幼女エルフの自由旅

たまち。

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命名、そして真実

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シスターが去ると私たちのほかには誰もいなくなる
ドノアさんの腕から下りた私は、前に来た時のように胸のあたりで手を組んで目をつぶり祈りの真似事をする
あの自称神も見ているのだろうか、だったら一応日々に感謝でもしてみようか……

なんてそんなことを考えていると周りが光ったような気がして目を開けた 

 

『……久しぶり、ね』
 
以前来た時と同じように驚いた顔の美女が私を見て話しかけてくる
久しぶり、か
果たして彼女、若しくは神という存在にとって久しぶりと言う程の年月が経っているのだろうか
 
『取り敢えず久しぶりとでも返せばいいじゃ無いのよぉ!貴女にとっては久しぶりでしょう!?』
 
確かに私にとっては久しぶりだ
年月にして29年ぶりである
しかし目の前の者にとっては数十秒ぶりと言っても良いほどの時間だろうか
時間という概念がこの空間にあるのならば、ではあるけれども
 
『あるわよ、貴女がここに来る経過していたというのが一番近い言葉でしょうけれどね』
 
例によって教会で祈りを捧げていたはずの私が何故当たり前の様にこの空間に居る理由を老婆から美女に戻った自称神は知っているのだろうか
 
『恐らく貴女の魂がここに来ることを望んだのではないかしら』
「魂?」
『思考?っていえば分かるかしら、深く願ったからって感じなんだけど』
 
あぁ、願ったつもりはないけど確かに行けるかも知れない程度には思ったかな

『……貴女の元いた世界の言葉で言うならこの空間にはまだ貴女への免疫がついていないのよ、だからちょっと考えただけで渡れるのね』
 
人をバイキンみたいに……
まぁいいか、いくつか用事があったのは確かだしね
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