幼女エルフの自由旅

信用と経験

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「親から受け継ぐ物もあるだろう？そういった使う者もおらず、被ってしまった魔道具が外に出るんだろうよ」
　
あぁ、なるほど
ってことは私に魔道具は作れないのか……
　
「アンタはその気になりゃあ幾らでも……まぁ、魔道具なんざそんなに持たなくても生活出来るんだから落ち込むこったないよ」
　
シュン、とした私をそう言って慰めるアマリさん
その気になればいくらでもって……言い直してはいたけれどつまり私には作成可能って事ですよね？
　
「それよりさっさと手続きを終わらせな、チンタラしてたら日が暮れちまうよ」
　
もうほぼ沈んでいる夕日を見てギルドマスターを急かし始めるアマリさん
　
「そうだった、職人ギルドのカードも板で良いのか？板だと嬢ちゃんには煩わしいかと思って腕輪を用意していたんだが」
「ぇ、ギルドカードって選べるの？」
「……選べる、ぞ？」
　
そうだったのか
カードって言うくらいだし、商人ギルドでも板を渡されたから板版しか無いのかと思ってたよ
　
「いいか？ギルドカードには3種類あるんだ」
　
　ほぉ、何故か真剣な顔で語り出すギルドマスターに相槌を打つ
　
「一昔前は板版のついたネックレスのみだったが、魔道具の開発が進んでからは腕輪とピアスが増えた、今では腕輪が最もポピュラーなギルドカードだな」
　
へぇ
その3種類からだと確かに腕輪を選択する人が多いのだろうな
　
「で、嬢ちゃんはどれにする？やっぱり腕輪か？」
「ピアスで」
「……正気か？」
「正気です」

実は前世の頃からピアスという物に憧れはあったのだ
今世では叔父も右耳に3つ石をはめていたのでエルフ的にもピアスが似合うという事は確認済みである
しかし、引いた目線で私を見るギルドマスターを見ていると何だか自分が珍妙な生物になってしまった気がしてくる