幼女エルフの自由旅

信用と経験

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「まぁ、僕等には必要ない物だって分かっただけでも……」
「これ売れるか？金貰っても俺は要らねぇぞ」
「人間の国に行けばきっと……きっと売れるわよ」
「……。」

迷宮産なだけあって捨てるのは忍びないらしい
ただし言い様のない不満を宿した目でマスクを見つめているので近いうちに手放されるのは間違いないだろう

「そう言えば、話があるとの事でしたよね！」

居た堪れずに話題を変える
そもそもここに来た目的は冒険者ギルドで告げられた話の続きをする為で、冒険者の登録を説得されるためでも迷宮から出たものの鑑定を行うためでも無いのだから

「そうだったわね」
「あの時は助かったよ、まさか盗賊がいるなんて情報はなかったからねぇ」
「しかも奴等の中に賞金首が3人もいたんだってよ！」

賞金首？

「なんでも最近2つの盗賊団が討伐されたんだけど幹部の数人が見当たらなかったらしい、恐らく逃げた先で出会って団結していたんだろうね」
「それで私達には賞金が入ったんだけど、想像以上に高額だったのよね」
「あれだけ強れば数十シルの奴はいると思ってたけどねぇ、まさか金貨首が2人もいるとは」

この世界では正体が分からずとも例の残留魔力を調べる魔道具によって賞金がかけられる事があるらしい
盗賊団を崩壊させた者には残留魔力で特定されていた者の討伐金があてがわれ、残留魔力が特定されていない者でも数シル程度の報酬が用意されているという
因みに銅貨1枚で10シル、銀貨が1枚100シル、金貨というのは1枚で1000シルになる