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始まりの森
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「もしも賞金首だったら貴方を探すから暫くはオルサにいて頂戴ね」
「問題がなければ暫く留まるつもりです」
聞いたところによると問題も起きなそうなので大丈夫だろう
まだ情報は彼女等からしか聞けてないので心許なくはあるけれど
「僕等は千里眼ってパーティーなんだけど……そう言えば、君の名前は?」
「そうね、名前を知らなきゃ探しようが無かったわ……」
ライヤさんが今更ながらに聞いてきた
名前か……叔父が付ける筈だったのだけれどその叔父もいない
人里に入るならば考えなければと分かってはいた事だけれど、まだ考えて無かったんだよねぇ
自分の名前とかってどうやって決めるのだろうか
「……そんなに難しい質問だったか?」
考え込む私を鰐族の……バルガンだったかが不思議そうに見る
質問として、難しくはない
仕方が無いので正直に言おう
「まだ決めて無いので冒険者ギルドで待ち合わせにしませんか」
「決めてないって……名前よ?」
「名前って自分で決めるもんなのか?」
「いや、親が考えるものでしょ」
「……間引き子?」
訝し気に私を見る面々だったが、ダダさんがポツリと呟いた言葉に目を見開いた
「ぇ!で、でもこんな小さな子が!?」
「……いや、でも」
「お前間引かれたのか!?」
いや、一人違う解釈の者がいるぞ
多分バルガンさんは口減らしと勘違いしているのかも知れない
口減らしは名の通り食い扶持を減らす為の追放だが、間引きというのは固まってしまった血を他に流す為の追放である
この2つには一生戻れない追放と番を見つければ戻れる追放という大きな差があるのだ
「や、野菜なのか!?マンゴドラ族なのか!?」
「馬鹿なの?」
もっと盛大な勘違いだった……
「問題がなければ暫く留まるつもりです」
聞いたところによると問題も起きなそうなので大丈夫だろう
まだ情報は彼女等からしか聞けてないので心許なくはあるけれど
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「そうね、名前を知らなきゃ探しようが無かったわ……」
ライヤさんが今更ながらに聞いてきた
名前か……叔父が付ける筈だったのだけれどその叔父もいない
人里に入るならば考えなければと分かってはいた事だけれど、まだ考えて無かったんだよねぇ
自分の名前とかってどうやって決めるのだろうか
「……そんなに難しい質問だったか?」
考え込む私を鰐族の……バルガンだったかが不思議そうに見る
質問として、難しくはない
仕方が無いので正直に言おう
「まだ決めて無いので冒険者ギルドで待ち合わせにしませんか」
「決めてないって……名前よ?」
「名前って自分で決めるもんなのか?」
「いや、親が考えるものでしょ」
「……間引き子?」
訝し気に私を見る面々だったが、ダダさんがポツリと呟いた言葉に目を見開いた
「ぇ!で、でもこんな小さな子が!?」
「……いや、でも」
「お前間引かれたのか!?」
いや、一人違う解釈の者がいるぞ
多分バルガンさんは口減らしと勘違いしているのかも知れない
口減らしは名の通り食い扶持を減らす為の追放だが、間引きというのは固まってしまった血を他に流す為の追放である
この2つには一生戻れない追放と番を見つければ戻れる追放という大きな差があるのだ
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「馬鹿なの?」
もっと盛大な勘違いだった……
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