幼女エルフの自由旅

たまち。

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獣人国オルサの町

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囲ってくる獣人は皆、気まずそうに私を見ている
幼い少女が何をしたと言うのか!と怒っても良さそうだけれど
どうやら彼等は私に用事があるようだ
「手間を取らせて申し訳ない」

案内された個室で出されたお茶を飲んで待っていると気の優しそうな白熊がやって来た

「私、何かしましたか?」
「いや、何もしていないよ……一つ確認したいことがあるんだがいいかぃ?」

物腰の柔らかい白熊にコクリと頷く

「君がこの町に辿り着いた経緯を教えて欲しい」

経緯って言われても……

「色々あって住んでいた集落を叔父と一緒に出たんです、少し前に叔父が戻らなくてここに来ました」

諸々の事情を端折ればこんな説明になるだろう
一応子供の言うことなのでこんな程度の情報でも構わないだろう

「君の……叔父の名を伺っても?」

声色を硬くして訪ねてくる白熊
何故そんな質問をされるのかは分からないけれども素直に答えても特に問題ないだろう

「サイェンです、サイェン・ツィースカ」
「ッ……!」

叔父の名を聞いた瞬間に身を硬くする白熊
叔父を知っている事は明白である
白熊の後ろに控えていた兵士がパタパタと走り去っていった
因みにツィースカは集落の名前を家名にしているだけなので、叔父が未だに名乗っているかは不明だ

「叔父の知り合いですか?」

何時、何処で?
そう尋ねかけて、悪い予感が胸を過ぎる

「……心して聞いて欲しい」

そう前置きをして語り始めたのは紛れもなく私の知るエルフ族、サイェンの話だった
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