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信用と経験
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「待たせたな、コイツが代理許可証だ!全部で8枚ある」
魔法契約書と似てはいるが、記載された内容は違う
もっとも、洋紙の機能を邪魔しないほど薄く彫られた魔方陣は同じ物のようなので、洋紙自体は何枚か予備があるのだろう
「今年分は支払いを終えてるから、2つレシピを置いて行くといい」
葉紙を2枚机に置いてペンを私に渡すギルドマスターの顔は凛々しい
職人というのは融通の効かない奴らだが、懐に入れた者にはトコトン甘いのだと言ったアマリさんの言葉を思い出す
「代理許可証はレシピと共にアマリ婆さんにでも渡すといい」
ドカリと座ったギルドマスターの手には新しい水が2つ握られているが……
居座るつもりか?
まぁ、後でテターニャさんにこの人が怒られようと私には関係無い話だとペンを握って葉紙を寄せる
さて、何を残そうか……
「キキノコの採取方法とかは?」
「……そういうのは冒険者ギルドで買い取ってる、銅貨1枚程度だが」
買い取ってくれるんだ……
「嬢ちゃんがエルフの集落で得て来た知識を提出してくれりゃあいいんだぞ?」
「そうですねぇ……」
一応職人ギルドがエルフの秘伝的レシピを入手したいのは分かっている
けれど、私には何が秘伝なのか分からない上に、エルフ族は森を荒らされる行為は最も嫌うのでそう簡単に曝け出す訳にはいかない
最悪戦争に成りかねないからだ
そうなれば元凶である私が他の集落からも追われる羽目になるだろうし、私にとってメリットがこれっぽっちも無い
寧ろ強制されるのであれば職人ギルドに所属するのは危険しかない
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もっとも、洋紙の機能を邪魔しないほど薄く彫られた魔方陣は同じ物のようなので、洋紙自体は何枚か予備があるのだろう
「今年分は支払いを終えてるから、2つレシピを置いて行くといい」
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ドカリと座ったギルドマスターの手には新しい水が2つ握られているが……
居座るつもりか?
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買い取ってくれるんだ……
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けれど、私には何が秘伝なのか分からない上に、エルフ族は森を荒らされる行為は最も嫌うのでそう簡単に曝け出す訳にはいかない
最悪戦争に成りかねないからだ
そうなれば元凶である私が他の集落からも追われる羽目になるだろうし、私にとってメリットがこれっぽっちも無い
寧ろ強制されるのであれば職人ギルドに所属するのは危険しかない
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