37 / 200
異世界 阿呆の国編
22.街
しおりを挟む二回目の街。
王都よりは整備されてないが、活気は同じくらいだろう。
私は髪の色を茶色にしておいたが、ニアはそのまま街に降りた。
街には屋台が並び、基本はアクセサリーや軽食が売られている。
お腹も減っていたので、近くの串肉を買うことにする。
こんな格好なのでチャラそうな感じでいいか。
「うまそうじゃん!おっちゃん、これ二つ頼む。」
「まいど!二つで銀貨二枚だよ。」
この世界の通貨は硬貨だけで、大金貨、金貨、銀貨、銅貨がある。
銀貨が100円くらいで、100枚で金貨になり銅貨は銀貨の10枚分…などをまとめると
大金貨………100000円(十万円)
金貨…………10000円(一万円)
銀貨…………100円
銅貨…………10円
になる。この世界の物価を考えるとひと月に銀貨10枚くらいが稼げるので…。
「おっちゃん、もうちょっとまけてくれね?」
「ダメダメ、銀貨二枚!」
「うーん。……そうだ!もう夕方で残るだろうから五本!五本で銀貨二枚!」
「残りを買ってくれるなんて言われちゃーなー。銀貨四枚だ!」
「うーんもう一声!銀貨三枚に銅貨五枚!」
「………………売った!」
「っしゃい!……ほい銀貨二枚。あと銅貨五枚な。」
「よーし持ってけ!まいど!」
値切り成功!その後もフライドポテトもどきやサンドイッチを食べていく。
「あとなんか食べるか?」
「兄上なら最後に甘味を食べたくなるのでは?向こう側にキャラメルナッツが売っているので買ってきてはどうでしょう?」
ちと高いが、まあいいか。若い女性の店員に話しかける。
「おねーさん、これ二つ!」
「まいどあり、二つで銀貨四枚ね。」
「うーん、俺のカッコよさとおねーさんの可愛さで三枚にならない?」
「えーどうしよう!」
顔を赤らめた店員さんに上目でダメ?と念押しすると三枚で売ってくれた。
「あ、そうだ!ねーねーおねーさんいい宿屋知らない?教えてくれたら4枚で買うよ?」
「宿屋ならちょっと高いけど、北の方の『北の雷』ってところがいいわよ!二つ名が宿の名前になってる人が護衛でちゃんと守ってくれるから、高くても安全でおすすめよ。」
「ほんとに!ありがとおねーさん!はい銀貨四枚。」
「まいどあり!またきてね~。」
赤い顔のまま手を振ってくれるので、投げキッスを返しておいた。
「ほいニア、ナッツ食べる?」
「兄上………意味もなく女性を惑わせるのはどうかと思います。」
「いいんだよこれくらい、宿も教えてもらったしさ。それよりニア、NOT敬語だ。」
ペシッとデコピンをして北の方へ移動する。
北の方は宿屋や工房が多い感じで、騎士団の詰め所もあるようだ。
「北の雷」は意外とすぐに見つかった。ここらで一番大きいところだったから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
宿の中に入ると細身の怖そうな男と、髪色が同じ女性が受付をしていた。
受付に向かうと、男の方から話しかけてきた。
「ここらで見ない顔だな。ここに何の用だ?」
剣を持っているのでさりげなくニアを後ろに隠し、武器をすぐに使えるように持ち替える。
「屋台のおねーさんにちょっと高いけど安全でいいよ!って教えてもらったんで、ここに泊まろうと思って。ってあれ?ここ「北の雷」だよな?」
「ああ、あっている。シーシャ、客だ。」
「はーい、こっちですよー。」
「二人で三泊、空いてる?」
「二人部屋なら空いてますよ!一泊銀貨十枚で二人なので…銀貨三十枚になります。お風呂は一人銀貨五枚で洗濯は……こちらでのまとめ洗いは銀貨三枚、委託での洗濯は銀貨五枚になります。どうされますか?」
「うーん………二人で三泊とお風呂を三回分付けてくれる?」
「分かりました!お二人での三泊にお風呂を三回分ですね。では……合計六十枚になります。あ、お支払いは先に全額お願いいたします。」
「りょうかーい、あ、金貨でつり出る?」
「出ますよ!……はい金貨一枚なので、銀貨四十枚のおつりです。お部屋は三階の一番奥になりまーす。」
部屋の鍵を受け取り、三階の部屋に入る。
うん。いたって普通の部屋だな。ベット二つに鏡が一つ。
もう夜になるところなのでニアに睡眠モードで寝ているふりをしつつ、一心と精霊達から送られてきている情報をまとめるように言う。
私は本業で羽をのばすとしよう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる