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19 まちぶせ
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体を洗ってたら唐突に閃いた。乳首がピンクだって言われた。あの夏の日、7人全員が集まってて、そういえば隼也と賢吾がニヤニヤ話してるの見たかも。でもその時は彼女のあれこれを聞いているんだろうなと思っていた。乳首がピンクって。
お風呂で確認したけどよくわからない。ピンクかって言われたらそうかもだけど、誰でもそうでしょ? 確かにもっと濃い人もいるけど。乳首が可愛いってなに? 変態がいっぱいだ。そういえば服の中だけど隼也に触られた。さわさわされてキュッてつままれた。思い出したら恥ずかしくなった。こんなところ自分でも触らない。動画の中でいっぱい触られてるの見てるけど、触りすぎると大きくなるとか言うし、なったら二度と戻らないと思うと触るの躊躇う。そりゃあ気持ちいいっていうのも知りたいと思うけど。
のぼせる前に風呂から出る事にする。その日はもう何にも考えたくなくてすぐに寝てしまった。
朝起きて一番にアプリを消した。それから朝ごはんを食べて身支度して、顔の手痕が消えているのを確認した。良かった。急にマスクしてたら目立つし、風邪かと思われるのも面倒だ。
大学へ行こうとドアを開けると張り紙がしてあった。
「風呂の声が響いてますよ」
え? 誰だ? 階段に近い部屋の二つを見るけど、わかる訳がない。みんな男だから察してはくれるのだろうけど、恥ずかしすぎる。紙を部屋に投げ入れて、鍵をかけた。っていうか気持ちいいとかもっと触ってとか、いろいろ言っていたような。もしかして誰かを連れ込んでたと思われたかも。風呂の響いた声だったら男女わからないかもしれない。えっと、どっちがマシかな。連れ込んでいけないとは聞いてないし。ほかのふたりも友達呼んで飲んでたりするのあったし。気にしない。ただ次から気をつけよう。
「朝からどうした?」
ぼんやり考え事して歩いてたら隼也に会った。いつも会うのは校門前だったりするんだけど、今日は駅を出てすぐの所で待ち伏せされてた。
「別になんでもない」
ひとりでしてる声を聞かれたとか言える訳ない。しかも隼也で抜いたとか。
「風邪ひいてねえ?」
あ、そっちか。良かった。
「普通だよ」
「顔、消えて良かったな。帰り、大丈夫か?」
玲と会う前に話してしまおうと気遣いはわかるけど。
「今まで大丈夫だったから。あれはたまたまだよ」
アプリのせいとは言いたくない。もう消したし。普通は人がいる日中にあんなことしない。しかも男の俺を狙うなんてありえない。
「気をつけろよ、いつでもスマホ鳴らして良いから」
「ありがとう、でも大丈夫」
「おはよう、碧、隼也、珍しいね」
玲が後ろから声をかけて来た。
「おはよう、玲」
俺が言うと隼也は玲の肩に腕を乗せて先に行ってしまう。振り返って視線を合わせてニヤリって笑って行った隼也を知っているのは俺だけだろう。何だろう、この特別感。でもこうやって女の子の気を引いていたんだろうと思うと急激に冷める。
お風呂で確認したけどよくわからない。ピンクかって言われたらそうかもだけど、誰でもそうでしょ? 確かにもっと濃い人もいるけど。乳首が可愛いってなに? 変態がいっぱいだ。そういえば服の中だけど隼也に触られた。さわさわされてキュッてつままれた。思い出したら恥ずかしくなった。こんなところ自分でも触らない。動画の中でいっぱい触られてるの見てるけど、触りすぎると大きくなるとか言うし、なったら二度と戻らないと思うと触るの躊躇う。そりゃあ気持ちいいっていうのも知りたいと思うけど。
のぼせる前に風呂から出る事にする。その日はもう何にも考えたくなくてすぐに寝てしまった。
朝起きて一番にアプリを消した。それから朝ごはんを食べて身支度して、顔の手痕が消えているのを確認した。良かった。急にマスクしてたら目立つし、風邪かと思われるのも面倒だ。
大学へ行こうとドアを開けると張り紙がしてあった。
「風呂の声が響いてますよ」
え? 誰だ? 階段に近い部屋の二つを見るけど、わかる訳がない。みんな男だから察してはくれるのだろうけど、恥ずかしすぎる。紙を部屋に投げ入れて、鍵をかけた。っていうか気持ちいいとかもっと触ってとか、いろいろ言っていたような。もしかして誰かを連れ込んでたと思われたかも。風呂の響いた声だったら男女わからないかもしれない。えっと、どっちがマシかな。連れ込んでいけないとは聞いてないし。ほかのふたりも友達呼んで飲んでたりするのあったし。気にしない。ただ次から気をつけよう。
「朝からどうした?」
ぼんやり考え事して歩いてたら隼也に会った。いつも会うのは校門前だったりするんだけど、今日は駅を出てすぐの所で待ち伏せされてた。
「別になんでもない」
ひとりでしてる声を聞かれたとか言える訳ない。しかも隼也で抜いたとか。
「風邪ひいてねえ?」
あ、そっちか。良かった。
「普通だよ」
「顔、消えて良かったな。帰り、大丈夫か?」
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「今まで大丈夫だったから。あれはたまたまだよ」
アプリのせいとは言いたくない。もう消したし。普通は人がいる日中にあんなことしない。しかも男の俺を狙うなんてありえない。
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俺が言うと隼也は玲の肩に腕を乗せて先に行ってしまう。振り返って視線を合わせてニヤリって笑って行った隼也を知っているのは俺だけだろう。何だろう、この特別感。でもこうやって女の子の気を引いていたんだろうと思うと急激に冷める。
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