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フリマとフリーコンサート
どうしてこうなった
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ゴールデンウィーク初日に起こったあの出来事は、俺たちの街や生活を一変させた。……というわけでも無く、この街も日本全国もいつも通りダラダラと生活を送っていた。
昨日のことを西田に聞いてみると、いつも通りのゴールデンウィーク初日だったらしい。これといって特に異常もなく、慌ただしく旅行の準備をしていたんだとか。
どうやら昨日のことを覚えているのは俺たちMMMと三好くらいしかいないようだ。
「記憶操作ってやつか? 」
俺は流石に気になったので立花に聞いてみた。
「違う。三好菜々のマイナスエネルギーによって強制魔力的マイナス効果硬直化現象を引き起こしたものは覚えていない」
「何それ? 」
また聞いたことのないような単語が出てきた。そんな難しい単語言われたってわかるわけがない。
「マイナスエネルギーによって硬直させられたものは、その強力なエネルギーのせいで時間も記憶も硬直する。よって覚えてないし、時間に断片的な差が生まれるわけでもない」
なるほど分からん。
もっとわかりやすい説明を求めたが、立花がそんなことしてくれるはずも無く、理解するのを諦めるしかなかった。
そういえば、工藤と白鳥は今回の件で直接天界に行って報告しているらしい。ゴールデンウィークの間はしばらく姿を見れないようだ。早瀬からそんな報告を聞かされた。
が、こっちだって生徒会コンビとおしゃべりする余裕がない。これから忙しくなるからだ。
物置部屋からガラクタを引っ張り出してボストンバッグに詰め込み、古い本棚から黄ばんだ本をつまみ出す。
そんな作業もこれで9回目だ。
「マスター、何? その荷物」
望月が不思議そうにパンパンのボストンバッグを見つめる。
「それか? 大事な大事な商品だよ。傷とか付けんなよー」
「商品って? マスター、お店でも始めるの? 楽しそう! 」
望月の黄色い声に反応した立花が、俺の傍に置いていたチラシを取り上げた。数秒ほど不思議そうに眺めたが、やがて興味を失ったかのように顔を上げた。
「これ? 」
文字通り俺の目の前にチラシを突き出す。
「そう、それそれ」
チラシには『地域交流フリーマーケット』という文字がデカデカと書いてあった。
「なになに? 地域交流フリーマーケット……参加料無料、商品審査アリ。今日の9時から開催で場所は……」
チラシに大きく書いてある文字をテキトーに読む望月。
気楽でいいな。と、気楽に思った俺だが、
「あと30分か……」
急いでガラクタの出し入れをする。全然時間がない。
チラシに書いてあるフリーマーケットは、2年に1回開催されている、地元でも有名な地域交流会だ。
地域交流会といってもジジババばっかりいるわけではない。参加自由のコンサートを同時に開催しているので、若者の参加者も思ったよりいるのだ。参加料無料って理由で俺も毎回欠かさず参加している。
出品する商品は審査を受けるので、粗悪品が混じってるなんて例は少ない。客も安心して買えるようにしているのだ。
さて、俺は何回『参加』って言葉を使ったんだろうね。そろそろゲシュタルト崩壊しそうだ。
今年のフリーマーケットでは、望月たちにも手伝ってもらおうと考えていたが、
「マスター、私たちも行っていい? なんだかすっごく面白そう! 」
俺が聞くまでもなく了承してくれた。
早瀬にも協力を要請し、ガラクタの最終確認をして10分後には電車に揺られていた。
「マスター、どうしてフリーマーケットに参加しているの? 」
早瀬が暇つぶしにそんな質問をしてきた。参加料無料ってのが1番の理由なんだが、
「物置部屋を圧迫していたガラクタで金が手に入るし、他のヤツらが売ってる品は安く手に入るからな。貧乏人には参加しない手はない」
「ふーん……」
どうでもいい豆知識を知った時と同じような反応をする早瀬。
どうでもいいなら聞くんじゃねーよ。
15分間電車で揺られたあと、キャリーバッグとボストンバッグを持ってしばらく港方面に歩き、ようやく俺たちは会場についた。
参加者たちは既に準備を始めていて、ガラクタの陳列にせっせと働いている。どうやら俺たちは後発組らしい。
オッサンに参加申し込み書やキャリーバッグとボストンバッグの中身を見せ、一応の商品審査を終えたあと、入り口付近のいい感じの場所にレジャーシートをひく。
「この辺でやろうか」
「りょーかい! 任せてよね! 」
何を任せるんだお前に。
「了解した」
「分かったわ。それにしても……人が多いわね」
早瀬の言う通り、既にフリーマーケットの会場には人がごった返していた。ハデな服装をしたバンドマン軍団や見た目以上に元気そうなお爺さんまで、まさに老若男女なんでもいる。
4人がかりで10分間ガラクタを陳列して、ようやく開場まで待つのみとなった。
コンサート会場でリハーサルしているヤツらをボーッと眺める。
歌い手が演奏者に何やら説教をしているようだが、俺からしたら全員が文化祭並のクオリティである。クオリティの低さの嘆きゆえ説教をしているなら、全員が出直した方が良さそうである。
リハーサルの時間が終わって早々と退場したソイツらは、会場の裏側でも説教を続けていた。
何をそんなに怒ることがあるんだろうか。歌い手のお前も大したことないのに。
「次の方ー、どうぞー」
病院のようなアナウンスの直後、見慣れたヤツがギターを持ってコンサート会場に上がった。
「三好? 」
そう、三好なのだ。三好がギターを抱えて会場にいるのだ。
流石にこれは意外だ。アイツギター弾けたのか。しかもこんな目立つ場所に来るなんて珍しいこともあるんだな。
そんなことを考えていた俺だが、実は相当動揺している。休日にたまたま友人と出会った時の焦りに似ているが、三好の場合は色々な意味で不意打ちすぎた。
話しかけてもいいのだが、どんな歌を歌うのか気になるので、リハーサルが終わった後に話しかけよう。
慣れた手つきで機器のチェックを済ませ、マイクのスイッチをつける。
「あの……それでは……始めたいと思います……」
か細い声でそう言った三好は、ギターに手を掛けた。
リハーサルでそんな声じゃまずくないか?
荒くなり始めた息遣いが聞こえてくる。三好の口から美しい音色が奏でられ始めた。
その音は、水面に指で触れた時のように柔らかく、そして儚げなものだった。水面を彩るかのように波紋が広がるが、それが水面を破壊しているようにも思える。やがて砂山のように崩れ落ちそうな儚い音色は、波紋が広がる毎に朧げにもなってゆく。
そんな歌声だった。多分このコンサートに出るヤツらの中で一番上手い。
音楽の実技テストの時ですら小さな声で歌うから、三好の歌がこんなに上手いなんて思いもしなかった。魔法少女3人も思わず聞き惚れていたほどだ。
俺はガラクタの陳列を放ったらかして、リハーサルが終わって完全に油断していた三好に、奇襲攻撃を仕掛けた。
「ふぅ…………」
「よっ、三好」
「ふえぇっ? マスターさんっ? 」
声は小さいが驚きのあまり叫んでいるようだ。持っていたギターを落としかけてしまうほどには。
「マスターさん……来てたんですか? 」
しばらく間があったが、平静を装える程度には、落ち着きを取り戻したようだ。
「まぁな。毎年ここのフリマには参加しているぞ」
「え……え~……そうなんだ。アハハ」
笑うところは1つもなかったと思うが。
「それよりさっきの歌、聴いたぞ。めちゃくちゃ上手かったじゃねーか」
「やっぱり……」
