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【第一部】堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
28.本気を出します
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「やめろ」
ジルベルトが彼女に駆け寄ろうとしたが、男が数人やってきてジルベルトとダニエルの身体を拘束した。
「やめてくれ」
マリーはその注射針を、拘束している彼女の右肩に刺した。彼女の目が大きく見開いたかと思うと、彼女の身体は崩れた。それをアンディが支える。中身が空になった注射器をマリーは放り投げた。それは宙に放物線を描いて落ち、カランと乾いた音を立てた。
「彼女に何をした」
体を押さえつけられながらもジルベルトの目はギラリと怒りで溢れている。
「ちょーっと、気持ちよくなれるお薬よ。でも、気を失ってしまったみたいね。目を覚ますのが楽しみだわ」
マリーはアンディの腕の中にいる彼女の頭を優しく撫でた。
「き、貴様」
男二人がかりで押さえているというのに、それを突き放すだけの力がどこにあるのだろう。
ジルベルトは一人に向かって右肘を振り上げた。それは見事、一人の顔面に当たった。痛みに耐えきれず顔を押さえる彼は、ジルベルトを押さえる手を離してしまった。一対一であれば、ジルベルトの方が有利だ。押さえつけている男は慌てて両肩に手を置こうとしたが、ジルベルトの方が動きは速かった。押さえられたところを軸にして身体を回転させ、その男に膝蹴りを与える。それは男のこめかみに命中し、そして吹っ飛んだ。
「ダニエル殿」
ダニエルに覆いかぶさっている男の背中を引っ張りあげ、無理やりこちらを向かせると、その顔面に頭突きを食らわせた。
残った一人は、ダニエルが蹴り上げてふらついたところを、さらに回し蹴りでその頭を狙う。ジルベルトとダニエルを押さえつけていた男たちは見事その二人によって、全員、気絶させられてしまった。
「あなたの部下、思ったより使えないのね」
はあ、とマリーは大きくため息をついた。
二対二。こちらに人質がいるとしても、相手は騎士団に所属する男が二人。分は悪い。そしてこちらが身構えるより先に、ジルベルトがマリーへとその手を伸ばした。
「お前だけは絶対に許さない」
彼女の細い首に両手をかける。ジルベルトの力でみるみると首を絞められるマリーは、言葉を発することなく、気を失った。そのまま床に落とされる。
「マリー」
グリフィン公爵は腕の力を抜いてしまった。だから彼女の身体がずるりと落ちる。だが彼女よりもマリーの方が大事だ。
「マリー」
彼女に近寄って左膝を床につき、その口元に耳を傾けると、呼吸が止まっているように感じる。
「き、貴様!! よくもマリーを」
グリフィン公爵はジルベルトを見上げ、ジルベルトはグリフィン公爵を見下していた。ジルベルトの後ろでダニエルが動く気配がした。倒れている彼女を介抱するのだろう。
「おい。大丈夫か」
と、彼女に声をかけている。「おい、ウェンディ、しっかりしろ」
ウェンディ、だと? このジルベルトの婚約者の名前はそんな名前だったか? あのパーティで二人そろって挨拶をしていたではないか。
そこでマリーがむくりと起き上がった。
「はい、ダニエル部長。そこで、本当の名前を呼んでしまうのは、諜報部としていかがなものでしょう?」
何かが違う。いつものマリーではない。
彼女はもうマリーという名の仮面をつけていないのだ。
「あ、あ。マリー?」
「残念ながら、マリーは死にました。あなたも確認したのでしょう? アンディ?」
その艶やかな微笑み方はまさしくマリー。だけど、話し方と仕草が何か、こう、違う。
「そうだ。マリーは息をしていなかった。このジルベルトに殺されたんだ。なのに、なぜ?」
