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2章
15 王城潜入
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崖の上から王都を眺めていた時は、なんて簡単に潜り込めそうな城なんだと思ったが、実際に目の前にしてみると、王城の周りのお堀は深く掘られているし、張られた水は緑に濁っているし、城を囲う壁も白一色で、引っ掛ける足場もないつるんとした素材で、何より囲う道幅が広く、一般の通行は正面入り口の橋のみで、城に沿って歩く事が出来ない様になっている。通れるのは警備兵だけのようで、それも時間や人数が決められているようだと、志津木は街の屋根に登り、寝転んで小型望遠鏡を覗いて偵察をしている。
いっそレイモンドと一緒に正面から乗り込んだ方が早かったかと思うのも、正面入り口でレイモンドの車が止められているからだ。
とりあえず警備兵の服を奪い、着替えた。気絶させた兵は犬の獣人だった。可哀想だが民家の倉庫に突っ込み、棒でドアを固定して来た。木製だったから死ぬ事はないし、中で暴れたら誰かが助けてくれるだろう。
街には馬止めがあって、さっき乗って来た馬を繋いだんだが、意外と見つからないものだと乗り、曲者を追い、逃した兵を装って、レイモンドの車の横に並ぶ。左右前後を固めていた兵は志津木を追ってまかれた者と倒された者がいて、戻れたのは志津木がいる反対側の兵のみだ。話しかけられるのも、見られるのも厄介だと思いつつ、城内へ入る機会を伺う。隙間からレイモンドを見れば、不貞腐れた顔で座る姿が見えた。このまま正面から入ればアニエスと対峙する事になるだろうに、レイモンドは気にせず向かっている。この先の計画がどうなっているのか知らないが、レイモンドも何か事情があるのだろう。
レイモンドと視線が合う。思わず視線を逸らしたくなったが、あえて笑んで見せれば、レイモンドも苦笑で返して来た。
「先に行くぞ」
反対側にいた兵が志津木に向かって言って来た。なぜ? と思いながらも付いて行く。検問素通りで中に入れて安堵したのも束の間、中には100騎いそうなくらい騎兵が並んでいる。正面広場と呼べば良いのか。そこを埋め尽くした兵は戦争に行くのか? と思うくらいの武装、フルフェイスの甲冑で馬にも矢避けが付けられているし、背中に矢かごと弓、剣もいろんなのを装備しているし、槍を持つ者もいる。たかが志津木ひとりの為に動かす兵の数じゃないと焦っていれば、一緒に入ったもう一方の兵が、大将らしき者と話し、労われている。
「良く戻った。後は引き継ぐ、兵舎でゆっくり休め」
大将らしき者がアニエスなのだろうか。フルフェイスの兜を付けているから顔は分からないが、立て髪っぽいのが首周りから出ている。それだけでライオンだと分かる。筋肉の分厚い屈強な姿。声は低く響きがある。雰囲気があって見るからに強そうだ。レイモンドとはまるで違う武神を思わせる姿に、なるほどモテるのも分かるなぁと呑気に考えながら、咎められる事なく奥へ進む事が出来た。むしろ罠だと思えたが、入れただけマシだと志津木は一兵に続いて奥へ進んだ。
いっそレイモンドと一緒に正面から乗り込んだ方が早かったかと思うのも、正面入り口でレイモンドの車が止められているからだ。
とりあえず警備兵の服を奪い、着替えた。気絶させた兵は犬の獣人だった。可哀想だが民家の倉庫に突っ込み、棒でドアを固定して来た。木製だったから死ぬ事はないし、中で暴れたら誰かが助けてくれるだろう。
街には馬止めがあって、さっき乗って来た馬を繋いだんだが、意外と見つからないものだと乗り、曲者を追い、逃した兵を装って、レイモンドの車の横に並ぶ。左右前後を固めていた兵は志津木を追ってまかれた者と倒された者がいて、戻れたのは志津木がいる反対側の兵のみだ。話しかけられるのも、見られるのも厄介だと思いつつ、城内へ入る機会を伺う。隙間からレイモンドを見れば、不貞腐れた顔で座る姿が見えた。このまま正面から入ればアニエスと対峙する事になるだろうに、レイモンドは気にせず向かっている。この先の計画がどうなっているのか知らないが、レイモンドも何か事情があるのだろう。
レイモンドと視線が合う。思わず視線を逸らしたくなったが、あえて笑んで見せれば、レイモンドも苦笑で返して来た。
「先に行くぞ」
反対側にいた兵が志津木に向かって言って来た。なぜ? と思いながらも付いて行く。検問素通りで中に入れて安堵したのも束の間、中には100騎いそうなくらい騎兵が並んでいる。正面広場と呼べば良いのか。そこを埋め尽くした兵は戦争に行くのか? と思うくらいの武装、フルフェイスの甲冑で馬にも矢避けが付けられているし、背中に矢かごと弓、剣もいろんなのを装備しているし、槍を持つ者もいる。たかが志津木ひとりの為に動かす兵の数じゃないと焦っていれば、一緒に入ったもう一方の兵が、大将らしき者と話し、労われている。
「良く戻った。後は引き継ぐ、兵舎でゆっくり休め」
大将らしき者がアニエスなのだろうか。フルフェイスの兜を付けているから顔は分からないが、立て髪っぽいのが首周りから出ている。それだけでライオンだと分かる。筋肉の分厚い屈強な姿。声は低く響きがある。雰囲気があって見るからに強そうだ。レイモンドとはまるで違う武神を思わせる姿に、なるほどモテるのも分かるなぁと呑気に考えながら、咎められる事なく奥へ進む事が出来た。むしろ罠だと思えたが、入れただけマシだと志津木は一兵に続いて奥へ進んだ。
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