死にかけのじいさんが発する言葉みたいに小さな声だった。三好の顔は脳内出血しそうなくらい真っ赤になっている。
三好は顔面を真っ赤にしたまま、思いっきり逃げてしまった。
どうしてこうなった。
昨日のことを西田に聞いてみると、いつも通りのゴールデンウィーク初日だったらしい。これといって特に異常もなく、慌ただしく旅行の準備をしていたんだとか。
どうやら昨日のことを覚えているのは俺たちMMMと三好くらいしかいないようだ。
「記憶操作ってやつか? 」
俺は流石に気になったので立花に聞いてみた。
「違う。三好菜々のマイナスエネルギーによって強制魔力的マイナス効果硬直化現象を引き起こしたものは覚えていない」
「何それ? 」
また聞いたことのないような単語が出てきた。そんな難しい単語言われたってわかるわけがない。
「マイナスエネルギーによって硬直させられたものは、その強力なエネルギーのせいで時間も記憶も硬直する。よって覚えてないし、時間に断片的な差が生まれるわけでもない」
なるほど分からん。
もっとわかりやすい説明を求めたが、立花がそんなことしてくれるはずも無く、理解するのを諦めるしかなかった。
そういえば、工藤と白鳥は今回の件で直接天界に行って報告しているらしい。ゴールデンウィークの間はしばらく姿を見れないようだ。早瀬からそんな報告を聞かされた。
が、こっちだって生徒会コンビとおしゃべりする余裕がない。これから忙しくなるからだ。
物置部屋からガラクタを引っ張り出してボストンバッグに詰め込み、古い本棚から黄ばんだ本をつまみ出す。
そんな作業もこれで9回目だ。
「マスター、何? その荷物」
望月が不思議そうにパンパンのボストンバッグを見つめる。
「それか? 大事な大事な商品だよ。傷とか付けんなよー」
「商品って? マスター、お店でも始めるの? 楽しそう! 」
望月の黄色い声に反応した立花が、俺の傍に置いていたチラシを取り上げた。数秒ほど不思議そうに眺めたが、やがて興味を失ったかのように顔を上げた。
「これ? 」
文字通り俺の目の前にチラシを突き出す。
「そう、それそれ」
チラシには『地域交流フリーマーケット』という文字がデカデカと書いてあった。
「なになに? 地域交流フリーマーケット……参加料無料、商品審査アリ。今日の9時から開催で場所は……」
チラシに大きく書いてある文字をテキトーに読む望月。
気楽でいいな。と、気楽に思った俺だが、
「あと30分か……」
急いでガラクタの出し入れをする。全然時間がない。
チラシに書いてあるフリーマーケットは、2年に1回開催されている、地元でも有名な地域交流会だ。
地域交流会といってもジジババばっかりいるわけではない。参加自由のコンサートを同時に開催しているので、若者の参加者も思ったよりいるのだ。参加料無料って理由で俺も毎回欠かさず参加している。
出品する商品は審査を受けるので、粗悪品が混じってるなんて例は少ない。客も安心して買えるようにしているのだ。
さて、俺は何回『参加』って言葉を使ったんだろうね。そろそろゲシュタルト崩壊しそうだ。
今年のフリーマーケットでは、望月たちにも手伝ってもらおうと考えていたが、
「マスター、私たちも行っていい? なんだかすっごく面白そう! 」
俺が聞くまでもなく了承してくれた。
早瀬にも協力を要請し、ガラクタの最終確認をして10分後には電車に揺られていた。
「マスター、どうしてフリーマーケットに参加しているの? 」
早瀬が暇つぶしにそんな質問をしてきた。参加料無料ってのが1番の理由なんだが、
「物置部屋を圧迫していたガラクタで金が手に入るし、他のヤツらが売ってる品は安く手に入るからな。貧乏人には参加しない手はない」
「ふーん……」
どうでもいい豆知識を知った時と同じような反応をする早瀬。
どうでもいいなら聞くんじゃねーよ。