「ごめんなさい、アンディ。私、死んだふりは得意なの」
「お前は、マリーじゃない。お前は、一体誰だ?」
グリフィン公爵は膝をついたまま、わなわなと身体を震わせていた。
「私? 私は」
あるときは酒場の店員、あるときは娼館の娼婦、あるときは高級レストランの料理人、でもその正体は。
という決め台詞とポーズを考えてダニエルに伝えたところ、あえなく却下されてしまったため、普通に名乗るしかない。
「第零騎士団諜報部レオン」
「な、な、マリーが諜報部だと?」
「正確には諜報部の私がマリーに扮していた、ですね。はい、リガウン団長、グリフィン公爵の拘束をお願いします」
マリーに扮していたレオン、つまりエレオノーラはすっと立ち上がると、気絶していた四人のうちの一人が起き出して逃げようとするところを追いかけた。
女の足で間に合うのかと思うところだが、彼女の足は速かった。逃げ出すそれに追いつくと、ジャンプと同時に回し蹴りでそれのこめかみを狙う。
回し蹴りはフランシア家の得意技なのか、と思いたくなるほど。
廃倉庫の周囲は、すでに第一騎士団で囲まれていた。
ジルベルトがグリフィン公爵を拘束し、ダニエルがその部下二人、エレオノーラに扮していたウェンディが部下一人、そしてマリーに扮していたエレオノーラが部下一人を拘束して、彼らを第一騎士団に引き渡した。
「グリフィン公爵。あなたを、薬の密売と誘拐の罪で拘束します」
ジルベルトはうなだれるグリフィン公爵に声をかけた。
「ジルベルト殿。貴殿が今日を共に過ごした女性は、婚約者ではなかった、ということか?」
「いえ。私は彼女と共に過ごしました」
「だったら、なぜ? いつ入れ替わったんだ?」
「劇場です。帰りの馬車に乗る前」
「そうか。だからお前たちは騎士としてここに来ることができたのか」
グリフィン公爵は呟き「今回の私の敗因は、マリーという女性に溺れてしまったことだな」
「そのようですね。ですが、彼女は素敵な女性です。あなたが夢中になっても仕方ない」
ジルベルトは目を細めて、そう言った。
ジルベルトが彼女に駆け寄ろうとしたが、男が数人やってきてジルベルトとダニエルの身体を拘束した。
「やめてくれ」
マリーはその注射針を、拘束している彼女の右肩に刺した。彼女の目が大きく見開いたかと思うと、彼女の身体は崩れた。それをアンディが支える。中身が空になった注射器をマリーは放り投げた。それは宙に放物線を描いて落ち、カランと乾いた音を立てた。
「彼女に何をした」
体を押さえつけられながらもジルベルトの目はギラリと怒りで溢れている。
「ちょーっと、気持ちよくなれるお薬よ。でも、気を失ってしまったみたいね。目を覚ますのが楽しみだわ」
マリーはアンディの腕の中にいる彼女の頭を優しく撫でた。
「き、貴様」
男二人がかりで押さえているというのに、それを突き放すだけの力がどこにあるのだろう。
ジルベルトは一人に向かって右肘を振り上げた。それは見事、一人の顔面に当たった。痛みに耐えきれず顔を押さえる彼は、ジルベルトを押さえる手を離してしまった。一対一であれば、ジルベルトの方が有利だ。押さえつけている男は慌てて両肩に手を置こうとしたが、ジルベルトの方が動きは速かった。押さえられたところを軸にして身体を回転させ、その男に膝蹴りを与える。それは男のこめかみに命中し、そして吹っ飛んだ。
「ダニエル殿」
ダニエルに覆いかぶさっている男の背中を引っ張りあげ、無理やりこちらを向かせると、その顔面に頭突きを食らわせた。
残った一人は、ダニエルが蹴り上げてふらついたところを、さらに回し蹴りでその頭を狙う。ジルベルトとダニエルを押さえつけていた男たちは見事その二人によって、全員、気絶させられてしまった。
「あなたの部下、思ったより使えないのね」
はあ、とマリーは大きくため息をついた。
