異世界情報収集生活

異世界 阿呆の国編

14.予想外の試練 神様視点

でも、もう一つの試練が僕達を待っていたんだ。

千利が地球の神様に気に入られていて、地球から出してくれなかったんだよ。
あんな環境の中で真面目に育つのは珍しいから、とか言っていたっけ。

それでも、精霊王達に気圧されて千利が世界を渡る許可はくれたんだよ。
でも、千利がどこにいるのか分からないようにしてきた。

神の領域に千利を連れてくるには正確な居場所が分からないといけない。
そのせいで千利がどの国に、いや、どの大陸にいるのかも分からないまま千利を探し始めた。
神々300人と精霊達総員で探した。

精霊達は数億体はいる。すぐに見つかると思って、僕はそのあとの準備をしていたんだ。

でも、悪神と呼ばれる神が神々や精霊王達に探されている存在に興味を持ってしまった。

ある悪神は、千利を殺して精霊王達に死体を見せびらかそうとした。

ある悪神は、千利の大切にしている全てを壊して絶望させることを企んだ。

ある悪神は、神々が探しに行けないように世界を渡る空間を閉ざそうとした。

僕や数名の神は、その対処に追われて千利を探せなくなった。



………ようやく千利を見つけたのは2年もたっていたころだった。

そのあとも、あの自称女神が邪魔したり、今回千利の精霊妃としての力をちゃっかり地球の神が奪っていたり………。

……………思い返すとムカつくな…全員消し去るか………。




………………………………………なんてね☆。冗談だよ千利、冗談。怖い顔しないの。
まあ、これが千利が地球に生まれた理由だよ。