15分間電車で揺られたあと、キャリーバッグとボストンバッグを持ってしばらく港方面に歩き、ようやく俺たちは会場についた。
参加者たちは既に準備を始めていて、ガラクタの陳列にせっせと働いている。どうやら俺たちは後発組らしい。
オッサンに参加申し込み書やキャリーバッグとボストンバッグの中身を見せ、一応の商品審査を終えたあと、入り口付近のいい感じの場所にレジャーシートをひく。
「この辺でやろうか」
「りょーかい! 任せてよね! 」
何を任せるんだお前に。
「了解した」
「分かったわ。それにしても……人が多いわね」
早瀬の言う通り、既にフリーマーケットの会場には人がごった返していた。ハデな服装をしたバンドマン軍団や見た目以上に元気そうなお爺さんまで、まさに老若男女なんでもいる。
4人がかりで10分間ガラクタを陳列して、ようやく開場まで待つのみとなった。
コンサート会場でリハーサルしているヤツらをボーッと眺める。
歌い手が演奏者に何やら説教をしているようだが、俺からしたら全員が文化祭並のクオリティである。クオリティの低さの嘆きゆえ説教をしているなら、全員が出直した方が良さそうである。
リハーサルの時間が終わって早々と退場したソイツらは、会場の裏側でも説教を続けていた。
何をそんなに怒ることがあるんだろうか。歌い手のお前も大したことないのに。
「次の方ー、どうぞー」
病院のようなアナウンスの直後、見慣れたヤツがギターを持ってコンサート会場に上がった。
「三好? 」
そう、三好なのだ。三好がギターを抱えて会場にいるのだ。
流石にこれは意外だ。アイツギター弾けたのか。しかもこんな目立つ場所に来るなんて珍しいこともあるんだな。
そんなことを考えていた俺だが、実は相当動揺している。休日にたまたま友人と出会った時の焦りに似ているが、三好の場合は色々な意味で不意打ちすぎた。
話しかけてもいいのだが、どんな歌を歌うのか気になるので、リハーサルが終わった後に話しかけよう。
慣れた手つきで機器のチェックを済ませ、マイクのスイッチをつける。
「あの……それでは……始めたいと思います……」
か細い声でそう言った三好は、ギターに手を掛けた。
リハーサルでそんな声じゃまずくないか?
荒くなり始めた息遣いが聞こえてくる。三好の口から美しい音色が奏でられ始めた。
その音は、水面に指で触れた時のように柔らかく、そして儚げなものだった。水面を彩るかのように波紋が広がるが、それが水面を破壊しているようにも思える。やがて砂山のように崩れ落ちそうな儚い音色は、波紋が広がる毎に朧げにもなってゆく。
そんな歌声だった。多分このコンサートに出るヤツらの中で一番上手い。
音楽の実技テストの時ですら小さな声で歌うから、三好の歌がこんなに上手いなんて思いもしなかった。魔法少女3人も思わず聞き惚れていたほどだ。
俺はガラクタの陳列を放ったらかして、リハーサルが終わって完全に油断していた三好に、奇襲攻撃を仕掛けた。
「ふぅ…………」
「よっ、三好」
「ふえぇっ? マスターさんっ? 」
声は小さいが驚きのあまり叫んでいるようだ。持っていたギターを落としかけてしまうほどには。
「マスターさん……来てたんですか? 」
しばらく間があったが、平静を装える程度には、落ち着きを取り戻したようだ。
「まぁな。毎年ここのフリマには参加しているぞ」
「え……え~……そうなんだ。アハハ」
笑うところは1つもなかったと思うが。
「それよりさっきの歌、聴いたぞ。めちゃくちゃ上手かったじゃねーか」
「やっぱり……」
死にかけのじいさんが発する言葉みたいに小さな声だった。三好の顔は脳内出血しそうなくらい真っ赤になっている。
三好は顔面を真っ赤にしたまま、思いっきり逃げてしまった。
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