15 / 31
15 本音
しおりを挟む
「そういえば、こうやって話すのも初だよな」
「そうだよ。隼也には嫌われてると思ってたから、話したら悪いと思ってて」
「は?」
えっと、そんなことなかったのかな。また驚いた顔をされてしまった。
「だって面倒くさそうというか、不機嫌っていうか、俺が近くにいると避けたりしてたよね?」
「あーまぁ、してたかもな」
でしょ? 疎くないよね? 察してたでしょ? 正解して嬉しくなる。でも避けられてたんだ、やっぱり。
「なにそれ、正解して浮かれて落ち込んだ感じ? おまえ普通に表情に出せるんだな。その方が……いい感じだと思うし、愛想笑いはやめたほうがいい。すげえ気を使われてるのわかるといい気はしねえからな」
「……そっか。だからため息つかれたりするのかな。今度から気をつける」
「いや、愛想笑いしてろよ」
「は? どっち? コミュ力高い人のアドバイスじゃないの?」
隼也と話すと引っかかる部分があって腹が立つ。理解力ないと思ってからかっているのかも。
「別にモテる必要ねえだろ?」
「いやあるよ、恋人欲しいし、友達とうまくやって行きたいし」
はームカつく。隼也がじーっと見て来る。俺が恋人作りたいって普通の事だろ? そんな呆気に取られたような表情になるのなんで? それでまたため息。
「あれってやっぱり出会い系アプリだったのか?」
「え? あー……」
というか忘れてた。隼也にスマホの画面見られてたんだった。でもゲイ専用とはバレていなさそうだ。
「別にいいだろ? 自分から声かけるの苦手だから、試しに使ってみただけだよ」
「俺は?」
「は?」
聞き間違いかと思って隼也を見たら、また俯いて片手で顔を押さえてテレている。え? 本気で言った? 俺は? ってなに?
「おまえは、賢吾と付き合うのかと思ってたんだ。けど迷惑かけてるとか言うし。俺が抱きしめても何の反応もしねえし。つい本音が漏れた」
は? 隼也なに言ってるの? 理解が追いつかない。
「俺がなんで大学決めたか聞いたよな? おまえがいたからに決まってんだろ? 察しろよ」
えーっと、これドラマかな? それとも妄想? 隼也って俺の事嫌いって言ったよね? しかもついさっき。
「いやいやいや、冗談だよね? だって俺だよ? 隼也って俺のこと佐倉って呼ぶし、近づくと逃げてたってさっき言ってたよね? 嫌いって——」
「あーもう」
隼也に手にあったマグカップを取り上げられ、なぜか抱きしめられてる。肩に隼也の頬が乗ってて、ツンツンの髪が頬に触れてる。
「好きなんだって、ずっと、高校ん時から。でもおまえが男が好きとか知らねえだろ? 賢吾と仲良いけどそういうんじゃなさそうだったし。近づくと距離取るし、話せば愛想笑いするし」
えっと……告白? 好きとか聞こえた。隼也が俺に? 背中押さえられて、肩に頬乗せられて、反対の手、耳横の髪の中に入れられてる。なんかドキドキして呼吸がうまく出来ない。なんだろう、これ。
「そうだよ。隼也には嫌われてると思ってたから、話したら悪いと思ってて」
「は?」
えっと、そんなことなかったのかな。また驚いた顔をされてしまった。
「だって面倒くさそうというか、不機嫌っていうか、俺が近くにいると避けたりしてたよね?」
「あーまぁ、してたかもな」
でしょ? 疎くないよね? 察してたでしょ? 正解して嬉しくなる。でも避けられてたんだ、やっぱり。
「なにそれ、正解して浮かれて落ち込んだ感じ? おまえ普通に表情に出せるんだな。その方が……いい感じだと思うし、愛想笑いはやめたほうがいい。すげえ気を使われてるのわかるといい気はしねえからな」
「……そっか。だからため息つかれたりするのかな。今度から気をつける」
「いや、愛想笑いしてろよ」
「は? どっち? コミュ力高い人のアドバイスじゃないの?」
隼也と話すと引っかかる部分があって腹が立つ。理解力ないと思ってからかっているのかも。
「別にモテる必要ねえだろ?」
「いやあるよ、恋人欲しいし、友達とうまくやって行きたいし」
はームカつく。隼也がじーっと見て来る。俺が恋人作りたいって普通の事だろ? そんな呆気に取られたような表情になるのなんで? それでまたため息。
「あれってやっぱり出会い系アプリだったのか?」
「え? あー……」
というか忘れてた。隼也にスマホの画面見られてたんだった。でもゲイ専用とはバレていなさそうだ。
「別にいいだろ? 自分から声かけるの苦手だから、試しに使ってみただけだよ」
「俺は?」
「は?」
聞き間違いかと思って隼也を見たら、また俯いて片手で顔を押さえてテレている。え? 本気で言った? 俺は? ってなに?
「おまえは、賢吾と付き合うのかと思ってたんだ。けど迷惑かけてるとか言うし。俺が抱きしめても何の反応もしねえし。つい本音が漏れた」
は? 隼也なに言ってるの? 理解が追いつかない。
「俺がなんで大学決めたか聞いたよな? おまえがいたからに決まってんだろ? 察しろよ」
えーっと、これドラマかな? それとも妄想? 隼也って俺の事嫌いって言ったよね? しかもついさっき。
「いやいやいや、冗談だよね? だって俺だよ? 隼也って俺のこと佐倉って呼ぶし、近づくと逃げてたってさっき言ってたよね? 嫌いって——」
「あーもう」
隼也に手にあったマグカップを取り上げられ、なぜか抱きしめられてる。肩に隼也の頬が乗ってて、ツンツンの髪が頬に触れてる。
「好きなんだって、ずっと、高校ん時から。でもおまえが男が好きとか知らねえだろ? 賢吾と仲良いけどそういうんじゃなさそうだったし。近づくと距離取るし、話せば愛想笑いするし」
えっと……告白? 好きとか聞こえた。隼也が俺に? 背中押さえられて、肩に頬乗せられて、反対の手、耳横の髪の中に入れられてる。なんかドキドキして呼吸がうまく出来ない。なんだろう、これ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる