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サクラギ

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29 身勝手な ※

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「やだあ……ッうそ? ウソウソウソッ……隼也ッっあ、やだぁあああ……」

 グリッて広げられた部分に亀頭を押し付けられて、いつの間に付けたのかわからないけど、ゴムのヌルッとした感触が何度か隙間を往復して、膝下を隼也の足で押さえられているから動けない。腰を引こうとしても骨盤持たれて引き寄せられて、ググッと押し入って来て、ヒダが飲み込み行く感触に背を縮める。

「ああっ…んん……」

「碧のここ、上手に飲み込んで、離してくれずについてくるよ」

 そんな実況いらない。楽しそうに見られて、遊んでるみたいにギリギリ抜けない位置で前後されてる。

「も、やだ、ヤダって」

 手を後ろに回したら手首を掴まれて一気に奥へ押し込まれた。息が止まった。驚きすぎて痛いのか何なのかわからない衝撃が腹部を襲った。

「碧の中熱いね」

 うそだろ? こんなのただの暴力だ。隼也の気を疑う。何が愛するだ。ただの好奇心だ。男とやってみたかった。酷く奥に突っ込んでみたかった。そういう行為だろ? これ。

「や、やだーもうやめて隼也ッ、あ、ああっ」

「気持ちいいね、碧、中がジェルでグチュグチュで熱くて狭くてサイコーだよ」

「隼也、隼也、こんなのっ、や、あ、」

 腰を固定されて濡れた音をさせながら奥を突いて来る。よさなんてカケラもないのに、隼也が喜んでいる滑稽さに泣けて来る。

「は、ああっ、すごく気持ちよかったよ、碧」

 勝手に奥で射精して、腰を押し付けて満足の息を吐いている。

「隼也! おまえ、マジでサイテーだから!」

 抜かれてゴムの処理をしている隼也を睨む。勝手に使われた腹が痛い。

「わるい、碧、たまってたんだよ」

 笑ってのしかかられて、殴ってやりたいと思っているのに、お構いなしにキスをされる。うまく宥められている気がして気分が悪いのに、キスされながら体を触られて、胸をいじられていると息が上がって来る。

「かわいい、あおい、目がトロンとして来てる」

「うるさい」

 さっきの身勝手な行為を忘れたい。腹がたった記憶のまま初めてを終わらせたくない。だからって望み通りに抱いてくれると思えなかったけど、望む通りにして欲しくて、積極的に行為を促した。

 触って欲しい場所に隼也の手を取って触れさせれば、クスって笑って期待に応えてくれる。

「ん、もっと強くても良いよ、触って」

 触ってもらいながら、体を起こして隼也の腰にまたがって、自分で中に入れて行く。さっき入れられていたから簡単に奥まで飲み込んで、ズキズキしている奥が性器への刺激と相まってよさへと変わって行く。

「気持ちいい? 碧」

 見下ろす位置にある隼也にキスをねだると、入れたまま身を起こして来て、深く受け入れたまま激しく舌を絡めた。
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