幼女エルフの自由旅

信用と経験

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薬草や鉱物が取り放題ならば見習いには宝の宝庫だろう
タダで手に入れた物が自分の技術の糧になるのなら使わない手は無い
最も私には今のところ価値を見出せない物だけどね

「中級や上級の迷宮は冒険者以外は入れないわよ？中には危険な魔物が多いし、天候も変わりやすいもの」
「その代わり珍しい物が取れるから職人の人達は冒険者登録を一緒に済ませる人が多いよね」
「職人より冒険者の方が稼げるぞ？」

少しだけ私が迷宮の存在に興味を見せたからか次々と迷宮の情報を語ってくれる千里眼の皆様
有り難いのだけれど、冒険者になる気は無いからね？

「……宝箱もある」

宝箱？
そう言えばコ神が私と共にこの世界に来た物は迷宮から出るって言ってたっけ
って事は、あの部屋の物や縁の母の遺品などが何処かの迷宮の宝箱から出る事になるのだろうか
うーん……
特にこの世界で必要になる物は無いな
電気の無い世界では家電は不要なゴミだし、遺品の中身もあの人のお稽古事の教材ばかり
この世界の人々にとっても使い方の分からないガラクタが多いだろう

「そうそう！これも迷宮の宝箱から出た物なんだぜ！」

そう言って馬鹿ガンが自慢げに取り出したのは化学繊維で織られた掌大の布の一箇所に針金の様な物が入っているが針金は折れ、薄汚れて毛玉も見えるヨレヨレのモノ……

「これは……」
「まだ鑑定屋に出してないからどういう用途なのかは分からないけど良い物だと願ってるわ」

微妙な顔でそれを見た私にライヤさんはいい笑顔で#ソレ_・_#を見る
どうしようか、これは告げるべきだろうか……
いや、そもそも異空を飛んだ存在なのだからもしかしたらという事もあるのかも知れない