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【2】軍生活
9・竜と竜騎士
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竜騎士ということは、竜の伴侶を持つということだ。
日本人の学生、健司は男の伴侶がいる。とても仲睦まじく、いつも寄り添っている。ギルバートの伴侶は女性で白く抜けたような肌の小柄で美しい竜だ。
リビングのような部屋からもう一度、上部半円の扉をくぐると、今度は庭へ出た。案内は健司が請け負ったようで、ギルバートはついて来なかった。
庭には白く丸い形の煉瓦を組んだ噴水があり、バラがアーチを描いている。まさに王宮の庭といった風景の中に、仲睦まじく寄り添う影が所々にある。ベンチに座っていたり、ゆっくり歩いていたり。
目を疑うのは彼らの風貌がそれぞれに違うことだ。
過去の記憶からいけば、西洋風、東洋風、中華風といった服装、容姿の者。ファンタジーな様々な形の獣人。それぞれが、竜人と一緒にいる。
「俺が日本から来ているように、彼らもいろんなところから来ているんだよ。ユーリと同じ大陸の人もいるけど、俺のように別の時空から来た人もいる。おもしろいよね、竜が俺たちを繋いでいるんだよ。はじめはみんな竜国から竜に呼ばれて来ているんだけど、俺たちの保護国がユーリの国なんだって」
「ユーリは竜王の血を継いでいますからね」
健司が説明をしてくれて、青き竜が補足をしてくれるのだが、ユーリにはいっぱいいっぱいで。ただ竜を従えて戦う者が竜騎士だと思っていたのだ。健司という別時空の健司を受け入れるのはなんとなく見知っているから懐かしさを感じたが、あまりに違う人種を見てどう受け入れたら良いのかわからない。しかも竜王まで出て来た。
「竜王なんてファンタジーすぎて……」
「わかるーだよね、ゲーム感覚抜けきらないもん」
健司が笑って言うと、青き竜が困ったように健司を抱きしめる。
「わかってるよ、そばにいるだろ」
健司は青き竜を慰めるように寄り添う。
「はー当てられっぱなしだ、ここ。竜と竜騎士の間柄が伴侶だとは聞いていたけど、聞くのと見るのとでは全然違う」
「ユーリにはもう伴侶がいるから、竜王はあきらめたって聞いてるよ? ユーリだっているんだろ伴侶」
健司はニヤニヤ笑いながらユーリをからかう。
「……っていうか竜王ってなに? 俺とかかわりがあるの?」
「えー? それ本気で言ってるのユーリ? ユーリのそのすっごい綺麗な髪色も瞳の色も、竜王に愛される為の証なのに!」
「そうですよ、ユーリ。あなたは竜王に愛されるにふさわしい存在。私たちのあこがれなのですよ」
「聞いてないし、知らないよ、そんなの」
混乱して慌てた。竜王というのは竜の王様なんだろう。そういうのがいるのは何となくわかる。もはやユーリの中で前世の記憶のファンタジー世界が当てはまっている。しかし、竜王の伴侶が自分であるのは信じられない。
そうしてレティウスを思い浮かべたユーリは、さっき身を清められたことを思い出した。
「ねえ、もしかして俺の体のつながりを切った?」
健司の伴侶の青き竜に詰め寄れば、青き竜はなぜか嬉しそうにする。
「ええ、汚れていましたから綺麗にしました」
「帰る! ギルバートのところに行かせて」
「ユーリ、それはちょっと野暮な話だよ。だってギルったらこっちにあまり来ないんだもん。白き竜が離すと思う?」
健司はユーリの気持ちなど知る由もないので、からかい口調だ。
「お願い! レティウスの元に帰して」
ユーリの想いは切実だ。ユーリにとってレティウスとの繋がりは、命の繋がりしかない。それが解かれてしまったら、もう口づけをすることも、その先をせがむこともできなくなる。
