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獣人国オルサの町
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網の下にある異様な量の金色の髪が入っているのはゴミ籠だろうか
「あなたは……ティハは今後の働き場所の目星はついているんですか?」
まるでどこぞの奥様みたいな話し方のリューシャさんは私の呼び名を考えていたようである
ティハとはエルフ語で力も無く、か弱い存在の事だ
名前では無く幼児とか、赤子とかと同じ用な意味である
「まだです」
「まぁ…そうでしたか、てっきり色屋の小間使いをアマリ姉さんが進めてるかと」
ふふふ、と上品に笑うリューシャさんは色屋で働いているようには見えないけどね
何処かの貴族だと言われても納得するだろう
「あの、聞いてもいいですか?」
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥だ
「どうぞ?」
いい人そうなリューシャさんは微笑みを絶やさない
「体ってどうやって洗うんですか?」
石鹸もシャンプーもシャワーすら見当たらない
ただ湯槽があるだけの場所で体や髪はどうやって洗うのだろうか
「川浴みと同じようなものですよ、髪ならばこうやって…」
と、リューシャさんは洗面器にお湯を少し入れて髪を浸ける、浸かった髪に手ぐしを通した
「頭から洗うなら湯に頭をつけて洗うんですよ」
私は今日は洗いませんが、とリューシャさんは微笑む
「それから、川とは違って汚れが流れませんので毛が落ちてしまったら網ですくってゴミ籠に捨てるのがマナーです」
ぁあ、それと…と言葉を続ける
「お湯が冷めてきたら横にある火魔法石を使うと温まるわ」
確かに浴槽の内側の壁に幾つか赤い石が埋まっている
先ほどの風魔法石は緑色をしていた
見た目からして普通の石ではなく、宝石のような…
「熱くなりすぎたら足下にある水魔法石で水を増やすの」
足下に青色の石がはまっている
つまりは冷めたら温め、熱くなったら水を足すのか…ぱっと見では浴槽に栓が見当たらないし
「あなたは……ティハは今後の働き場所の目星はついているんですか?」
まるでどこぞの奥様みたいな話し方のリューシャさんは私の呼び名を考えていたようである
ティハとはエルフ語で力も無く、か弱い存在の事だ
名前では無く幼児とか、赤子とかと同じ用な意味である
「まだです」
「まぁ…そうでしたか、てっきり色屋の小間使いをアマリ姉さんが進めてるかと」
ふふふ、と上品に笑うリューシャさんは色屋で働いているようには見えないけどね
何処かの貴族だと言われても納得するだろう
「あの、聞いてもいいですか?」
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥だ
「どうぞ?」
いい人そうなリューシャさんは微笑みを絶やさない
「体ってどうやって洗うんですか?」
石鹸もシャンプーもシャワーすら見当たらない
ただ湯槽があるだけの場所で体や髪はどうやって洗うのだろうか
「川浴みと同じようなものですよ、髪ならばこうやって…」
と、リューシャさんは洗面器にお湯を少し入れて髪を浸ける、浸かった髪に手ぐしを通した
「頭から洗うなら湯に頭をつけて洗うんですよ」
私は今日は洗いませんが、とリューシャさんは微笑む
「それから、川とは違って汚れが流れませんので毛が落ちてしまったら網ですくってゴミ籠に捨てるのがマナーです」
ぁあ、それと…と言葉を続ける
「お湯が冷めてきたら横にある火魔法石を使うと温まるわ」
確かに浴槽の内側の壁に幾つか赤い石が埋まっている
先ほどの風魔法石は緑色をしていた
見た目からして普通の石ではなく、宝石のような…
「熱くなりすぎたら足下にある水魔法石で水を増やすの」
足下に青色の石がはまっている
つまりは冷めたら温め、熱くなったら水を足すのか…ぱっと見では浴槽に栓が見当たらないし
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