27 / 157
獣人国オルサの町
24
しおりを挟む
その隣ではアマリさんがリューシャさんに恨めしげな視線を送っているけれど……
「あなたのお名前は?」
「まだ29歳なので……」
「29!?」
「小さいとは思っていたけれど、赤子同然の年齢ですのね」
29歳を赤子同然の年齢って……
しかし、エルフの年齢をエルフ族的に考えるならば一の位を消してしまえば分かることだ
即ち私は2歳と9ヶ月の子供という認識だろう
明らかに実際の年齢とはかけ離れたしっかりしすぎる程しっかりした子供となる
とは言っても人間から見れば5歳児ぐらいの見た目ではある
「じゃあ、巫女の代理から逃げるってのは……説明できるかい?」
2歳児に事の説明を求める事を躊躇いながらも尋ねるアマリさんに私は苦笑いを漏らしそうになる
説明は出来る
だが、ここは幼子であるから云々の話ではないのだ
「お二人の口は硬いと考えても宜しいですか?」
「そりゃあ、仕事柄……客と秘密を共有する仕事だから内緒話なら心得てるよ」
「アマリ姉さん……そんなに緊張し無くても頭の良い子のようですから大丈夫ですよ、私も口は硬いわ」
なんとか簡単に説明しようとしながら頷くアマリさんと、そんなアマリさんに溜息を溢しながら真剣な瞳で私をみるリューシャさん
2人の言葉に嘘は無いだろうと踏んで、そっと服を捲り上げて背を向ける
「なッ!?」
「ッ!?」
私の腰にある紋章に目を見開く2人はソレが何を意味するのかは理解出来ているようだ
「こ、虹人ともあろう者が森を出るなんて……」
「守られる事はあろうが逃げるなんてどういう事なんだい!?」
頭の整理が出来たのだろう2人が驚愕の表情を浮かべたまま言葉を溢す
そんな2人の前に腰袋から葉で厳重に包んでいた例の品を取り出して見せる
「あなたのお名前は?」
「まだ29歳なので……」
「29!?」
「小さいとは思っていたけれど、赤子同然の年齢ですのね」
29歳を赤子同然の年齢って……
しかし、エルフの年齢をエルフ族的に考えるならば一の位を消してしまえば分かることだ
即ち私は2歳と9ヶ月の子供という認識だろう
明らかに実際の年齢とはかけ離れたしっかりしすぎる程しっかりした子供となる
とは言っても人間から見れば5歳児ぐらいの見た目ではある
「じゃあ、巫女の代理から逃げるってのは……説明できるかい?」
2歳児に事の説明を求める事を躊躇いながらも尋ねるアマリさんに私は苦笑いを漏らしそうになる
説明は出来る
だが、ここは幼子であるから云々の話ではないのだ
「お二人の口は硬いと考えても宜しいですか?」
「そりゃあ、仕事柄……客と秘密を共有する仕事だから内緒話なら心得てるよ」
「アマリ姉さん……そんなに緊張し無くても頭の良い子のようですから大丈夫ですよ、私も口は硬いわ」
なんとか簡単に説明しようとしながら頷くアマリさんと、そんなアマリさんに溜息を溢しながら真剣な瞳で私をみるリューシャさん
2人の言葉に嘘は無いだろうと踏んで、そっと服を捲り上げて背を向ける
「なッ!?」
「ッ!?」
私の腰にある紋章に目を見開く2人はソレが何を意味するのかは理解出来ているようだ
「こ、虹人ともあろう者が森を出るなんて……」
「守られる事はあろうが逃げるなんてどういう事なんだい!?」
頭の整理が出来たのだろう2人が驚愕の表情を浮かべたまま言葉を溢す
そんな2人の前に腰袋から葉で厳重に包んでいた例の品を取り出して見せる
1
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
追放された8歳児の魔王討伐
新緑あらた
ファンタジー
異世界に転生した僕――アルフィ・ホープスは、孤児院で育つことになった。
この異世界の住民の多くが持つ天与と呼ばれる神から授かる特別な力。僕には最低ランクの〈解読〉と〈複写〉しかなかった。
だけど、前世で家族を失った僕は、自分のことを本当の弟以上に可愛がってくれるルヴィアとティエラという2人の姉のような存在のおかげで幸福だった。
しかし幸福は長くは続かない。勇者の天与を持つルヴィアと聖女の天与を持つティエラは、魔王を倒すため戦争の最前線に赴かなくてはならなくなったのだ。
僕は無能者として孤児院を追放されたのを機に、ルヴィアとティエラを助けるために魔王討伐への道を歩み出す。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
さくらと遥香(ショートストーリー)
youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。
その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。
※さくちゃん目線です。
※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。
※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。
※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。
スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる