幼女エルフの自由旅

獣人国オルサの町

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「あ、支払いは私ではなくてその時の加害者の方にですよ？」
「そ、そりゃあ事務員全員が契約せにゃならんのか？」
「今回やらかした者だけと言いたいですけど、以前同じような手口を使った者も対象にして頂きたいですね」
「う、む……取り敢えず契約の洋紙を持ってくる」
　
複雑そうな顔をして再びグラディさんが部屋を出て行った
秘書とかはいないのだろうか、客がいる間だけでも受付が控えるとか……やっぱり忙しいから無理かな
グラディさんが出て行ってからふぅぅぅ、と大きな深呼吸をするドノアさん
　
「大丈夫ですか？」
「ぁあ、うん……どうにも緊張しちゃってね」
　
ドノアさんの視線は忙しなく部屋の中を見渡していた
ふと視線が止まり、私を見つめるドノアさん

「魔力契約を提案するなんて凄いですねぇ」
「そうですか？でも、当然の権利ですよね」
「まあ……そうですね、魔力契約するのに支払いは加害者に対してだけで良いんですか？君の利点が無いように思えるんだけども」

確かに私に利点は無いね
次回同じ奴に私がやられたら金は入ってくるけれどちゃんと働いているのならそこまで阿呆じゃないだろう
それにもしもこのギルドで同じ事が起こるのなら法外な迷惑料でも頂こうと思う
ナニかしらの力があったら次あったら承知しませんよ？で済むだろうけれど、生憎今の私はか弱い幼女なのだ
逆らえない契約を利用させて貰うしかないだろう