幼女エルフの自由旅

たまち。

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獣人国オルサの町

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青鉱熊ブルーベア青狐ブルーフォックスって……今年は鎧を新調なきゃならねぇな」
「強い魔物なんですか?」

葉紙を覗き込んだスーガさんが呟くように言うと、知らないらしいドノアさんが首を傾げた

青鉱熊ブルーベアはそれなりに強いが青狐ブルーフォックスはそこまでじゃねぇよ、寧ろ逃げ足が速いくらいだな」
「では新調しなければ、と言うのは?」
「コイツらの出た冬は猛烈に寒くなるんだよ、冬も稼ぎに出なきゃならねぇ俺等は防寒具買わなきゃ凍死は確実だな」
「凍死……」
「ドノアも今年は薪を買い込んどいた方が良いぜ!」

スーガさんの言葉に目を見開いて驚くドノアさん
寒くなるんだとハッキリ言ったスーガさんは経験したことがあるような口ぶりである

「俺も初めて聞いたときはまさかと笑ったもんだが、あれは本気でヤバかったぜ……10年前に修行の旅でラグって町で気の良いエルフ族に忠告されてなきゃとっくに死んでただろうな」

ラグという町が何処にある町なのかは知らないけれど、エルフ族からの忠告と言うことで納得する
冒険者の常識であるのかと思っていたけれどスーガさんの経験で知り得た知識のようだ

「そうでしたか……教えて頂いてありがとうございます」
「なぁに、ドノアの案内をしてなきゃ今年こそは凍死してたかも知れねぇんだ!勝手に覗いて悪かったな!」

ガハハと笑いながらお礼を言ってくるスーガさんに苦笑いを返す私

一応悪そうな人では無いので知り合った以上はそれなりに長生きして欲しいものである
長寿の種族である私に長生きと言われても困るだろうから言わないけどね
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