幼女エルフの自由旅

命名、そして真実

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「アタシらエルフと見た目が似ていてね、よく比べられる事も多いんだ」
　
アマリさんとリューシャさんによると、大抵の種族の認識で語られる言葉があるらしい

　曰く、覚えが早いのが人間
　　　　覚えが遅いのがエルフ
　曰く、知識が少ないのが人間
　　　　知識が豊富なのがエルフ
　曰く、攻撃的なのが人間
　　　　逃げ足の速いのがエルフ
　そして人間はエルフを妬み
　　　　エルフは人間を嫌忌する

というのが世界共通の認識であるのだとか
何だろう、精神的に受け付けない的な事だろうか？
　
「男女共に視線が番に向けられる筈の欲望を伴っている方が多くて……その、気分が悪くなると申したら良いのかしらねぇ」
　
あぁ、なるほど……
人間から見たエルフというのは見目麗しく思える存在なのだろう
　
「あの国にいるエルフは狂い者しかおらんよ、アタシらも大概だけど比べるのも烏滸がましい……」
「なんでも最近竜人の方に#房中術_ぼうちゅうじゅつ_#を教わったとかで……」
　
どうやら二人の知り合いが人間の国にいるらしく、二人して考え込んでしまった
そんな二人を見て私は人間の国に行く時は仮面でも被っていこうと心に決めた
人間国に行くのは決定事項である
……ところで、ぼうちゅう術って何？とは声を潜めて話している2人には聞きそびれてしまった

正午を告げる金がゴーンと町中に鳴り響き、高級娼婦達が起き始めた頃に私のお勉強は終わった
本当に常識の範疇であるだろう事ばかりで、例えば藁のベッドでの寝方、食事を摂る際の食器の使い方、トイレの使い方など日本で生活していれば思案するでもなく身についている事柄を説明されて反応に困ってしまった