BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに

澤谷弥(さわたに わたる)

文字の大きさ
上 下
41 / 46

41.結局スパダリと元腐女子ですか(7)

しおりを挟む
 クラレンスの手が胸から腹に、腹から腰にと、次第に移動していく。腰から太腿を撫であげながら、その手は足の間へと伸びていき、下着の上からそっと割れ目に触れた。

「ひゃっ……」

 今まで感じたことのない刺激が、ジーニアを襲った。動かない足が、ぴくっと震えたようにも感じた。
 クラレンスの唇の位置も次第に下の方へずれていく。チュ、チュと音を立てながらきつく吸われる。

「ジーンは肌が白いから、よく映える」
 一度唇を放した彼が見つめているのは、ジーニアの身体に残る鬱血痕。
「そろそろこちらも見せて欲しい……」
 クラレンスの手が、秘部を隠している下着に伸びた。

 ――だから。クラレンス様、脱がせるのが上手すぎる……。

 ジーニアを隠すものは全て取り払われてしまう。クラレンスも自身のシャツに手をかけると、ゆっくりとボタンを取り外していく。
 最後のボタンを外し、シャツを脱いだクラレンスのしなやかで鍛えられている肢体がジーニアの目の前に現れた。

 ――うぅ。触りたい。あの腹筋に触りたい……。

 半分、思考が蕩けかかっているジーニアがそう思ってしまうほど、クラレンスの上半身は引き締まっているソフトマッチョタイプであった。
 クラレンスはジーニアの足の間に身体を滑り込ませてきた。そのまま両手で彼女の膝に手をかけ、それを立てるようにゆっくりと動かしてくる。

「痛くはないか?」

「はい……」
 自身で身体を動かすことはできないが、関節が固まっているわけではない。だから、クラレンスがそうやって動かす分にはなんら問題はないのだ。
 だがジーニアは気づいた。両膝をそこまで曲げてしまったら、大事なあそこが丸見えであることに。いや、これからそういった行為に及ぶわけだから、いずれは見られてしまうわけだけど。
 いや、だが、しかし――。
 身体の自由が利かないうちに丸っと見られてしまうのは、どうなのだろう。

 クラレンスの顔が秘部に近づいてくる。じっとジーニアの恥ずかしい場所を見つめながら、指を這わす。
 くちっと、淫らな音が響いた。まだ閉じ切っている花弁であるはずなのに、なぜか少しは濡れているようだ。

「まだ、硬いな」

 蜜口の周りを解すかのように、指でくるくると撫でまわす。

「はっ……。あ、ん……」
 快楽なのかもどかしさなのか。初めての感覚にジーニアは戸惑いを覚える。ぎゅっと手足の指先に力が入った。

「少し、馴染んできたようだな」
 クチュクチュと先ほどよりも、滑らかな淫音が聞こえてくる。
 ジーニアは下腹部に熱が膨らんでいくような感覚に襲われていた。その熱を冷まして欲しくて、どこかもどかしい想いさえある。

 蜜口の周囲を撫でていたクラレンスの指が、つぷっと内側に入ってくる。泥濘ぬかるみの浅い内側を探られる感覚に、ジーニアの口から甘い声が漏れ始める。

「はっ……。あぁ……」

「君は、どこもかしこも慎ましいな……」

 クラレンスの息が恥ずかしい場所に触れると、それすらジーニアにとっては小さな快楽の種となる。

「ひゃっ……」
 ジーニアは腰を引いて逃げたくなったのは、秘めたる芽にクラレンスの舌が触れたからだ。
「んっ……、や、やめっ」

 肉芽は彼の愛撫によって次第にその存在を主張し始めている。その度に、中からどろりとした愛液が溢れ出す感覚があった。

 恥ずかしくて顔を隠したいのに、まだ手は自由に動かない。彼の手によって開かれた足を閉じることなどできない。
 微かに動く彼女の指先が、シーツに皺を作った。
 チロチロと肉芽を愛撫されるたびに、ジーニアを襲う快楽の波が高くなっていく。
 襞肉を掻き回され、芽は舐められ転がされる。
 ぐちゅぐちゅと水音が先ほどよりも淫猥に聞こえ、それすら快楽の波を高めていく。

「……っ、あ、あぁっ……」

 肉芽をちゅぅっと吸い上げられた瞬間、とうとう快楽の波は防波堤を超えてジーニアの全身に襲い掛かった。強烈な刺激で弛緩し、頭の中が真っ白になってはじけ飛んだ。

 ――気持ちが良すぎて、変になりそう……。

 ジーニアは荒く息を吐く。

「君の中が蠢いて、私を誘っているようだ」

 足の間から顔をのぞかせたクラレンスは、ジーニアの愛液によって濡れそぼった指を口に含んでいた。
 愉悦に満ちているクラレンスの顔に、少し恐怖を覚え、ジーニアはシーツを掴む。

 ――あ……、動く……。もしかして、イっちゃったから?

 どうやらクラレンスも気付いたようだ。

「ジーン、動けるようになったのか?」

「少しだけ……」
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王子殿下の慕う人

夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】 エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。 しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──? 「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」 好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。 ※小説家になろうでも投稿してます

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。

朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。 宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。 彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。 加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。 果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!

柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

処理中です...