43 / 46
43.結局スパダリと元腐女子ですか(9)
しおりを挟む
ミシミシと身体が二つに引き裂かれるような痛みに、ジーニアは耐えていた。下半身はぴったりと隙間なく彼と繋がっている。
――と、とうとう……。ヤってしまった……。
後悔とも悦びとも表現できない想いがジーニアの心の中でくすぶっている。
クラレンスはシリルのものであると思いながらも、クラレンスを受け入れてしまったのはジーニア自身だ。
「こちらに手を回せ」
クラレンスは首に巻きついているジーニアの手を優しく解くと、背中の方に手を回すようにその手首を取った。
「ジーン。まだ、痛むか?」
「いえ……」
不思議なことに彼が最奥に辿り着いた途端、痛みは消え去った。さらに、あれほど重いと感じていた体も不思議と軽く感じる。
――あぁ……。やっとあの呪いが解けたのね……。って、そしたらもう、終わりでいいわよね。
「あの、レンさま……」
そこでジーニアはクラレンスの背に回している腕に力を入れ、彼をぎゅっと引き寄せた。
「どうやら、呪いが解けたようです。このように、手足を自由に動かすことができます」
言いながらジーニアは、足をクラレンスの腰に巻き付けた。自由に動かせるようになったことを、彼に教えるために。
だが、そうしてしまったことで、ジーニアの中にある肉棒を締め上げてしまったらしい。
「じ、ジーン……。やめてくれ……」
「ですからレンさま。もう、私は大丈夫です……。その、抜いてもらっても……」
クラレンスはジーニアの呪いを解くために抱いたのだ。だからその呪いが解けた今、これ以上この行為を続ける必要は無いと、ジーニアは言いたかったのだ。
くっ、とクラレンスの顔は苦悶で歪む。
「き、君は……。どこまで私を翻弄すれば気が済むんだ。もう、遠慮はしない……」
「ひえぇっ」
クラレンスがジーニアの細腰を掴んだ。
「あっ……、ん、ふぅ……」
ジーニアの口からは次から次へと甘い声が溢れ出す。繋がった場所はぐちぐちと淫らな音を立てながら、彼の肉棒が行き来している。
――う、動いてる……。ひっ、ん、んん……。もう、無理……。
ジーニアの思考を奪うほど、彼が動くたびに気持ちのいいところを擦り上げていく。
だが、まだもどかしい気持ちもある。
「なんだ、ジーン。君も腰が動いているじゃないか」
いつの間にかクラレンスが強気になっていた。目尻に涙を溜めた目で、ジーニアは彼を見上げる。
「それに、君の中が私をきつく締め上げて、放そうとしない」
「あっ……、あっ……、あっ……」
彼の動きに合わせてジーニアの声も甘くなる。
次第に腹に埋もれている肉棒の質量が増していき、さらにジーニアの敏感なところを擦り、突き上げていく。
「はぁっ……、ンっ……」
涙を流し身体を揺らしながら、彼から与えられる悦楽に翻弄されているジーニアの身体を、クラレンスが優しく包み込んでいた。
だが、クラレンス自身も耐え切れなくなったのだろう。先ほどよりも、腰の動きを速めてくる。
「あっ……、はぅ……ン……」
パンパンと肌がぶつかる乾いた音。ぐちゅぐちゅと結合した部分から聞こえる淫らな水音。そして、ジーニアの甘い声とクラレンスの荒い息遣い。
クラレンスの指の腹がジーニアの肉芽に触れ、優しく撫でまわす。
――な、何してるの? 一緒はダメだって……
「んっ……。あ、あぁああああああっ……」
クラレンスが与えてくれた快楽によって、全身が弾けたジーニアは、埋もれている彼をぎゅうぅと締め上げる。
「私も、限界だ……」
うっと呻いたクラレンスの熱が、ジーニアのお腹の中で放たれた。ぐぐっと二度ほど腰を押し付けてきたクラレンスだが、ジーニアをそっと抱き寄せる。
「ジーン。愛している……。いつも私のことを気にかけてくれた君のことを、私は……っ」
クラレンスがそこで言葉を止めたのは、ジーニアが彼の口を塞いだからだ。
ジーニアからの優しい口づけ。それが彼女の出した答え。
ゆっくりと二人の唇は離れる。
「ジーン……」
「レン様。私もレン様のことをお慕いしております……」
いつからだなんてわからない。
気が付けば気になっていたのだ。クラレンスのことが。目の保養とクラレンスが与えてくれる安心感は別物だった。
クラレンスはシリルのものだというブレーキが、彼女の中で働いていただけ。それが外れてしまった今、クラレンスに本音を隠す必要は無い。
「泣いているのか?」
クラレンスの言葉でジーニアは自分がぽろぽろと涙を流していたことを知った。
「い、痛かったのか?」
目の前のクラレンスが焦り始めた。初めては痛いという、それを気にしてくれているのだろう。
「い、いえ……。レン様に自分の気持ちを伝えることができた悦びです……」
それはジーニア自身が自分の気持ちに気づいた驚き。何しろ、言葉を発することが可能になった時点で、拒否することだってできたのだ。
だが、それを受け入れたのはジーニア自身による意思。彼とこうなることが嫌ではなかった。そして、どこかでこうなることを望んでいた。