二対二。こちらに人質がいるとしても、相手は騎士団に所属する男が二人。分は悪い。そしてこちらが身構えるより先に、ジルベルトがマリーへとその手を伸ばした。
「お前だけは絶対に許さない」
彼女の細い首に両手をかける。ジルベルトの力でみるみると首を絞められるマリーは、言葉を発することなく、気を失った。そのまま床に落とされる。
「マリー」
グリフィン公爵は腕の力を抜いてしまった。だから彼女の身体がずるりと落ちる。だが彼女よりもマリーの方が大事だ。
「マリー」
彼女に近寄って左膝を床につき、その口元に耳を傾けると、呼吸が止まっているように感じる。
「き、貴様!! よくもマリーを」
グリフィン公爵はジルベルトを見上げ、ジルベルトはグリフィン公爵を見下していた。ジルベルトの後ろでダニエルが動く気配がした。倒れている彼女を介抱するのだろう。
「おい。大丈夫か」
と、彼女に声をかけている。「おい、ウェンディ、しっかりしろ」
ウェンディ、だと? このジルベルトの婚約者の名前はそんな名前だったか? あのパーティで二人そろって挨拶をしていたではないか。
そこでマリーがむくりと起き上がった。
「はい、ダニエル部長。そこで、本当の名前を呼んでしまうのは、諜報部としていかがなものでしょう?」
何かが違う。いつものマリーではない。
彼女はもうマリーという名の仮面をつけていないのだ。
「あ、あ。マリー?」
「残念ながら、マリーは死にました。あなたも確認したのでしょう? アンディ?」
その艶やかな微笑み方はまさしくマリー。だけど、話し方と仕草が何か、こう、違う。
「そうだ。マリーは息をしていなかった。このジルベルトに殺されたんだ。なのに、なぜ?」
「ごめんなさい、アンディ。私、死んだふりは得意なの」
「お前は、マリーじゃない。お前は、一体誰だ?」
グリフィン公爵は膝をついたまま、わなわなと身体を震わせていた。
「私? 私は」
あるときは酒場の店員、あるときは娼館の娼婦、あるときは高級レストランの料理人、でもその正体は。
という決め台詞とポーズを考えてダニエルに伝えたところ、あえなく却下されてしまったため、普通に名乗るしかない。
「第零騎士団諜報部レオン」
「な、な、マリーが諜報部だと?」
「正確には諜報部の私がマリーに扮していた、ですね。はい、リガウン団長、グリフィン公爵の拘束をお願いします」
マリーに扮していたレオン、つまりエレオノーラはすっと立ち上がると、気絶していた四人のうちの一人が起き出して逃げようとするところを追いかけた。
女の足で間に合うのかと思うところだが、彼女の足は速かった。逃げ出すそれに追いつくと、ジャンプと同時に回し蹴りでそれのこめかみを狙う。
回し蹴りはフランシア家の得意技なのか、と思いたくなるほど。
廃倉庫の周囲は、すでに第一騎士団で囲まれていた。
ジルベルトがグリフィン公爵を拘束し、ダニエルがその部下二人、エレオノーラに扮していたウェンディが部下一人、そしてマリーに扮していたエレオノーラが部下一人を拘束して、彼らを第一騎士団に引き渡した。
「グリフィン公爵。あなたを、薬の密売と誘拐の罪で拘束します」
ジルベルトはうなだれるグリフィン公爵に声をかけた。
「ジルベルト殿。貴殿が今日を共に過ごした女性は、婚約者ではなかった、ということか?」
「いえ。私は彼女と共に過ごしました」
「だったら、なぜ? いつ入れ替わったんだ?」
「劇場です。帰りの馬車に乗る前」
「そうか。だからお前たちは騎士としてここに来ることができたのか」
グリフィン公爵は呟き「今回の私の敗因は、マリーという女性に溺れてしまったことだな」
「そのようですね。ですが、彼女は素敵な女性です。あなたが夢中になっても仕方ない」
ジルベルトは目を細めて、そう言った。
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