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リコーン編
アルバイト
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「あの~、ちょっといいですか?」
飲み屋の店員さんに話かけた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
時はちょっと遡り
「アーヤ、このまま旅を続けるにはお金を稼ぐ必要があると思うんだけど、どう思う?」さっきから思っていたことをアーヤに聞いてみた
アーヤが八の字眉になる。年端もいかない女の子に聞くべきじゃなかったな
「ごめんな、いきなりそんなこと言われても困るよな。ちょっと俺出かけてくるから。疲れたろ?先に寝て・・」
アーヤが俺の服をギュッっと掴み、嫌だと横に首を振る。どうやら連れてけということらしい。
「今から働きに行くんだぞ?大丈夫か?」アーヤが強くうなずく
「わかった!じゃあ一緒にバイトしよう」アーヤと夜のカスタへ繰り出す。
さて、どこでバイトしたものか。せっかく働くんだったら何かしら情報が得られる所が良いし・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というわけで、懲りずにまた飲み屋にやってきたのだ。接客ならやったことあるし、問題ないだろう。
「あの~、ちょっといいですか? 今日、ここで働かせてもらいたいんですけど~」
「店主に相談するので、少々お待ちください」店員さんに言われ、待っていると小太りの男がこっちに歩いてきた。
「やあやあ、君たちが働きたいと言ってる2人組かね?」
「あ、はい、そうです。どうでしょうか」
「いやぁ、ちょうど従業員の1人が体調不良で休んでいてね、ぜひお願いしたい! 注文とって料理と飲み物を運んでくれれば良いから!」
「はい!がんばります!」
従業員用の服に着替える。アーヤはエプロンを着ている
「似合ってるな!かわいい!」俺の趣味にドンピシャなのもあって、勢いで褒めてしまった
ひらりと俺の前で回って笑顔を見せるアーヤ。やばい、この子やり手よ!
『さぁて、1週間ぶりくらいかな。いっちょやるぜ!』意気込んでお客さんの前に出る
「にいちゃん! ビル3つとカンノキ!」
「ビル3と、か、か、かんのき!? は、はい!」
『かんのきってなんだよ!』注文1発目でいきなりテンパる
「ビル3と、かんのき!ってやつ!」とりあえず厨房に伝えりゃなんとかなるでしょ!
「にいちゃんこっち!」
「はーい!!」
「ノコチューバイとエビラ肉ね」
「え~、のこちゅーばいとえびらにく。はい!」
わからないことだらけでアーヤを気にしてる暇なんて全く無い!とりあえずお客さんと注文を暗記、単語と厨房から出てくる料理を合わせていく。大きなミスをすることはないが、言われた注文が料理か酒かわからないから
「お待たせしました、えっと、こっちが?」
「カルコだよ」
「そうでしたねぇ、えへへ」みたいになった。言った注文と別の品を持っていくことがないのは経験が活きていると思う。やっていくうちに少しずつわかってきたぞ、ところでアーヤは、、
めっちゃ人気になってるーー!
声が出ないことをジェスチャーとちゃめっ気で見事にカバー、仕事は注文を紙に書きながらテキパキとこなし、きわめつけはあのかわいい衣装と笑顔だ。
「嬢ちゃんこっち来てー!」
「カワイ子ちゃんお願いしまーす!」
くそ!ジロジロ見やがって!でも注文がアーヤに偏っているのは正直ありがたい。それにしてもさすがばあちゃんの子だ。ポテンシャルは計り知れないものがあるな。
必死に目の前の仕事をやっているうちに、なんとか営業を乗り切ることができた。
「くあー!つかれたー!」地面にへたる。もう動けない。
「お疲れさん!君たち経験者?すごいねぇ!特にお嬢ちゃん、もううちで働いてくれないかな!」
そう言いながら店主がやってきた。どうやら期待に答えられたらしい(主にアーヤが)
「うあ!!!」いきなり首筋に冷たいものが当たって飛び跳ねる
振り向くとアーヤがビルを俺に持ってきていた。しかも写真を撮った時の仕返しまでやってくるなんて、俺はこの子に一生敵わないことを確信した。
犯罪的なうまさのビルを飲み干す。
「店主さん今日はいきなり押し掛けたのに働かせてもらってありがとうございました。この後僕たちはリコーンに行って医者にこの子を診てもらおうと思っています。」
「そうかぁ、もっと働いて欲しいとこだが、大事なことだ。またいつでも働きにおいで! はい、今日の代金だ。こう見えて僕は港の人間に顔が利くんだ、特別に君たちがリコーンに行く運賃を免除するように伝えておくよ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
アーヤもペコリと店主にお辞儀をする
「では、僕たちは失礼します!お疲れ様でした!」飲み屋を後にした。
「本当、アーヤはすごいな!何でもこなせるな!」
アーヤが嬉しそうにドヤ顔をする
「クサビばあちゃんに何教わったんだよ・・・」呟くように言うと、アーヤの動きが止まる
「どうした?アーヤ」アーヤの顔が狂気に染まる
「う、うわあああ!!!!!」アーヤが突然暴れだした
「どうしたんだ!」何が起きたのかわからないままアーヤに声をかけるが、全く意味がない
くうう!
無理やりアーヤを強く抱きしめる。暴れるアーヤの力がものすごく強い、必死に抑えつける。
「ぐあっ!!」アーヤが肩に嚙みついた。これは本気のやつだ!下手すると肉を持ってかれる!
全力で体に力を入れる。頼む!正気に戻ってくれ!
すると、首のブレスレットが淡く光った。アーヤから力が抜け、気絶してしまった。
「はぁ、はぁ。痛っ!」肩から血が流れる。なんとかアーヤをおんぶし、宿に帰った。俺も含めてなるべく早く医者に診てもらう必要があるな。
飲み屋の店員さんに話かけた。
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時はちょっと遡り
「アーヤ、このまま旅を続けるにはお金を稼ぐ必要があると思うんだけど、どう思う?」さっきから思っていたことをアーヤに聞いてみた
アーヤが八の字眉になる。年端もいかない女の子に聞くべきじゃなかったな
「ごめんな、いきなりそんなこと言われても困るよな。ちょっと俺出かけてくるから。疲れたろ?先に寝て・・」
アーヤが俺の服をギュッっと掴み、嫌だと横に首を振る。どうやら連れてけということらしい。
「今から働きに行くんだぞ?大丈夫か?」アーヤが強くうなずく
「わかった!じゃあ一緒にバイトしよう」アーヤと夜のカスタへ繰り出す。
さて、どこでバイトしたものか。せっかく働くんだったら何かしら情報が得られる所が良いし・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というわけで、懲りずにまた飲み屋にやってきたのだ。接客ならやったことあるし、問題ないだろう。
「あの~、ちょっといいですか? 今日、ここで働かせてもらいたいんですけど~」
「店主に相談するので、少々お待ちください」店員さんに言われ、待っていると小太りの男がこっちに歩いてきた。
「やあやあ、君たちが働きたいと言ってる2人組かね?」
「あ、はい、そうです。どうでしょうか」
「いやぁ、ちょうど従業員の1人が体調不良で休んでいてね、ぜひお願いしたい! 注文とって料理と飲み物を運んでくれれば良いから!」
「はい!がんばります!」
従業員用の服に着替える。アーヤはエプロンを着ている
「似合ってるな!かわいい!」俺の趣味にドンピシャなのもあって、勢いで褒めてしまった
ひらりと俺の前で回って笑顔を見せるアーヤ。やばい、この子やり手よ!
『さぁて、1週間ぶりくらいかな。いっちょやるぜ!』意気込んでお客さんの前に出る
「にいちゃん! ビル3つとカンノキ!」
「ビル3と、か、か、かんのき!? は、はい!」
『かんのきってなんだよ!』注文1発目でいきなりテンパる
「ビル3と、かんのき!ってやつ!」とりあえず厨房に伝えりゃなんとかなるでしょ!
「にいちゃんこっち!」
「はーい!!」
「ノコチューバイとエビラ肉ね」
「え~、のこちゅーばいとえびらにく。はい!」
わからないことだらけでアーヤを気にしてる暇なんて全く無い!とりあえずお客さんと注文を暗記、単語と厨房から出てくる料理を合わせていく。大きなミスをすることはないが、言われた注文が料理か酒かわからないから
「お待たせしました、えっと、こっちが?」
「カルコだよ」
「そうでしたねぇ、えへへ」みたいになった。言った注文と別の品を持っていくことがないのは経験が活きていると思う。やっていくうちに少しずつわかってきたぞ、ところでアーヤは、、
めっちゃ人気になってるーー!
声が出ないことをジェスチャーとちゃめっ気で見事にカバー、仕事は注文を紙に書きながらテキパキとこなし、きわめつけはあのかわいい衣装と笑顔だ。
「嬢ちゃんこっち来てー!」
「カワイ子ちゃんお願いしまーす!」
くそ!ジロジロ見やがって!でも注文がアーヤに偏っているのは正直ありがたい。それにしてもさすがばあちゃんの子だ。ポテンシャルは計り知れないものがあるな。
必死に目の前の仕事をやっているうちに、なんとか営業を乗り切ることができた。
「くあー!つかれたー!」地面にへたる。もう動けない。
「お疲れさん!君たち経験者?すごいねぇ!特にお嬢ちゃん、もううちで働いてくれないかな!」
そう言いながら店主がやってきた。どうやら期待に答えられたらしい(主にアーヤが)
「うあ!!!」いきなり首筋に冷たいものが当たって飛び跳ねる
振り向くとアーヤがビルを俺に持ってきていた。しかも写真を撮った時の仕返しまでやってくるなんて、俺はこの子に一生敵わないことを確信した。
犯罪的なうまさのビルを飲み干す。
「店主さん今日はいきなり押し掛けたのに働かせてもらってありがとうございました。この後僕たちはリコーンに行って医者にこの子を診てもらおうと思っています。」
「そうかぁ、もっと働いて欲しいとこだが、大事なことだ。またいつでも働きにおいで! はい、今日の代金だ。こう見えて僕は港の人間に顔が利くんだ、特別に君たちがリコーンに行く運賃を免除するように伝えておくよ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
アーヤもペコリと店主にお辞儀をする
「では、僕たちは失礼します!お疲れ様でした!」飲み屋を後にした。
「本当、アーヤはすごいな!何でもこなせるな!」
アーヤが嬉しそうにドヤ顔をする
「クサビばあちゃんに何教わったんだよ・・・」呟くように言うと、アーヤの動きが止まる
「どうした?アーヤ」アーヤの顔が狂気に染まる
「う、うわあああ!!!!!」アーヤが突然暴れだした
「どうしたんだ!」何が起きたのかわからないままアーヤに声をかけるが、全く意味がない
くうう!
無理やりアーヤを強く抱きしめる。暴れるアーヤの力がものすごく強い、必死に抑えつける。
「ぐあっ!!」アーヤが肩に嚙みついた。これは本気のやつだ!下手すると肉を持ってかれる!
全力で体に力を入れる。頼む!正気に戻ってくれ!
すると、首のブレスレットが淡く光った。アーヤから力が抜け、気絶してしまった。
「はぁ、はぁ。痛っ!」肩から血が流れる。なんとかアーヤをおんぶし、宿に帰った。俺も含めてなるべく早く医者に診てもらう必要があるな。
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