幼女エルフの自由旅

たまち。

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獣人国オルサの町

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その隣ではアマリさんがリューシャさんに恨めしげな視線を送っているけれど……

「あなたのお名前は?」
「まだ29歳なので……」
「29!?」
「小さいとは思っていたけれど、赤子同然の年齢ですのね」

29歳を赤子同然の年齢って……
しかし、エルフの年齢をエルフ族的に考えるならば一の位を消してしまえば分かることだ
即ち私は2歳と9ヶ月の子供という認識だろう
明らかに実際の年齢とはかけ離れたしっかりしすぎる程しっかりした子供となる
とは言っても人間から見れば5歳児ぐらいの見た目ではある

「じゃあ、巫女の代理から逃げるってのは……説明できるかい?」

2歳児に事の説明を求める事を躊躇いながらも尋ねるアマリさんに私は苦笑いを漏らしそうになる
説明は出来る
だが、ここは幼子であるから云々の話ではないのだ

「お二人の口は硬いと考えても宜しいですか?」
「そりゃあ、仕事柄……客と秘密を共有する仕事だから内緒話なら心得てるよ」
「アマリ姉さん……そんなに緊張し無くても頭の良い子のようですから大丈夫ですよ、私も口は硬いわ」

なんとか簡単に説明しようとしながら頷くアマリさんと、そんなアマリさんに溜息を溢しながら真剣な瞳で私をみるリューシャさん
2人の言葉に嘘は無いだろうと踏んで、そっと服を捲り上げて背を向ける

「なッ!?」
「ッ!?」

私の腰にある紋章に目を見開く2人はソレが何を意味するのかは理解出来ているようだ

「こ、虹人ともあろう者が森を出るなんて……」
「守られる事はあろうが逃げるなんてどういう事なんだい!?」

頭の整理が出来たのだろう2人が驚愕の表情を浮かべたまま言葉を溢す
そんな2人の前に腰袋から葉で厳重に包んでいた例の品を取り出して見せる
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