幼女エルフの自由旅

命名、そして真実

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前世では小さい頃から好きだった色だけれど、お婆ちゃんみたいだと言われてからはあまり口にしなくなった
でもやはり好きな色と聞かれたら真っ先に思い浮かべてしまう色
　
『紫、ですか』
　
いや、ただの紫ではない
紫草という草で染められた、淡い青みを帯びた紫である
　　　
『かつての貴方が住む地で名付けられた色、なのですね？』
　
そうですね
確か英語だと紫はパープルと呼ぶが、赤みの強い紫はマゼンタで青みが強いのはヴィオレットだっただろうか
　
『ふむ、ではこんな名前はどうでしょうか』
　
チカッと目の前に光の板が並ぶ
【エド】
【エル】
【ヴィオ】
　
『一応貴方の好きな江戸紫の名と本来の名前の他の読みを簡略化させてみましたが……≪こ≫のはどうです？』
『わ、私はこれよ！紫の頭文字と私の名前を合わせたわ！』
　
増えた光の板に文字が並ぶ
【コム】
【コパ】
【コヴィ】
　
『……案は出揃いましたが、良いものはありましたか？』
　
そうね、第一に相談する相手を間違えていた事は理解したわ
でも、ウ神の案はとても参考になった
　
『え！？私のは！？私の名前が入ってるのよ？とっても良いと思うわよ！？』

江戸紫に因んだ名前か…
うん、いいかもしれない
叔父の名前であるサイェンと江戸紫を合わせて……

「ヴィエンにします、ウ神様には態々足を運んで頂いてありがとうございました」
『いえ、私も貴方に用が出来てしまったのでまた明日にでも教会へ足を運んで下さい』
　
ん？
どういうこと？
　
と首を傾げた瞬間には私は教会の椅子に座って手を組んでいた