幼女エルフの自由旅

信用と経験

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表通りから1本中に入った裏通りに、ひっそりと剣と斧が交差した武器屋の目印である立札が目に入る
店名は掲げられていないが、恐らくここがブルの店だろう

「こんにちはー！」

先程の店と同様に声を張り上げながら扉を開ける
店内に入った瞬間感じる違和感……
武器屋の立札があった筈だが、並べられている商品がおかしい

「いらっしゃい、金はあるのかい？」

エルフ族の女性が気怠るそうに私見て言うのだが……

「あの、ここはブルの店と呼ばれる武器屋で間違いありません？」
「武器屋って言うよりは魔道具屋だがね、冷やかしなら帰りな」

何ともサービス精神の無いご婦人である
そして私の問いにすんなりと帰ってきた答えに困惑する
魔道具は武器屋に申し訳程度に置かれているものであって、魔道具の専門店なんて耳にもしなかった
……とりあえず、目当ての商品を尋ねるだけはしておこうか

「私でも扱える武器を探してたらこの店を紹介されたんですが、ありますか？」
「……予算は？」
「金貨1枚まで、です」

金貨を収納から出して金を持っている事を告げると、ご婦人は怠げに立ち上がり奥に引っ込んで行く
一応探してくれるようで安心した
その隙に周りを見渡せば、何に使うのか分からないような大物ばかりが目に入る
解析結果によるとどれも魔石はついておらず、魔道具としては未完成品ばかりだ
恐らく大型である事によって運び出し難く、一番高価でもある魔石を組みこんでいない事で取られても威力を発揮しない物体として扱っているのだろう