幼女エルフの自由旅

たまち。

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獣人国オルサの町

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「叔父は、この町に運ばれたのですか?」
「いや……エルフは森に帰る者だと聞いた、道中に埋蔵して来たよ」

そうか、確かにエルフ族の墓は聞いたことが無い
今までだってそうやって埋蔵されてきたのだろう

「叔父を看取って頂いて、ありがとうございます」

深く、感謝を述べる
腰に下げたナイフの刃先を地面に向けて柄を両手で持つのはエルフ族特有の最上級の感謝の示し方である
ナイフを手に取った時に周りが一瞬動いたけれど、やはりエルフ族らしく挨拶をしようと続けた

「もう一つ、名は己で決めろと申していたのだが……君には名前が無いのか?」
「はい、エルフ族は30歳の誕生日に名を与えられます」

ナイフを腰に戻して答えれば複雑そうな顔をする白熊
何か困り事だろうか

「貴殿にはサイェン殿への謝礼を渡したいと思っていたのだが、想像以上に若い……」

ぁあ、確かにこんな子供に謝礼って複雑だよね
貰える物は貰っておく主義ではあるけれど、欲しい物は金では無い
いや、今は通行料が無いので金も欲しいけれど金よりも価値のあるのは情報だと私は思っているのだ

「大層な物を用意は出来ないが必要な物があればこのダイルを頼ってくれ、できる限り手を貸そう」

どうやら白熊はダイルという名前らしい
ではお言葉に甘えて頼らせて頂こうかな

「狩ってきた物などをお金にする場所を知りませんか?まだ通行料を払っていないんです」
「問題ない、君の通行料は恩人の身内であると確認が出来た後にこちらで支払ってある」

行動がお早い事で……

「魔物の買取は冒険者ギルドだな、下の者が町の中を案内するのでついでに立ち寄るように伝えよう」
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