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信用と経験
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血走った目を細めて、恐らく笑っているのだろう顔で去っていくセンジュさん
……冒険者より研究者の方が性に合っている気がするのは私だけだろうか
扉を閉めようとしてこちらを見つめる2人に気づく
「ごめんね?センジュってセルグジアの魔物専門の研究生だったのよ、それが実際に生態を自分の目で確認したいからって冒険者になった変わり者なのよね」
「……俺達は護衛だった」
な、成る程
暴走気味の研究者だな
しかも女癖も悪いと来れば、私だったら付き合いをご遠慮したい
目の前に付き合い続けている方々がいるので声には出さないけどね
「それにしても、長寿種にまでそんな含み言葉があるなんて……私達の知る含み言葉にも似たようなものがあったわよね?」
「……死期と金の計画は無駄」
「そうそう、死期と金の計画はその通りになる事なんてそうそうないから今ある金と生を大事にって感じの意味よね」
確かに似ているが、取らぬ狸の皮算用という言葉が浮かんでしまったのは何故だろうか
またセンジュさんの時間を無駄にしてしまいそうな気がするので口にしないでおこう……
それにしても諺っていうのは興味深いな、こちらの言葉では含み言葉か
「ぁ、あのッ!」
背後から聞こえて来た幼い声に振り返る
そこには待ちに待った、と言うべきだろうか
兎に角扉を開ける前までは想いを馳せていたご飯とそれを抱える幼いアナグマが困ったように立っていた
「おはようございます、それは私のご飯ですか?」
「そッそう、です……スープとパンのお代わりは下に来て、下さい」
「ありがとうございます」
相変わらず大きなお盆を受け取って部屋に戻ることにする
……冒険者より研究者の方が性に合っている気がするのは私だけだろうか
扉を閉めようとしてこちらを見つめる2人に気づく
「ごめんね?センジュってセルグジアの魔物専門の研究生だったのよ、それが実際に生態を自分の目で確認したいからって冒険者になった変わり者なのよね」
「……俺達は護衛だった」
な、成る程
暴走気味の研究者だな
しかも女癖も悪いと来れば、私だったら付き合いをご遠慮したい
目の前に付き合い続けている方々がいるので声には出さないけどね
「それにしても、長寿種にまでそんな含み言葉があるなんて……私達の知る含み言葉にも似たようなものがあったわよね?」
「……死期と金の計画は無駄」
「そうそう、死期と金の計画はその通りになる事なんてそうそうないから今ある金と生を大事にって感じの意味よね」
確かに似ているが、取らぬ狸の皮算用という言葉が浮かんでしまったのは何故だろうか
またセンジュさんの時間を無駄にしてしまいそうな気がするので口にしないでおこう……
それにしても諺っていうのは興味深いな、こちらの言葉では含み言葉か
「ぁ、あのッ!」
背後から聞こえて来た幼い声に振り返る
そこには待ちに待った、と言うべきだろうか
兎に角扉を開ける前までは想いを馳せていたご飯とそれを抱える幼いアナグマが困ったように立っていた
「おはようございます、それは私のご飯ですか?」
「そッそう、です……スープとパンのお代わりは下に来て、下さい」
「ありがとうございます」
相変わらず大きなお盆を受け取って部屋に戻ることにする
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