26 / 45
第26話 どこか、誰もいない場所
しおりを挟む
何とかしてエフティアにばれないように、ベッドから抜け出さなければならない。焦っていると、レディナが小声で「ごめん、からかっちゃって。早く出な」と手を振ってベッドから出るように促してきた。
それに従い、急ぎベッドから抜けようとすると、それ以上に早くエフティアの逆さ顔が上段から覗いてきた。
「や……やあ、エフティア。おはよう」
「どうしたの……アル君だいじょうぶ? なんか、いつもと違う。やっぱり体調悪い?」
「う、ううん。大丈夫だよ。ありがとう」
「やっぱり変だ。ちょっとこっち来て」
「う、うん」
エフティアは逆さのまま僕と額を合わせると、「んー」と怪訝そうな声を出した。
「熱はないみたい」
「そっか――」
――後ろが気になって、少し顔を傾けてしまったのがいけなかった。
「どうしたの? 後ろ? 背中とか痛い?」
「そんなことないよ……」
「見して!」
「エフティア、心配しすぎだって!」
「じゃあ、手だけでいいからっ!」
「手だけって――」
――どういう結論なんだ。エフティアが譲歩した以上、従う他ないけれど。了承の意を示すと、彼女は上段のベッドから飛び降りた。
「んっ!」
手を差し出せと言うのだろう。
「……はい」
渋々手を差し出すと、野獣が食いつく勢いで引っ張り出そうとしてきた――ので、即座に引っ込める。
「うぅ……がぁッ!」飛び込んでくるエフティア。
「なっ――」
――こんな狭い場所に全力で飛び掛かる人がいるか……?
エフティアに押し倒されそうになり、レディナを振り返る。彼女は手を広げて僕達を受け止めようとしている。仕方がない、ここは彼女の胸を借りよう。
レディナと視線を合わせつつ、怪我をさせないようにエフティアの頭を抱き込む。
結果的に、レディナは見事に二人分の重さを受け止めた。
ベッドが三回軋む。だが、ベッドのさらりとした感触などはなく、代わりに熱を帯びた弾力と花のような香りに包まれた。
「エフティア、大丈夫かい」
「うん。アル君は?」
「大丈夫。レディナさんは?」
「大丈夫よ。で、あんたは本当にだいじょうぶ?」
そんなこと言わないでくれ。
女の子二人に挟まれて大丈夫な男がいるなら教えて欲しい。
「アル君……なんか――」
「エフティア! 早くどいてくれないか!?」
エフティアが何を言い出すのかは知らないが、決して言わせたくなかった。
「う、うん……あれ、なんでディナがいるの」
「あたしも、正直言うと実はわかんないの。多分だけど、寝るベッド間違えたみたい」
「……なんで間違えたの! ずるい!」
「いや、だってあんたがこの上に寝てたから、『あぁ、じゃあこの下は空いてるのかな』って思ったのよ。だって、あんたのアル君は真面目でしょ?」
その考え方は正しい。結果的には間違いだったけど。
「それでここに寝てたわけ。で、静まり返った夜にすっごい息を荒げた男の子があたしのベッドを覗き込んできたの。暗くて見えなかったから、怖かったー」
「ちょっ……」
「で、あたしベッドの端の方に身を寄せて警戒したの。でも、その子は死んだように倒れてそのまま寝ちゃったわけ。あたしを襲おうとしたんじゃなくて、ただただ疲れてたのよ。起こすのもかわいそうだから、そのままにしてあげた。で、あたしも安心してそのまま寝たの」
正しい。でも、君はそのまま寝て欲しくなかった。
さあ、エフティアそういうことなんだ。そろそろ解放してくれないと、でないと――
「うーんと……」
エフティアは首を傾げて、何かを考えていた。
「息を荒げた男の子って、だれ?」
「あんたとあたしの間に挟まってるのが息を荒げた男の子」
「アル君かあ!」
「そう、あんたのアル君が息を荒げた男の子だったの」
「レディナさんわざと言ってません!?」
いや、今はそんなことはどうでもいいんだ!
