幼女エルフの自由旅

たまち。

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命名、そして真実

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「すみませーん」

ドノアさんが星を掲げる建物の中に声をかける
 
「はーい」

やってきたのはシスター服を着たパンダだった
 
「この子が祈りを捧げたいと申しておりまして、礼拝堂まで案内お願いします」
「あら、エルフの方が……ご案内しますね」
 
一瞬不思議そうに私を見たが、シスターは微笑を浮かべて歩き出した
 
「他の教会にお行になられたことがあるんですか?」
「いえ、ここが初めてです」
 
前世でのことがなければ初めてである
あいにく日本では無宗教の人間だったので教会はもちろん、神社もお寺も行ったことがない
実を言えば正月の初詣にすら参拝したことがないのだ

「そうですね、エルフの方が森の神を崇めていらっしゃるので教会にいらしゃるのは珍しいと思ったのですが……お気軽にお越し下さい」
 
ぁあ、なるほど
別に私は神様とか信じていないんだけど、エルフ的には森の神が全てだからね

確かに創造神しか纏っていない場所にわざわざ行く事が無いのだろう
 
「森を出た身なので、手を合わせておこうかと思いまして」
「ふふ、変わった方ですのね」
 
まぁ、神を信じていないとは言っても存在している事は知っているので頼りきっていないと言うのが正しいのかもしれないけれど

「トゥヌエニラ神は全ての神々の源です、森の神への祈りも届くと思いますよ」
 
微笑みを浮かべるシスターはドノアさんと同じようなことを言う

「トゥヌエニラ神?」
「創造神様のお名前です、神々しさから我々にはお姿を認識する事はできませんのであのような星を模しているのですよ」
 
案内された礼拝堂には以前見た13の角を持つ星を掲げていた
なるほど、神の形は眩しすぎて見えないということか
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