想いよりも先に涙が溢れていた。いつも感じていられたレティウスの気配が読めなくて、遠い。
日本人の学生、健司は男の伴侶がいる。とても仲睦まじく、いつも寄り添っている。ギルバートの伴侶は女性で白く抜けたような肌の小柄で美しい竜だ。
リビングのような部屋からもう一度、上部半円の扉をくぐると、今度は庭へ出た。案内は健司が請け負ったようで、ギルバートはついて来なかった。
庭には白く丸い形の煉瓦を組んだ噴水があり、バラがアーチを描いている。まさに王宮の庭といった風景の中に、仲睦まじく寄り添う影が所々にある。ベンチに座っていたり、ゆっくり歩いていたり。
目を疑うのは彼らの風貌がそれぞれに違うことだ。
過去の記憶からいけば、西洋風、東洋風、中華風といった服装、容姿の者。ファンタジーな様々な形の獣人。それぞれが、竜人と一緒にいる。
「俺が日本から来ているように、彼らもいろんなところから来ているんだよ。ユーリと同じ大陸の人もいるけど、俺のように別の時空から来た人もいる。おもしろいよね、竜が俺たちを繋いでいるんだよ。はじめはみんな竜国から竜に呼ばれて来ているんだけど、俺たちの保護国がユーリの国なんだって」
「ユーリは竜王の血を継いでいますからね」
健司が説明をしてくれて、青き竜が補足をしてくれるのだが、ユーリにはいっぱいいっぱいで。ただ竜を従えて戦う者が竜騎士だと思っていたのだ。健司という別時空の健司を受け入れるのはなんとなく見知っているから懐かしさを感じたが、あまりに違う人種を見てどう受け入れたら良いのかわからない。しかも竜王まで出て来た。
「竜王なんてファンタジーすぎて……」
「わかるーだよね、ゲーム感覚抜けきらないもん」
健司が笑って言うと、青き竜が困ったように健司を抱きしめる。
「わかってるよ、そばにいるだろ」
健司は青き竜を慰めるように寄り添う。
「はー当てられっぱなしだ、ここ。竜と竜騎士の間柄が伴侶だとは聞いていたけど、聞くのと見るのとでは全然違う」
「ユーリにはもう伴侶がいるから、竜王はあきらめたって聞いてるよ? ユーリだっているんだろ伴侶」
健司はニヤニヤ笑いながらユーリをからかう。
「……っていうか竜王ってなに? 俺とかかわりがあるの?」
「えー? それ本気で言ってるのユーリ? ユーリのそのすっごい綺麗な髪色も瞳の色も、竜王に愛される為の証なのに!」
「そうですよ、ユーリ。あなたは竜王に愛されるにふさわしい存在。私たちのあこがれなのですよ」
「聞いてないし、知らないよ、そんなの」
混乱して慌てた。竜王というのは竜の王様なんだろう。そういうのがいるのは何となくわかる。もはやユーリの中で前世の記憶のファンタジー世界が当てはまっている。しかし、竜王の伴侶が自分であるのは信じられない。
そうしてレティウスを思い浮かべたユーリは、さっき身を清められたことを思い出した。
「ねえ、もしかして俺の体のつながりを切った?」
健司の伴侶の青き竜に詰め寄れば、青き竜はなぜか嬉しそうにする。
「ええ、汚れていましたから綺麗にしました」
「帰る! ギルバートのところに行かせて」
「ユーリ、それはちょっと野暮な話だよ。だってギルったらこっちにあまり来ないんだもん。白き竜が離すと思う?」
健司はユーリの気持ちなど知る由もないので、からかい口調だ。
「お願い! レティウスの元に帰して」
ユーリの想いは切実だ。ユーリにとってレティウスとの繋がりは、命の繋がりしかない。それが解かれてしまったら、もう口づけをすることも、その先をせがむこともできなくなる。
想いよりも先に涙が溢れていた。いつも感じていられたレティウスの気配が読めなくて、遠い。
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