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「冗談だ……。ティナには嫌われたくないからね」
「嫌いになんか……」
 言葉の続きは、シーグルードの口の中に飲み込まれた。彼はアルベティーナの腰を持ち上げると、自分の膝の上にのせようとする。
「足を開いて……。私の上に跨って……」
 まるでシーグルードと向かい合うかのようにして、彼の足の上にアルベティーナの腰がおりた。滴り落ちる蜜が、彼のトラウザーズを濡らす。
「やっ……。恥ずかしい……」
 乱れたドレス。脱がされた下着。開かれた足。それが全てシーグルードの前に曝け出されている。
「大丈夫。恥ずかしいことなんて、何もない。可愛いだけだから」
 シーグルードは軽く微笑むと、アルベティーナに深く口づけながら、右手で下衣をくつろげ、硬くなった男根を取り出した。
 名残惜しそうに唇を解放し、アルベティーナ
「ティナ。少し腰をあげて。私の上に……」
 くちゅ、と性器同士が触れる。恐る恐るアルベティーナは腰をあげた。
「そう……。そのまま、私の上に……」
 シーグルードが優しく言葉をかける。彼から与えてられた快楽によって、身も心も蕩けだしているアルベティーナは、素直にその言葉に従う。
「んっ……、ふっ、ん……」
 熱い切先が、狭くて淫猥な入り口に触れた。
「そう……。そのまま、腰をおろして……」
 ソファの上で膝を立てているアルベティーナは、シーグルードの言葉に導かれるようにしてゆっくりと腰をおろす。
「はっ……」
 熱い男根が、アルベティーナの中に沈んでいく。
「全部、入ったな……」
 不安定な恰好であるため、アルベティーナは彼の首元にしがみつく。
「ティナ……」
 熱い息を吐きながら、シーグルードもアルベティーナの腰に手を回す。
「動いて……」
「もうちょっと、このままで……」
 久しぶりに繋がった挙句、このような体位も初めてで、アルベティーナは快楽に満たされていた。少しでも動けば、それが弾けそうになるほど。
「私を焦らしているのか?」
「ちがっ……、く、ん……」
 シーグルードが小刻みに下から突き上げてくる。
「ひゃっ……、あぁ……」
「ティナが自分から動くのは、難しそうだね」
 繋がったままソファに押し倒された。
「んっ……はぅ……」
 硬い肉棒が、アルベティーナの中を擦り上げていく。
「あっ……あっ……」
 シーグルードの腰がゆるゆると動き始めると、アルベティーナから零れる声はさらに甘くなる。
 彼が動くたびに胸がふるふると震え、彼女は彼が与える快楽に身を委ねる。
 奥を突かれるたびに、中からは甘い蜜が溢れ出てくる。
「だめ……、ルディ、激しい……」
「すまない……。だが、私もやめられない」
 シーグルードの動きが激しさを増す。彼が動くたびに、繋がった部分からはぐちゅぐちゅと淫猥な音が聞こえる。
「ルディ……」
 アルベティーナはしっかりとシーグルードの首に手を回す。
「ティナ、ティナ……」
 汗を滴らせながら、シーグルードが最奥を突いてくる。
「あぁっ」
 目の前の彼が欲しい。シーグルードが愛おしい。彼と一つに溶け合いたい。
 アルベティーナが絶頂を迎えてもなお、シーグルードの動きは止まらない。
 うねる肉襞に絡み取られながら、アルベティーナの奥に吐精する。
 ぎゅっとシーグルードの背に手を回していた彼女の手に力が入り、奥で彼を感じると、ぴゅくぴゅくとお腹の中で震えていた。
「ティナ……。愛してる……」
 震える声でシーグルードが呟く。アルベティーナはそれに応えるかのように、またぐっと回している腕に力を込める。
 今は、離れたくない。こうして、体温を感じていたい。
「ルディ……、『強暴姫』だからって、嫌いにならないでね……」
「ならない……」
 シーグルードも力を込めて、アルベティーナを抱き締める。
 彼が与えてくれる体温に身を委ねると、次第に瞼が重くなる。『婚約の儀』に始まり、婚約パーティ。そして、アルベティーナの出生の秘密。
 思い返しただけでも、内容の濃い一日だった。それでもシーグルードの腕の中に抱かれれば、ほっと心が落ち着いていく。
「ティナ。こんなところで、そんな恰好で眠るなよ。風邪をひく」
 そんなシーグルードの声が聞こえてきたような気がした。
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