――と、とうとう……。ヤってしまった……。
後悔とも悦びとも表現できない想いがジーニアの心の中でくすぶっている。
クラレンスはシリルのものであると思いながらも、クラレンスを受け入れてしまったのはジーニア自身だ。
「こちらに手を回せ」
クラレンスは首に巻きついているジーニアの手を優しく解くと、背中の方に手を回すようにその手首を取った。
「ジーン。まだ、痛むか?」
「いえ……」
不思議なことに彼が最奥に辿り着いた途端、痛みは消え去った。さらに、あれほど重いと感じていた体も不思議と軽く感じる。
――あぁ……。やっとあの呪いが解けたのね……。って、そしたらもう、終わりでいいわよね。
「あの、レンさま……」
そこでジーニアはクラレンスの背に回している腕に力を入れ、彼をぎゅっと引き寄せた。
「どうやら、呪いが解けたようです。このように、手足を自由に動かすことができます」
言いながらジーニアは、足をクラレンスの腰に巻き付けた。自由に動かせるようになったことを、彼に教えるために。
だが、そうしてしまったことで、ジーニアの中にある肉棒を締め上げてしまったらしい。
「じ、ジーン……。やめてくれ……」
「ですからレンさま。もう、私は大丈夫です……。その、抜いてもらっても……」
クラレンスはジーニアの呪いを解くために抱いたのだ。だからその呪いが解けた今、これ以上この行為を続ける必要は無いと、ジーニアは言いたかったのだ。
くっ、とクラレンスの顔は苦悶で歪む。
「き、君は……。どこまで私を翻弄すれば気が済むんだ。もう、遠慮はしない……」
「ひえぇっ」
クラレンスがジーニアの細腰を掴んだ。
「あっ……、ん、ふぅ……」
ジーニアの口からは次から次へと甘い声が溢れ出す。繋がった場所はぐちぐちと淫らな音を立てながら、彼の肉棒が行き来している。
――う、動いてる……。ひっ、ん、んん……。もう、無理……。
ジーニアの思考を奪うほど、彼が動くたびに気持ちのいいところを擦り上げていく。
だが、まだもどかしい気持ちもある。
「なんだ、ジーン。君も腰が動いているじゃないか」
いつの間にかクラレンスが強気になっていた。目尻に涙を溜めた目で、ジーニアは彼を見上げる。
「それに、君の中が私をきつく締め上げて、放そうとしない」
「あっ……、あっ……、あっ……」
彼の動きに合わせてジーニアの声も甘くなる。
次第に腹に埋もれている肉棒の質量が増していき、さらにジーニアの敏感なところを擦り、突き上げていく。
「はぁっ……、ンっ……」
涙を流し身体を揺らしながら、彼から与えられる悦楽に翻弄されているジーニアの身体を、クラレンスが優しく包み込んでいた。
だが、クラレンス自身も耐え切れなくなったのだろう。先ほどよりも、腰の動きを速めてくる。
「あっ……、はぅ……ン……」
パンパンと肌がぶつかる乾いた音。ぐちゅぐちゅと結合した部分から聞こえる淫らな水音。そして、ジーニアの甘い声とクラレンスの荒い息遣い。
クラレンスの指の腹がジーニアの肉芽に触れ、優しく撫でまわす。
――な、何してるの? 一緒はダメだって……
「んっ……。あ、あぁああああああっ……」
クラレンスが与えてくれた快楽によって、全身が弾けたジーニアは、埋もれている彼をぎゅうぅと締め上げる。
「私も、限界だ……」
うっと呻いたクラレンスの熱が、ジーニアのお腹の中で放たれた。ぐぐっと二度ほど腰を押し付けてきたクラレンスだが、ジーニアをそっと抱き寄せる。
「ジーン。愛している……。いつも私のことを気にかけてくれた君のことを、私は……っ」
クラレンスがそこで言葉を止めたのは、ジーニアが彼の口を塞いだからだ。
ジーニアからの優しい口づけ。それが彼女の出した答え。
ゆっくりと二人の唇は離れる。
「ジーン……」
「レン様。私もレン様のことをお慕いしております……」
いつからだなんてわからない。
気が付けば気になっていたのだ。クラレンスのことが。目の保養とクラレンスが与えてくれる安心感は別物だった。
クラレンスはシリルのものだというブレーキが、彼女の中で働いていただけ。それが外れてしまった今、クラレンスに本音を隠す必要は無い。
「泣いているのか?」
クラレンスの言葉でジーニアは自分がぽろぽろと涙を流していたことを知った。
「い、痛かったのか?」
目の前のクラレンスが焦り始めた。初めては痛いという、それを気にしてくれているのだろう。
「い、いえ……。レン様に自分の気持ちを伝えることができた悦びです……」
それはジーニア自身が自分の気持ちに気づいた驚き。何しろ、言葉を発することが可能になった時点で、拒否することだってできたのだ。
だが、それを受け入れたのはジーニア自身による意思。彼とこうなることが嫌ではなかった。そして、どこかでこうなることを望んでいた。
25
お気に入りに追加
1,456
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる