幼女エルフの自由旅

命名、そして真実

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「努力で精霊って見えるようになるものなの？」
『……貴方のいた世界が進化に特化させた世界というのは耳にされてますよね？』
　
ぁあ、確かにそこの仮面がそんな事を言ってたね
　
『この世界は思いに特化させた世界なのです』
　
思い？
　
『願う力、信じる力とでも申しましょうか』
　
願いが叶うとまで大きなものでは無い
願い、それを叶える為の努力を惜しまなければ何かしらの結果が得られる世界
数千億年続くこの星の生物が1種たりとも途絶える事がないのはそのお陰かも知れないとウ神は言う
　
「だったら、私が精霊を信じて見ようと強く願えば見える事があるって事？」
『貴方の国には努力は報われると言う言葉がありますよね』
　
そうだね
でも、努力っていうのは環境と気力があってこそ続けられるものだ
努力が報われるのは最後まで気力を持たせたものの言葉であって決して正論では無い、と私は思う
　
『確かにそれはこの世界でも言える事です』
「努力ねぇ……」
　
一つの人格でしか無かったワタシには努力なんて無駄なものだった
高2の夏、私はそれを思い知った
あの日……いきなり体の中に異物が入り込む感覚に反応出来なかったが、その前にユキが男と甘い会話していたのを思い出した
まさかあの場面で入れ替わるとも思っていなかったけれど多分ワタシで良かったのだろう
主人格である縁の知らぬ間に、知らない男に純潔は奪われた
別に純潔を守ろうとしてきた訳じゃ無い
縁が生きやすいように、ずっと出ていられる様に、そんな些細なワタシ達の努力はいとも容易く粉々に崩された気分だった

ユキが好きに生きようとすればするほど、縁の本来の人脈は崩れていくし、ワタシが努力すればするほど縁の本来の能力とはかけ離れていく、アキがどんなに四苦八苦したところで縁の思いとはすれ違う