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良は昼前に起きてきて、そのとき裕司は居間で本を読んでいたから、おはようとだけ挨拶をした。そのまま良の脚が通り過ぎていくのを本の向こうに見送って、しばらくすると洗面所で何やら独り言をこぼしているのが聞こえてきた。それを裕司は大して気にかけなかったが、良はわざわざ裕司のところに戻ってきて、寝癖がひどいと訴えてきた。
「濡らしてドライヤーかけたらきれいになるだろ」
そう言って短い髪を撫でてやったが、良はいかにも不服だという顔をして言った。
「そうなんだけどこれいつもよりひどくない?」
ひどいというその頭を肩にぐいぐいと押しつけてくるので、裕司は読んでいた本を閉じて傍らに置いた。
「お前いつもちゃんと髪乾かさねぇから」
「だってほっといても乾くじゃん……」
「乾く前に寝たらそりゃ寝癖もつくだろ」
「昨日はそんなすぐ寝てない」
確かにゆうべは裕司が寝支度を終えるのを待っていた。それは覚えていたが、細部の記憶はかなり曖昧で、やはり昨夜は相当疲れていたのだと思う。
「俺だってそんなに寝癖に詳しくねぇよ」
言いながら明後日にハネた良の髪を撫でつけてみたが、一度ついた癖はそう簡単には直らなかった。艶のある真っ直ぐな黒髪はこんなとき存外強情だ。
「あんたはあんまり寝癖つかないね……」
「俺はそもそもくせっ毛なんだよ。なんだツルツルの髪しやがって」
両手で頭をつかんで首まで撫で下ろしてやると、くすぐったかったのか良はふふふとおかしそうに笑った。
「今日どっか行く?」
「え? いや予定は何も無ぇが」
「俺が寝癖のまんまだったらやだ?」
「別に構わねぇけど、笑っても怒るなよ」
ふふ、と良はまた笑って、立ち上がった。そのまま何も言わずに洗面所に戻っていくので、何となく目で追うと、水を使う音がして、ややあってから今度はドライヤーの音が聞こえてきた。
さっきのやりとりは何だったんだ、と思いながらも、良の行動がおかしくて、裕司は一人で笑ってしまう。良は歳にそぐわないほど落ち着いている面を持つと同時に、気ままな思いつきで振る舞うこともあって、そちらの方がおそらく彼の素に近いのだろうと思っていた。
理性や思考で行動を抑えないとき、良は脈絡のない言動で裕司を驚かせもしたが、それは決して不快なものではなかった。むしろ見ていて安心するほど、彼らしいとも感じられた。
彼にとって長かっただろう日を乗り越えて、よく休んだ結果があれならよかった、と裕司は思う。彼があんなふうに笑ってくれると、正体の知れない不安は霧散するようだった。
「ねー裕司さん」
呼ばれて振り返ると、良がキッチンの端からこちらを見ていた。乾かしたばかりの髪はふわりと柔らかそうで、寝癖はすっかり消えていた。
「お腹空いたからもうお昼作っていい?」
作ってくれとは言わないんだなと思いながら、裕司は立ち上がる。良は壁にもたれながら、丸くて黒い目だけ動かしてずっと裕司を見つめていた。
「朝のスープ残しといたからそれでつないどけよ。その間に俺が昼作るから」
え、と声を上げた良の後ろを通って、コンロの上の片手鍋の蓋を開ける。溶き卵を入れたオニオンスープは、寝かせた分朝より濃厚な香りがした。
「いいの? 美味しそう」
「いいも何もお前の分だよ」
そう言ってコンロの火を点けると、良はいそいそとスープボウルを出してきた。後は自分で勝手に注いで食べるだろう。そう考えて裕司が冷蔵庫の方を向くと、後ろからシャツの背中をつかまれた。
「何……」
振り向こうとした身体に抱きつかれて、耳のすぐそばでちゅっと唇を鳴らす音がした。思わず良の顔を見返すと、良は照れたふうでもなくただ機嫌のよさそうな表情をして、こう言った。
「あんたに甘やかされすぎてだめになるよ、俺」
「……今さら何言ってんだ」
そう返した自分の声の方が明らかに照れ隠しのそれで、裕司は余計に恥ずかしくなる。良はそれに気付いているのかどうか読めない顔で、つかんでいた裕司の服を離した。
「俺が寝坊したのに、ご飯まで作ってくれるんでしょ?」
「俺が寝てろって言ったんじゃねぇか」
「同じ時間に寝たのに昼まで寝かせてくれてスープ取っといてくれてご飯作ってくれるのすごくない? 俺太らされて食われんのかな」
微笑みながらそんな冗談を言う良につられて、もう食われてるだろ、と言いそうになったのをすんででこらえた。良にオヤジくさいと言われるのはそれなりにこたえるのだ。
「別に普通だろうが。お前だって俺が疲れてたらそれぐらいしてくれるんじゃないのか?」
「んー、あんたがしてほしいなら全然するけど……」
「だったら俺がしたっておかしくないだろ」
冷蔵庫を開けて昼食の材料を取り出す裕司の横で、良は納得がいかないというように首を左右に傾けていた。鍋の中のスープが温まって、くつくつと音を立て始める。
良が裕司の厚意に大げさな反応を示すのは、きっと裕司が大人だからだ。彼の中では、大人という生き物はそういうことをしないものだと学習されているのだろう。
