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異世界 阿呆の国編
8.異世界は馬鹿ばっかり
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さてさて、皆様異世界でございます。
皆様もうすっかり忘れたであろうプロローグの先の物語です。プロローグを簡単に説明しますと。
「おお、異世界よりいでし勇者よ。この世界の魔王を打ち倒すのです!!」
なんて言われたので、
無言で「「はぁ?」」
という顔をニアとしたわけです。
私とニアはこの世界の知識は少しあるので、(神様が教えてくれた。)魔王なんて存在がいないことも知っているわけで。
ホントニナニコノ状況
ただ、嫌な予感はするので、ニアに何かあったら顔面を殴るよう指示しておく。
不機嫌そうな人物の横にいる、怪しさ満載な笑顔の老人(以下、怪しい老人)が続けて口を開く。
「おお、勇者様はご兄妹でいらしてくださったご様子。しかし、魔王を倒す旅は長く険しいものになるでしょう。妹様はこちらで保護しましょう。」
そう言って、ガシッとニアの両腕を魔法使いっぽい人が掴む。
明らかに罪人かなんかの連れ方ですが、突っ込んでいいのかこれ。
とりあえず、下手に出ておくか。
録音はしているからこっちが悪くならないようにしておこう。
………不機嫌男、下品な顔でニアを見るな。お前はいつかぶん殴る。
「心配ご無用です、見知らぬお方。我が妹は、私の部下と並ぶほど武術に優れていますので。保護はもとより共に旅に来るほうが有意義かと思います。」
そう言うと、はっ、と鼻で笑われた。
「御冗談を、女性が戦うなど非常識極まりない。そんなはずがないでしょう。こちらで大切に、保護いたしますので、ご安心ください。」
そう言って、魔法使いっぽい人に連れていくよう命令する。魔法使いっぽい人は、ニアを引きずって不機嫌男と共に出ていく。
こちらの事は聞く気も無し、か。おそらくニアを慰み者にして、私を捨て駒として呼び出したということだろう。
………愚かな事だ。
「勇者様には、この世界にいる魔王を殺していただきます。魔王を殺せば、元の世界に返して差し上げましょう。対話など、魔王には無駄なこと。殺すことだけを考えてくださいませ。」
そう言って、怪しさ満載な笑顔のまま銀色のナイフを渡してくる。
「魔王に唯一効き目を持つ、銀のナイフでございます。本日はここに泊まり、そのナイフを手になじませてください。明日、魔王の居場所をお教えいたしますので旅をし、殺してくださいませ。」
なるほど。銀メッキされたナイフを1日で手に馴染ませ、魔王(仮)を殺せと。
……大爆笑していいだろうかこれ。ニヨニヤしてしまうのを必死に抑える。
その後、ニアと別の部屋に通され、しっかり鍵をかけられる。
気配からして、見張りも二人居るらしい。が、私にはあまり変わらない。
毒や水がないか調べておこう。水は、神様に教えてもらった空間魔法で持っていきたいし、毒も知っておいたほうがいいだろう。
さて、ニアはどの辺かな?
臭いでたどれる範囲だといいんだけれど……。
「キャ――――ッ!!」
「ニア!?。」
どうやら、馬鹿は思ってたより馬鹿らしい。
皆様もうすっかり忘れたであろうプロローグの先の物語です。プロローグを簡単に説明しますと。
「おお、異世界よりいでし勇者よ。この世界の魔王を打ち倒すのです!!」
なんて言われたので、
無言で「「はぁ?」」
という顔をニアとしたわけです。
私とニアはこの世界の知識は少しあるので、(神様が教えてくれた。)魔王なんて存在がいないことも知っているわけで。
ホントニナニコノ状況
ただ、嫌な予感はするので、ニアに何かあったら顔面を殴るよう指示しておく。
不機嫌そうな人物の横にいる、怪しさ満載な笑顔の老人(以下、怪しい老人)が続けて口を開く。
「おお、勇者様はご兄妹でいらしてくださったご様子。しかし、魔王を倒す旅は長く険しいものになるでしょう。妹様はこちらで保護しましょう。」
そう言って、ガシッとニアの両腕を魔法使いっぽい人が掴む。
明らかに罪人かなんかの連れ方ですが、突っ込んでいいのかこれ。
とりあえず、下手に出ておくか。
録音はしているからこっちが悪くならないようにしておこう。
………不機嫌男、下品な顔でニアを見るな。お前はいつかぶん殴る。
「心配ご無用です、見知らぬお方。我が妹は、私の部下と並ぶほど武術に優れていますので。保護はもとより共に旅に来るほうが有意義かと思います。」
そう言うと、はっ、と鼻で笑われた。
「御冗談を、女性が戦うなど非常識極まりない。そんなはずがないでしょう。こちらで大切に、保護いたしますので、ご安心ください。」
そう言って、魔法使いっぽい人に連れていくよう命令する。魔法使いっぽい人は、ニアを引きずって不機嫌男と共に出ていく。
こちらの事は聞く気も無し、か。おそらくニアを慰み者にして、私を捨て駒として呼び出したということだろう。
………愚かな事だ。
「勇者様には、この世界にいる魔王を殺していただきます。魔王を殺せば、元の世界に返して差し上げましょう。対話など、魔王には無駄なこと。殺すことだけを考えてくださいませ。」
そう言って、怪しさ満載な笑顔のまま銀色のナイフを渡してくる。
「魔王に唯一効き目を持つ、銀のナイフでございます。本日はここに泊まり、そのナイフを手になじませてください。明日、魔王の居場所をお教えいたしますので旅をし、殺してくださいませ。」
なるほど。銀メッキされたナイフを1日で手に馴染ませ、魔王(仮)を殺せと。
……大爆笑していいだろうかこれ。ニヨニヤしてしまうのを必死に抑える。
その後、ニアと別の部屋に通され、しっかり鍵をかけられる。
気配からして、見張りも二人居るらしい。が、私にはあまり変わらない。
毒や水がないか調べておこう。水は、神様に教えてもらった空間魔法で持っていきたいし、毒も知っておいたほうがいいだろう。
さて、ニアはどの辺かな?
臭いでたどれる範囲だといいんだけれど……。
「キャ――――ッ!!」
「ニア!?。」
どうやら、馬鹿は思ってたより馬鹿らしい。
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