幼女エルフの自由旅

信用と経験

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「本当に亡くなったのが惜しまれる男だったみたいだねぇ、お人好しってのは早く逝っちまうもんさ」
　
出会った事もないだろう叔父の事を褒めてくれるアマリさんも大概お人好しだと思う
　
「さぁ着いたよ、中に入って食事でもしながら夕刻の鐘を待とうかぃ」
　
見覚えのある建物に入っていくアマリさんに私は続く
確か昼食は色屋で済ませた筈だが……
　
「おい、婆さん！ここはガキ連れて来る場所じゃねぇぞ！」
「煩い坊やだねぇ……そんなに大声で喚かなくてもちゃんと聞こえてるよ、ミードと干し肉をおくんな」
　
席に着いた途端冒険者風の革鎧を着た狐が絡んでくる
そんな狐にアマリさんは眉を寄せ、在ろう事か注文をし始めた
　
「んなッ！？」
「ぁあ、それからこの子にも果実水を貰おうか」
「ッ女子供が来る場所じゃねぇっていってんだよ！」
　
ピシリ、と室内の空気が凍りつく
　
「ほぉ？女の来る場では無い、と言う事は私も遠慮すべきか？」

冷たい空気を纏って登場したのは初めて見る黒豹
彼女の着る革鎧はメリハリのある彼女の体にピッタリ合うように調整されており、特注であることが窺いしれる
鎧と言えども特注などは大金が無ければ出来ないようなこの世界
彼女の社会的、冒険者的地位が高い事は余程の馬鹿で無ければ分かるだろう
　
「い、いや、俺は一般人が来る場所じゃねぇって言おうと……」
　
まぁ、確かに一般人が気軽に来る場所では無いだろうね
黒豹の女性の冷たい視線を向けられた狐は視線を泳がせてどうにか言い訳を考えているようだ