「エフティア、早く――」
言いかけた瞬間、エフティアが馬乗りの形になって見下ろして来た。
「でも、じゃあどうしてアル君とディナがくっついてたの!」
「いや、それはあんたがいきなり飛び込んできたから、危ないと思って二人を受け止めようとしたんだって」
「そんなのわかんない!」
「分かってよ!」
「ディナは頭がいいから、わたしを丸め込もうとしてるんだ」
「はあ!? そういうことはもうしないって!」
「今までしてたんだから、したっておかしくないもん!」
「あんたさ……そりゃその通りだけどさ! それは意地が悪すぎるんじゃない!」
僕を挟んだまま耳元で喧嘩をされて、頭がどうにかなってしまいそうだった。これ、先生が見たらどう思うんだろうな。違う意味で首が飛ぶのかな。
「じゃあ言うよ! 夜にベッドに入り込んできた息を荒げた男の子がアル君って分かったのなら、その時にベッドを移動すればよかったんだ!」
それは……そう。
「それは……その……」
それはその?
「ほら! やっぱり何か隠してるんだ!」
「じゃあちゃんと言う! 別にあたしはずるしようとしたんじゃない! これはほんと! で、移動しなかったのには理由があるの! でも、それはあたしもどう説明するべきか分からないの!」
「ほんとう……?」
「本当よ……分かってくれる?」
「うん……ディナが嘘ついてないってことはわかった。ごめんなさい」
「いいよ。あたしも悪かった。ごめんね」
エフティア、僕ごとレディナさんを抱きしめるんじゃない。
何はともあれ、話がまとまったらしい。
「もう話は済んだのかな……エフティア、どいてもらえる……?」
「あっ! うん……ごめんね」
汗で濡れた服と服が、名残惜しそうに離れていく。
「レディナさん、重かったでしょう。ごめんね」
「あ……うん、平気だよ。あたしこそ、なんか……ごめん」
音と暑さと湿気で頭がぼーっとする。
おぼつかない足取りで寝室を出ようとすると、エフティアに呼び止められた。
「アル君、どこ行くの……」
「ちょっと……」
「だ、だいじょうぶ? なんかつらそうだよ……」
「エフティア――」
「……なに?」
「――今は、一人にしてほしい」
そう、今は一人になりたかった。どこか、誰もいない場所に――
それに従い、急ぎベッドから抜けようとすると、それ以上に早くエフティアの逆さ顔が上段から覗いてきた。
「や……やあ、エフティア。おはよう」
「どうしたの……アル君だいじょうぶ? なんか、いつもと違う。やっぱり体調悪い?」
「う、ううん。大丈夫だよ。ありがとう」
「やっぱり変だ。ちょっとこっち来て」
「う、うん」
エフティアは逆さのまま僕と額を合わせると、「んー」と怪訝そうな声を出した。
「熱はないみたい」
「そっか――」
――後ろが気になって、少し顔を傾けてしまったのがいけなかった。
「どうしたの? 後ろ? 背中とか痛い?」
「そんなことないよ……」
「見して!」
「エフティア、心配しすぎだって!」
「じゃあ、手だけでいいからっ!」
「手だけって――」
――どういう結論なんだ。エフティアが譲歩した以上、従う他ないけれど。了承の意を示すと、彼女は上段のベッドから飛び降りた。
「んっ!」
手を差し出せと言うのだろう。
「……はい」
渋々手を差し出すと、野獣が食いつく勢いで引っ張り出そうとしてきた――ので、即座に引っ込める。
「うぅ……がぁッ!」飛び込んでくるエフティア。
「なっ――」
――こんな狭い場所に全力で飛び掛かる人がいるか……?
