幼女エルフの自由旅

たまち。

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信用と経験

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自分の話ではあるのだけれど、私を置き去りにして進んでいく展開を他人事のように眺めていた私
数秒の沈黙の後、二人の視線が私に動く
一人は期待を乗せて、一人は困ったように
 
「話をぶった斬るようで言いずらいんだけど、そもそもレシピって一般人や商人では買えないの?」
 
確かここに来た目的は白塗りのレシピを教えてもらいに来た筈だ
製造方法さえ教わることが出来るなら職人ギルドへの登録の必要は無いのでは無かろうか

「そりゃあ、無理だな」
「職人ってのは頑固者が多いんだよ、自分の子供と同等の価値である製造方法を素人には見せるのも嫌がるのさ」
 
やっぱり駄目なのかぁ
まあそうだよね
特許を取ったにも関わらず無料でその技術をパクらせてくれなんて言われて承諾するはずもないか
 
「自分の宝を教えるってのは同じように教えてくれた奴だからこそ許せるもんだ、製造権を提出した数で製造方法の観覧を許可するか否かを決める奴もいる位だからなぁ」
 
へぇ?……でも、それってさぁ
 
「私が何かしらの製造方法を提出したら職人ギルドの加入が認められるってこと?」
「……特例としてだが、認めている例がある」
 
こちとら森でサバイバルを行って生活出来たエルフであると共に現代日本で贅沢な暮らしを満喫していた記憶を持つ者である
快適な暮らしをしたいが為のアイディアだけはたんまり溜め込んできた
その一つである例の塗り薬を腕輪の収納から取り出してギルドマスターに差し出す
 
「これは?」
「傷薬です、液体を軟膏に変えたと解釈して頂ければ問題ないと思います」
「軟膏?見た感じよく娼婦が買ってく白塗りみたいなもんか……」
 
あ、そっか
軟膏ってそんなに浸透した言葉じゃないのか
解析で調べた時に表示されていたから問題ないと思ってたよ
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