14 / 205
異世界に行くまで
3.神様(本物)
しおりを挟む
先ほどの空間とよく似たこの場所には、殺気交じりの怒気が支配していた。
あたりを見渡すと、先ほどの自称女神(あんな勝手な奴を神とは認めない)が白髪の少年?に土下座していた。
心なしか、震えているようだ。
「強敵は…いないのか……」
「ああ!無事に来れたんだね。よかった、安心したよ。って、どうかしたかい?」
「いえ、何でもありません。それより貴方はどなたでしょうか。」
「私かい?私は、君が生まれる予定だった世界の、神だよ。今回はこの女神のせいで苦労をかけて、すまないね。」
また神か。強敵がいないのは残念だが、仕方がない。
元の世界に帰れるように交渉してみよう。
「き、強敵を期待していたのかい!?ここは神の領域だから悪神位しかいないんだけどな。」
神様の金色の目がまん丸になる。子供のようだ。それよりも、
「声に出していないはずなのですが。」
「一応、神だからね。考えていることはわかるよ。あと、元の世界には帰せないんだ。この女神が無理に空けてくれた空間は歪なせいで一方通行なんだ。」
ねぇ?と、冷気を出しながら自称叡智の女神の頭を踏む神。
「わた、私はただ、貴方様が、異世界からの異物で困ってると聞いて。それで!生まれる予定だった者を、元の世界に戻るかわりに、駆除させればいいと思いまして!だから!」
「本人の意思も聞かないで、首輪をつけて、別の世界に落としたと?」
呆れた言い訳だ。第一、あの高さから落とされたら着地で死ぬぞ。
「知識しかないのに無理に世界と世界をつなぐ空間を空けるからこうなるんだよ。彼女の言うとおり、君は『自称』女神で十分だよ。」
くすくすとわらう神様。チョットコワイデス。
………どうやら、なかなかにいい性格をしていらっしゃるようで。
目が笑ってませんよ神様。おかげで緊張は解けたが。
「まずは、繰り返しになってしまうかもしれないけど、今回の説明をさせてもらうよ。」
「分かりました、今度はしっかり聞きますよ。」
「とりあえず、長くなるからこっちで座りな。立ってたら疲れちゃうよ。それに、もっと普通に話していいよ。君が元の世界にいた様子を見ていたからね。」
神様が手を軽く振ると自称女神が消えて、机と一人用ソファーが二つ出る。
おお、神様っぽい。ソファーもフカフカだ。
それにしても見られてたのか。なら、普通に話していいかな。
「神様っぽいって…神様だからね。ああ、首輪は外したから安心して。」
あれ、ホントだ。いつのまにやら首輪が無い。
こうして二人、ソファーに座って話し合い(確認)が始まる。
あたりを見渡すと、先ほどの自称女神(あんな勝手な奴を神とは認めない)が白髪の少年?に土下座していた。
心なしか、震えているようだ。
「強敵は…いないのか……」
「ああ!無事に来れたんだね。よかった、安心したよ。って、どうかしたかい?」
「いえ、何でもありません。それより貴方はどなたでしょうか。」
「私かい?私は、君が生まれる予定だった世界の、神だよ。今回はこの女神のせいで苦労をかけて、すまないね。」
また神か。強敵がいないのは残念だが、仕方がない。
元の世界に帰れるように交渉してみよう。
「き、強敵を期待していたのかい!?ここは神の領域だから悪神位しかいないんだけどな。」
神様の金色の目がまん丸になる。子供のようだ。それよりも、
「声に出していないはずなのですが。」
「一応、神だからね。考えていることはわかるよ。あと、元の世界には帰せないんだ。この女神が無理に空けてくれた空間は歪なせいで一方通行なんだ。」
ねぇ?と、冷気を出しながら自称叡智の女神の頭を踏む神。
「わた、私はただ、貴方様が、異世界からの異物で困ってると聞いて。それで!生まれる予定だった者を、元の世界に戻るかわりに、駆除させればいいと思いまして!だから!」
「本人の意思も聞かないで、首輪をつけて、別の世界に落としたと?」
呆れた言い訳だ。第一、あの高さから落とされたら着地で死ぬぞ。
「知識しかないのに無理に世界と世界をつなぐ空間を空けるからこうなるんだよ。彼女の言うとおり、君は『自称』女神で十分だよ。」
くすくすとわらう神様。チョットコワイデス。
………どうやら、なかなかにいい性格をしていらっしゃるようで。
目が笑ってませんよ神様。おかげで緊張は解けたが。
「まずは、繰り返しになってしまうかもしれないけど、今回の説明をさせてもらうよ。」
「分かりました、今度はしっかり聞きますよ。」
「とりあえず、長くなるからこっちで座りな。立ってたら疲れちゃうよ。それに、もっと普通に話していいよ。君が元の世界にいた様子を見ていたからね。」
神様が手を軽く振ると自称女神が消えて、机と一人用ソファーが二つ出る。
おお、神様っぽい。ソファーもフカフカだ。
それにしても見られてたのか。なら、普通に話していいかな。
「神様っぽいって…神様だからね。ああ、首輪は外したから安心して。」
あれ、ホントだ。いつのまにやら首輪が無い。
こうして二人、ソファーに座って話し合い(確認)が始まる。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる