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2章

8 欲の発散

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 最後の客を終えたマティアスが小屋から出て来たが、志津木はドア横の位置から動けずにいた。得た情報が重すぎる。

「どうぞ」

 マティアスは志津木を見下ろし、一瞬、表情を歪めたが、次には色めいた表情をする。手を引かれ、導かれるままドアを潜った志津木は、マティアスの腕の中に囚われ、口を吸われ、舌を絡めていた。

「ニアを抱いた事は?」

「ないよ」

「そうですか」

 志津木の否定を聞き、マティアスは笑む。綺麗な顔に浮かぶ笑みは、心を鷲掴みされる程の威力がある。

「神使えの具合はとても良いそうです」

 薄い白い衣の中の、白い肌に爪痕の傷が幾重にも重なって赤く腫れている。志津木は己の中の嗜虐的な感情を引き出され、荒い息を吐く。マティアスは志津木の欲に合わせ、床に臥せて尻を上げた。

 背の羽が露わになる。飛ぶ為には小さな、退化しているのか、飾りにしか見えない羽だが、異種を抱いている気分は上がる。それよりも目を惹くのは、白い小振の尻に、赤く腫れて内側の肉感を露わにする、雄を飲み込む為の器官だ。うねり、ヒクつき、男を誘う。

「どうぞ、奥まで——……」

 マティアスの声に色が交わる。吐き出す吐息に熱を感じ、志津木は物欲しそうに喉を鳴らした。

「ああッ——んうぅ——……はぁんん……」

 今までいろんなタイプの孔に突っ込んで来た志津木だったが、どの孔とも違う、雄を喰らう為に存在すると感じる、熱くてぬかるみ、ヒダが吸引しうねり続ける肉筒が、まるで無数の触手に纏わりつき、引き摺り込まれる吸引に逆らい抜けば、物欲しそうにしゃぶりつく肉が絡んで盛り上がる。

「いやらしいな」

 指で触れ、離さない肉筒を確かめれば、ジクリと蜜を垂らしている。

「お気に召しましたか?」

 白い肌を溢れた蜜が伝う。

「なぜこんな事を? 子どもの側でする事では、」

「子ども? ああ、ハクとメイですか——……んぅ——……あぁ……」

 ゆるゆると内壁を擦れば、マティアスの言葉に息遣いが交じる。

「あ、あの子たちは、……いえ、獣人は、産まれて2年もすれば、……あっあッ、——はぁッ……2年で人の成人と、……ああッも、……かわらない、ううッ——……」

「成人?」

「ひッ、ああッ——……」

 奥を突き上げて、指で孔を広げて、深くをえぐる。

「2年で成人って成長が早いって事? でもまだセックスの知識はないだろう」

「いいえ、ッ——んっ、ツガイを得るまでは……はぁッ……本能のままに、……」

「なるほどね、だから俺にもやらせてくれた?」

 獣人は性に奔放なのか。神使えはさらにその上を行くのか。マティアスが笑みの声を聞かせる。

「報酬です——先払い、と思って下さい……」

「先払い? ……まぁ良い、久しぶりで溜まってるんだ、もっと楽しませてくれるんだろ?」

「……はい、どうぞお好きなだけ——……ナカに、たくさん——ください……」

 言葉の合間に加わる吐息にも欲情する。卑猥な光景に雄の匂いが混じり、志津木の欲を刺激している。
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