それが何となくわかるから、裕司はそれ以上何も言わなかった。いつか慣れてくれればいい、と考えながら、そうなる前に彼自身が大人になってしまうような気もした。
「濡らしてドライヤーかけたらきれいになるだろ」
そう言って短い髪を撫でてやったが、良はいかにも不服だという顔をして言った。
「そうなんだけどこれいつもよりひどくない?」
ひどいというその頭を肩にぐいぐいと押しつけてくるので、裕司は読んでいた本を閉じて傍らに置いた。
「お前いつもちゃんと髪乾かさねぇから」
「だってほっといても乾くじゃん……」
「乾く前に寝たらそりゃ寝癖もつくだろ」
「昨日はそんなすぐ寝てない」
確かにゆうべは裕司が寝支度を終えるのを待っていた。それは覚えていたが、細部の記憶はかなり曖昧で、やはり昨夜は相当疲れていたのだと思う。
「俺だってそんなに寝癖に詳しくねぇよ」
言いながら明後日にハネた良の髪を撫でつけてみたが、一度ついた癖はそう簡単には直らなかった。艶のある真っ直ぐな黒髪はこんなとき存外強情だ。
「あんたはあんまり寝癖つかないね……」
「俺はそもそもくせっ毛なんだよ。なんだツルツルの髪しやがって」
両手で頭をつかんで首まで撫で下ろしてやると、くすぐったかったのか良はふふふとおかしそうに笑った。
「今日どっか行く?」
「え? いや予定は何も無ぇが」
「俺が寝癖のまんまだったらやだ?」
「別に構わねぇけど、笑っても怒るなよ」
ふふ、と良はまた笑って、立ち上がった。そのまま何も言わずに洗面所に戻っていくので、何となく目で追うと、水を使う音がして、ややあってから今度はドライヤーの音が聞こえてきた。
さっきのやりとりは何だったんだ、と思いながらも、良の行動がおかしくて、裕司は一人で笑ってしまう。良は歳にそぐわないほど落ち着いている面を持つと同時に、気ままな思いつきで振る舞うこともあって、そちらの方がおそらく彼の素に近いのだろうと思っていた。
理性や思考で行動を抑えないとき、良は脈絡のない言動で裕司を驚かせもしたが、それは決して不快なものではなかった。むしろ見ていて安心するほど、彼らしいとも感じられた。
彼にとって長かっただろう日を乗り越えて、よく休んだ結果があれならよかった、と裕司は思う。彼があんなふうに笑ってくれると、正体の知れない不安は霧散するようだった。
「ねー裕司さん」
呼ばれて振り返ると、良がキッチンの端からこちらを見ていた。乾かしたばかりの髪はふわりと柔らかそうで、寝癖はすっかり消えていた。
「お腹空いたからもうお昼作っていい?」
作ってくれとは言わないんだなと思いながら、裕司は立ち上がる。良は壁にもたれながら、丸くて黒い目だけ動かしてずっと裕司を見つめていた。
「朝のスープ残しといたからそれでつないどけよ。その間に俺が昼作るから」
え、と声を上げた良の後ろを通って、コンロの上の片手鍋の蓋を開ける。溶き卵を入れたオニオンスープは、寝かせた分朝より濃厚な香りがした。
「いいの? 美味しそう」
「いいも何もお前の分だよ」
そう言ってコンロの火を点けると、良はいそいそとスープボウルを出してきた。後は自分で勝手に注いで食べるだろう。そう考えて裕司が冷蔵庫の方を向くと、後ろからシャツの背中をつかまれた。
「何……」
振り向こうとした身体に抱きつかれて、耳のすぐそばでちゅっと唇を鳴らす音がした。思わず良の顔を見返すと、良は照れたふうでもなくただ機嫌のよさそうな表情をして、こう言った。
「あんたに甘やかされすぎてだめになるよ、俺」
「……今さら何言ってんだ」
そう返した自分の声の方が明らかに照れ隠しのそれで、裕司は余計に恥ずかしくなる。良はそれに気付いているのかどうか読めない顔で、つかんでいた裕司の服を離した。
「俺が寝坊したのに、ご飯まで作ってくれるんでしょ?」
「俺が寝てろって言ったんじゃねぇか」
「同じ時間に寝たのに昼まで寝かせてくれてスープ取っといてくれてご飯作ってくれるのすごくない? 俺太らされて食われんのかな」
微笑みながらそんな冗談を言う良につられて、もう食われてるだろ、と言いそうになったのをすんででこらえた。良にオヤジくさいと言われるのはそれなりにこたえるのだ。
「別に普通だろうが。お前だって俺が疲れてたらそれぐらいしてくれるんじゃないのか?」
「んー、あんたがしてほしいなら全然するけど……」
「だったら俺がしたっておかしくないだろ」
冷蔵庫を開けて昼食の材料を取り出す裕司の横で、良は納得がいかないというように首を左右に傾けていた。鍋の中のスープが温まって、くつくつと音を立て始める。
良が裕司の厚意に大げさな反応を示すのは、きっと裕司が大人だからだ。彼の中では、大人という生き物はそういうことをしないものだと学習されているのだろう。
それが何となくわかるから、裕司はそれ以上何も言わなかった。いつか慣れてくれればいい、と考えながら、そうなる前に彼自身が大人になってしまうような気もした。
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