幼女エルフの自由旅

獣人国オルサの町

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「ふふふ、ティハはおませさんなのね、種族は違っても大体の形は同じような物よ」

すっかり着替えをすましたリューシャさんをみて私も湯冷めする前に毛皮を羽織る
そっかそっか
まぁ、只の興味だけど
何だか少しスッキリした
前世の私はそれなりに経験済みだし、別に目の前のナグモさんのように取り乱す程の会話でも無いのだけど
流石に獣人とまぐわった事は無い
しかし、29歳のエルフである私はおませさん程度の言葉では済まないだろう
だって3歳児が性事情を聞いている認識だ……

「ナグモさん？早く入らないとお仕事が始まってしまうんじゃないかしら」
「そうだった！」

心配そうに尋ねるリューシャさんの言葉にハッとしてナグモさんはさっさと浴室に入っていった　
「……ティハは、これからどうなさるの？」
「とりあえずドノアさんと合流してから考えます」

風呂屋でタオルと洗面器を返し、ドノアさんがいると言う場所まで送って頂いている最中に聞かれたので答える
髪はリューシャさんが使わないと腕が鈍るからという名目で風魔法で乾かしてくれたのですっかり乾いている

しかしやはり名前がないと呼びにくいようだ
名前なぁ……
前世の名前である生駒 縁イコマ ユカリというのは苗字も名前もこの国では意味の分からない言葉になってしまうのだ
困ったことに経験上、ペットを飼ったことも子供を産んだ事も無いので名付けという行事を行ったことが無い
名前とは大体が何かしらの意味を成すものなので考えるのも億劫になってしまう
とりあえず冒険者ギルドに行ってお金を作りつつ、宿を取ってから考えるのでも良いだろうか

「この町で無作法がありましたら言伝下さいね、この村の殿方のコトならよく存じておりますので」
「は、はい」

…なんだろう
言い方は上品なのに恐ろしく感じる
この世界、娼婦を敵に回すとヤバいんじゃないだろうか