エフティアに押し倒されそうになり、レディナを振り返る。彼女は手を広げて僕達を受け止めようとしている。仕方がない、ここは彼女の胸を借りよう。
レディナと視線を合わせつつ、怪我をさせないようにエフティアの頭を抱き込む。
結果的に、レディナは見事に二人分の重さを受け止めた。
ベッドが三回軋む。だが、ベッドのさらりとした感触などはなく、代わりに熱を帯びた弾力と花のような香りに包まれた。
「エフティア、大丈夫かい」
「うん。アル君は?」
「大丈夫。レディナさんは?」
「大丈夫よ。で、あんたは本当にだいじょうぶ?」
そんなこと言わないでくれ。
女の子二人に挟まれて大丈夫な男がいるなら教えて欲しい。
「アル君……なんか――」
「エフティア! 早くどいてくれないか!?」
エフティアが何を言い出すのかは知らないが、決して言わせたくなかった。
「う、うん……あれ、なんでディナがいるの」
「あたしも、正直言うと実はわかんないの。多分だけど、寝るベッド間違えたみたい」
「……なんで間違えたの! ずるい!」
「いや、だってあんたがこの上に寝てたから、『あぁ、じゃあこの下は空いてるのかな』って思ったのよ。だって、あんたのアル君は真面目でしょ?」
その考え方は正しい。結果的には間違いだったけど。
「それでここに寝てたわけ。で、静まり返った夜にすっごい息を荒げた男の子があたしのベッドを覗き込んできたの。暗くて見えなかったから、怖かったー」
「ちょっ……」
「で、あたしベッドの端の方に身を寄せて警戒したの。でも、その子は死んだように倒れてそのまま寝ちゃったわけ。あたしを襲おうとしたんじゃなくて、ただただ疲れてたのよ。起こすのもかわいそうだから、そのままにしてあげた。で、あたしも安心してそのまま寝たの」
正しい。でも、君はそのまま寝て欲しくなかった。
さあ、エフティアそういうことなんだ。そろそろ解放してくれないと、でないと――
「うーんと……」
エフティアは首を傾げて、何かを考えていた。
「息を荒げた男の子って、だれ?」
「あんたとあたしの間に挟まってるのが息を荒げた男の子」
「アル君かあ!」
「そう、あんたのアル君が息を荒げた男の子だったの」
「レディナさんわざと言ってません!?」
いや、今はそんなことはどうでもいいんだ!
「エフティア、早く――」
言いかけた瞬間、エフティアが馬乗りの形になって見下ろして来た。
「でも、じゃあどうしてアル君とディナがくっついてたの!」
「いや、それはあんたがいきなり飛び込んできたから、危ないと思って二人を受け止めようとしたんだって」
「そんなのわかんない!」
「分かってよ!」
「ディナは頭がいいから、わたしを丸め込もうとしてるんだ」
「はあ!? そういうことはもうしないって!」
「今までしてたんだから、したっておかしくないもん!」
「あんたさ……そりゃその通りだけどさ! それは意地が悪すぎるんじゃない!」
僕を挟んだまま耳元で喧嘩をされて、頭がどうにかなってしまいそうだった。これ、先生が見たらどう思うんだろうな。違う意味で首が飛ぶのかな。
「じゃあ言うよ! 夜にベッドに入り込んできた息を荒げた男の子がアル君って分かったのなら、その時にベッドを移動すればよかったんだ!」
それは……そう。
「それは……その……」
それはその?
「ほら! やっぱり何か隠してるんだ!」
「じゃあちゃんと言う! 別にあたしはずるしようとしたんじゃない! これはほんと! で、移動しなかったのには理由があるの! でも、それはあたしもどう説明するべきか分からないの!」
「ほんとう……?」
「本当よ……分かってくれる?」
「うん……ディナが嘘ついてないってことはわかった。ごめんなさい」
「いいよ。あたしも悪かった。ごめんね」
エフティア、僕ごとレディナさんを抱きしめるんじゃない。
何はともあれ、話がまとまったらしい。
「もう話は済んだのかな……エフティア、どいてもらえる……?」
「あっ! うん……ごめんね」
汗で濡れた服と服が、名残惜しそうに離れていく。
「レディナさん、重かったでしょう。ごめんね」
「あ……うん、平気だよ。あたしこそ、なんか……ごめん」
音と暑さと湿気で頭がぼーっとする。
おぼつかない足取りで寝室を出ようとすると、エフティアに呼び止められた。
「アル君、どこ行くの……」
「ちょっと……」
「だ、だいじょうぶ? なんかつらそうだよ……」
「エフティア――」
「……なに?」
「――今は、一人にしてほしい」
そう、今は一人になりたかった。どこか、誰もいない場所に――
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜
KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。
タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い)
そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。
心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。
「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。
「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉
悪行貴族のはずれ息子【第2部 魔法師匠編】
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
※表紙を第一部と統一しました
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン!
★第1部はこちら↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/822911083
「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」
幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。
東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。
本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。
容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。
悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。
さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。
自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。
やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。
アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。
そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…?
◇過去最高ランキング
・アルファポリス
男性HOTランキング:10位
・カクヨム
週間ランキング(総合):80位台
週間ランキング(異世界ファンタジー):43位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる