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獣人国オルサの町
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「お待ちしておりましたッ!ぉお!!こりゃあべっぴんさんですね!!」
私を見るや否や驚く様子のドノアさん
確かに土埃で汚れてたのが綺麗に成りはしたし、購入したばかりの服に着替えたので少しばかりは身奇麗になっただろうけれど……そんなに驚くほどだろうか?
「ではドノアさん、くれぐれも宜しくお願いしますね?」
「はい、流石に恩人の姪御を雑には扱いませんよ」
私を抱き抱えたドノアさんに念を押すように言うリューシャさんに彼は笑顔で答える
元はと言えばドノアさんから任されたはずの彼女ではあるが、私が虹人だと知ってからは過保護気味である
虹人という存在の事もあるのだろうけれど、私の年齢的に神経質になってしまうのだろうな……
「ティハ、これは出会った記念に差し上げますね」
「ありがとうございます」
「それから、ーーーーーーー」
「ッ!」
そっと手渡されたのは今日お世話になった白塗りだった
そして、私の耳に口を寄せた彼女が呟くように告げた言葉に眉を寄せる私
「……ご忠告、感謝します」
「森の女神の加護があらんことを」
去って行く彼女の背中を見ていれば、私を抱き上げているドノアさんの腕が動く
「ティハという名前にしたんですか?」
「違うよ?ティハはエルフ語で子供の呼び名」
「子供の呼び名?」
「うん、女児なら母親の名前の後にティハとつけて呼ぶんです」
勿論、男児ならば父親の名の後ろにティハがつく
リューシャさんは私の母の名前を知らないので、ティハのみで呼んでいたのだろう
「ん?じゃあサイェン殿の姪御だからサイェンティハ……と呼ぶべきですかねぇ?」
「それは違います、叔父に息子がいればそうなりますが叔父は叔父なので」
「……複雑なんですね」
いや、結構分かりやすいと思うけど……
私を見るや否や驚く様子のドノアさん
確かに土埃で汚れてたのが綺麗に成りはしたし、購入したばかりの服に着替えたので少しばかりは身奇麗になっただろうけれど……そんなに驚くほどだろうか?
「ではドノアさん、くれぐれも宜しくお願いしますね?」
「はい、流石に恩人の姪御を雑には扱いませんよ」
私を抱き抱えたドノアさんに念を押すように言うリューシャさんに彼は笑顔で答える
元はと言えばドノアさんから任されたはずの彼女ではあるが、私が虹人だと知ってからは過保護気味である
虹人という存在の事もあるのだろうけれど、私の年齢的に神経質になってしまうのだろうな……
「ティハ、これは出会った記念に差し上げますね」
「ありがとうございます」
「それから、ーーーーーーー」
「ッ!」
そっと手渡されたのは今日お世話になった白塗りだった
そして、私の耳に口を寄せた彼女が呟くように告げた言葉に眉を寄せる私
「……ご忠告、感謝します」
「森の女神の加護があらんことを」
去って行く彼女の背中を見ていれば、私を抱き上げているドノアさんの腕が動く
「ティハという名前にしたんですか?」
「違うよ?ティハはエルフ語で子供の呼び名」
「子供の呼び名?」
「うん、女児なら母親の名前の後にティハとつけて呼ぶんです」
勿論、男児ならば父親の名の後ろにティハがつく
リューシャさんは私の母の名前を知らないので、ティハのみで呼んでいたのだろう
「ん?じゃあサイェン殿の姪御だからサイェンティハ……と呼ぶべきですかねぇ?」
「それは違います、叔父に息子がいればそうなりますが叔父は叔父なので」
「……複雑なんですね」
いや、結構分かりやすいと思うけど……
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