異世界情報収集生活

スカーレット

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異世界 阿呆の国編

16.美男美女の不審者達登場

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美しい者たちの役に立つにはどうするのが一番両者にとっていいかを考えていたら、元の世界のゲームでよく聞いた電子音が聞こえた。

「地球の神にスキル『神の権限』にて強奪されていた固有スキル、『精霊視』の一部を再獲得いたしました。これにより、精霊王を感知することが可能になります。」

とたん、激しい痛みが頭を襲う。


な、んとか治まったらしい頭を軽く振り、一心に文句を言おうと頭を上げた

「姫様ー!!!やっと来てくれた――――!」

途端、タックルをくらった。不意打ちでの鳩尾タックルはヤメテ。
そしてなんかいっぱいいるんだけれど。

「おい、姫を驚かすんじゃない、風の。」

「久しぶりの再会だ。許してやれ、水の。」

「まぁ、やっと力を取り戻したのね。私達も嬉しいわ。」

「ああ、姫はようやっと忌まわしい神から力を取り戻されたようじゃの。まったくもって喜ばしい。」


「姫様!ここまでの人生、ご無事で何よりです。これからは私達を頼ってください。地球で悲しむ姫を見て、何度心が痛んだことか。」

「ああ、光のものの言う通りだ。地球にいた間、守ってやれなかったからな。その分、この世界では俺たちを頼れ。」

「ああ、やっとお会いできました、姫様。ようやくお側にいることが叶うのですね。」

「…………皆、姫が驚かれている。まずは説明が先だろう。気持ちはよく分かるが、説明なしでは私達はただの不審者だ。」


「「「「「「「「そんなことは!!!!!!」」」」」」」」


その通りだが、逃がす気はない。
一心とニアが素早く戦闘の準備を済ませて、全員が動きを見せたら殺せるように移動したのを確認した。

さて、何の用かな?

「その青みがかった銀髪の方の言う通り、あなた方は得体のしれない侵入者です。全員、両手を上に。」

私も素早く死角がないように移動し、警告をする。

「ああ、魔法を使おうとしてもいいですよ。その場合、私が首をかき切りますが。」

「マスターが出入り出来ないようにしたこの空間に、どうやって入ったのか答えてもらいますよ。答えなければ、苦しむだけですよ。永遠に。」

何故か驚かれているようだが、私に慈悲なんてものが在るのなら『死神』なんで二つ名がつく訳が無い。


不穏な空気になったこの場で、老人が口を開く。

「まずはわしらが現れたことで驚かせてしまった詫びを。わしらは精霊王。わし自身は樹の精霊王を務めておる。もともと精霊妃である姫のもとにいるのが通常なのじゃが、屑女神のせいでこの世界にしばらく来れなくての。やっと来れると思ったら姫がもう来ていると下級精霊から連絡を受けてのう。20年ぶりに会えると思ったらみな張り切って、スキルを返されるのは今か今かとこの家で待っていたというわけなんじゃ。」

おおう、一心が珍しく固まってる。レアだレア。
それにしても、姫である私会いたさにここまでするのか。

「……貴方方は元からこの場にいて、マスターが精霊妃のスキルの一部を返してもらったことにより確認できた、ということですか?」

「その通りじゃ。姫も、お前さんも、そちらのお嬢さんも驚かせてしまったようですまないのう。」

「……なら、答えてください。ここはマスターが作った空間の中です。なぜ、マスターから許可をもらっていないあなた方が入ることが出来たのですか?」

「それは俺だ。俺は闇の精霊王。闇の精霊は主に空間や感覚、精神などに干渉する魔法が使える。姫に会いたかったので、俺が空間を歪めて入った。」

「そんなことが………。」
ニア、気持ちは分かる。

「とりあえず、会議室に移動しましょうか。皆さんのことも、質問もしたいのでどうぞこちらへ。」

会議室に移動して、とりあえずお茶が飲みたい。
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