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異世界 阿呆の国編
10.現状整理&脱出
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あれから3日、情報はどっさり集まりました。
魔王とやらの居場所は興味がないので調べてないけどね。
王弟の情報はアホほど簡単に集まっていった。
横領に違法薬草に毒薬の売買。我が子(現在20~28くらい)に対する虐待。
本来一週間くらいかかる量が集まった。不正し放題だな、こいつ。
「想定外の量が集まりましたね、兄上。これだけの不正をしているのに、なぜ投獄されてないのでしょう?」
「私も気になって調べたんだ。どうやら国王が見逃しているらしい。」
「これだけの量を、ですか。」
「優柔不断みたいだな。身内に甘いともいう。」
過去にいくつか不正の告発はあったらしいが、国王が見逃している。
だめだな、この国。
「王弟はどうだった?」
「この3日間変化ありません。夜に私に夜伽を命じ、断ると次の日の食事がなくなります。したがって、水を含めて食事は一切ありません。手錠は幻覚のおかげか再びはされていません。」
外からの食事や水の支給はない。それは、餓死の危険があることを示す。
この部屋には水差しや食料、お手洗いや風呂場など必要な設備がない。
つまり、このままここにいれば、そのうち死ぬ。
「よしニア、逃げるぞ。幸い、神様に教えてもらった空間収納魔法を応用して、住める家を確保したから。」
「家を?そもそも、空間収納魔法は生きている動物などは入れないのでは?」
空間収納魔法。名前の通り別の空間を作りその中に物を収納する便利な魔法だ。しかし、生きている動物や魔物は入れない。空間の中は時間が進まないからだ。
「あってるぞ、だから応用してみた。空間の中に生き物が入れるように空間の中を分けてみたんだ。そして片方に、時間が進むように少し空間を歪める細工をした。そしたらどうだ。魔物が生きたまま入ったんだよ。」
空間の中に入れた魔物は今も生きている。つまり、人間が入っても異常が出ない証明だ。
「いつの間に魔物なんて捕まえたんですか?そもそも、そういう危険なことこそ人工知能である私の仕事ではないのですか?」
なんだかニアが一心に毒されている気がしてならない。ま、まぁいいか。
「3日目はほとんど暇でね。魔法やスキルが使えるかどうかを調べていたんだよ。ゲームで使っていたスキルも一部使えそうだ。魔物はその時に食料にもなるし捕まえたんだ。」
空間内に入るのならラッキー、入らなければ干し肉にして持ち運べる。
「生き物が入るようになったことは理解しました。それで、家はどうやったのですか?」
「空間の中に土と苗木を入れて、ゲーム内の『成育スキル』を使ってみたんだ。期待通り、スキルは使えて立派な木になった。あとは、切って材木にして『建築スキル』で家を建てた。」
…………ニア、そんなアホな子を見るような目で見ないでくれないかな。衣食住の食と住む家が手に入ったんだから、ほめてくれてもいいんだよ?
「…………………………では、すぐに移動を開始しますか?」
「ああ、早いにこしたことはない。っておい、今何かを諦めなかったか。」
「なんのことでしょうか?移動の準備は済んでおります。」
「じゃあ、移動を開始しよう。いったん城の外に出るよ。脱出した、という口実を作っておきたい。また、今後はマルクトリア国、ライミリ精霊信仰国、ハージバリカ国、パラミウス国を中心に情報を集めかかわりを作る。」
「かしこまりました。」
魔王とやらの居場所は興味がないので調べてないけどね。
王弟の情報はアホほど簡単に集まっていった。
横領に違法薬草に毒薬の売買。我が子(現在20~28くらい)に対する虐待。
本来一週間くらいかかる量が集まった。不正し放題だな、こいつ。
「想定外の量が集まりましたね、兄上。これだけの不正をしているのに、なぜ投獄されてないのでしょう?」
「私も気になって調べたんだ。どうやら国王が見逃しているらしい。」
「これだけの量を、ですか。」
「優柔不断みたいだな。身内に甘いともいう。」
過去にいくつか不正の告発はあったらしいが、国王が見逃している。
だめだな、この国。
「王弟はどうだった?」
「この3日間変化ありません。夜に私に夜伽を命じ、断ると次の日の食事がなくなります。したがって、水を含めて食事は一切ありません。手錠は幻覚のおかげか再びはされていません。」
外からの食事や水の支給はない。それは、餓死の危険があることを示す。
この部屋には水差しや食料、お手洗いや風呂場など必要な設備がない。
つまり、このままここにいれば、そのうち死ぬ。
「よしニア、逃げるぞ。幸い、神様に教えてもらった空間収納魔法を応用して、住める家を確保したから。」
「家を?そもそも、空間収納魔法は生きている動物などは入れないのでは?」
空間収納魔法。名前の通り別の空間を作りその中に物を収納する便利な魔法だ。しかし、生きている動物や魔物は入れない。空間の中は時間が進まないからだ。
「あってるぞ、だから応用してみた。空間の中に生き物が入れるように空間の中を分けてみたんだ。そして片方に、時間が進むように少し空間を歪める細工をした。そしたらどうだ。魔物が生きたまま入ったんだよ。」
空間の中に入れた魔物は今も生きている。つまり、人間が入っても異常が出ない証明だ。
「いつの間に魔物なんて捕まえたんですか?そもそも、そういう危険なことこそ人工知能である私の仕事ではないのですか?」
なんだかニアが一心に毒されている気がしてならない。ま、まぁいいか。
「3日目はほとんど暇でね。魔法やスキルが使えるかどうかを調べていたんだよ。ゲームで使っていたスキルも一部使えそうだ。魔物はその時に食料にもなるし捕まえたんだ。」
空間内に入るのならラッキー、入らなければ干し肉にして持ち運べる。
「生き物が入るようになったことは理解しました。それで、家はどうやったのですか?」
「空間の中に土と苗木を入れて、ゲーム内の『成育スキル』を使ってみたんだ。期待通り、スキルは使えて立派な木になった。あとは、切って材木にして『建築スキル』で家を建てた。」
…………ニア、そんなアホな子を見るような目で見ないでくれないかな。衣食住の食と住む家が手に入ったんだから、ほめてくれてもいいんだよ?
「…………………………では、すぐに移動を開始しますか?」
「ああ、早いにこしたことはない。っておい、今何かを諦めなかったか。」
「なんのことでしょうか?移動の準備は済んでおります。」
「じゃあ、移動を開始しよう。いったん城の外に出るよ。脱出した、という口実を作っておきたい。また、今後はマルクトリア国、ライミリ精霊信仰国、ハージバリカ国、パラミウス国を中心に情報を集めかかわりを作る。」
「かしこまりました。」
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