幼女エルフの自由旅

たまち。

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獣人国オルサの町

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そもそもエルフ族の子供の名付けが30歳になってからなのは生き残るのが難しいからだ

愛着云々の話にもなってしまうのだろうけれど、魔素を取り込む儀式を乗り越えられるのが30歳程だと考えられていると叔父が言っていた
私は名前こそ未だではあるけれど、魔素を取り込む儀式は簡易的ではあるけれども叔父に施して貰ったのだ
どういう事かと言えば、魔法を使えるようになったらしい
らしいと言うのも私的にはよく分からないからなのだけれど……

「ではギルドに向かいましょうか!」
「やっと!」
「いえ、これから向かうのは商人ギルドです」
「商人?」

え、何故?
もしかして買取は商人ギルドの方が儲かるとか?

「これから身分証明を作りに行くのです、流石に恩人の姪御様と言えども町民登録は出来ないので商人ギルドでの登録をお勧めします!」

よくよく聞けば、生まれながらにこの町に住んでいる訳でも、大きな手柄を立てた訳でも無い私が身分を証明する物を作るには、冒険者ギルドか商人ギルドが一番手っ取り早いらしい
冒険者も商人も町や国を移動する身分なので検査も軽く済むのだとか
流石にこんな幼子を柄も悪く仕事内容もキツいと評判の冒険者ギルドに所属させるのは叔父に面目ないらしく、商人ギルドに登録して紹介か何かで技術を学んで生きていくのが良いだろうという判断らしい

「この町にいる間の宿代は僕等が払うし、危険な商人を紹介したりなんかしませんから、ね?」

信用はして良いのだろう
真面目に考えれば良い話ではある
このまま流されてしまえば体の良い仕事を紹介して貰えるし、貧民層の割合が多そうなこの国では安全な生活を送れるのは間違いないので有難く思うべきだろう

「お断りします」
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