま手を振ってくれるので、投げキッスを返しておいた。

「ほいニア、ナッツ食べる?」

「兄上………意味もなく女性を惑わせるのはどうかと思います。」

「いいんだよこれくらい、宿も教えてもらったしさ。それよりニア、NOT敬語だ。」

ペシッとデコピンをして北の方へ移動する。
北の方は宿屋や工房が多い感じで、騎士団の詰め所もあるようだ。

「北の雷」は意外とすぐに見つかった。ここらで一番大きいところだったから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
宿の中に入ると細身の怖そうな男と、髪色が同じ女性が受付をしていた。
受付に向かうと、男の方から話しかけてきた。

「ここらで見ない顔だな。ここに何の用だ?」

剣を持っているのでさりげなくニアを後ろに隠し、武器をすぐに使えるように持ち替える。

「屋台のおねーさんにちょっと高いけど安全でいいよ!って教えてもらったんで、ここに泊まろうと思って。ってあれ?ここ「北の雷」だよな?」

「ああ、あっている。シーシャ、客だ。」

「はーい、こっちですよー。」

「二人で三泊、空いてる?」

「二人部屋なら空いてますよ!一泊銀貨十枚で二人なので…銀貨三十枚になります。お風呂は一人銀貨五枚で洗濯は……こちらでのまとめ洗いは銀貨三枚、委託での洗濯は銀貨五枚になります。どうされますか?」

「うーん………二人で三泊とお風呂を三回分付けてくれる?」

「分かりました!お二人での三泊にお風呂を三回分ですね。では……合計六十枚になります。あ、お支払いは先に全額お願いいたします。」

「りょうかーい、あ、金貨でつり出る?」

「出ますよ!……はい金貨一枚なので、銀貨四十枚のおつりです。お部屋は三階の一番奥になりまーす。」

部屋の鍵を受け取り、三階の部屋に入る。

うん。いたって普通の部屋だな。ベット二つに鏡が一つ。

もう夜になるところなのでニアに睡眠モードで寝ているふりをしつつ、一心と精霊達から送られてきている情報をまとめるように言う。

私は本業で羽をのばすとしよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スコップ1つで異世界征服

葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。 その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。 怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい...... ※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。 ※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。 ※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。 ※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

健太と美咲

廣瀬純一
ファンタジー
小学生の健太と美咲の体が入れ替わる話

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

処理中です...