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再び寝台の上にいるアルベティーナであるが、今までの行為を思い出し両手で顔を覆っていた。
(完璧に流されている……)
シーグルードから求められてしまうと、身体が勝手に開いてしまう。今は、この状況を整理して理解することが必要であるとわかっているはずなのに。
(結局、好きだと思っていた団長が、シーグルード殿下だったなんて……)
しかもよりによって、その本人に向かって「純潔を奪って欲しい」とまで口走っている。冷静にならなければ、と思えば思うほど恥ずかしさが込み上げてくる。
「ああ、ティナ。待たせてしまって悪かった。お腹が空いただろう?」
アルベティーナがそうやって一人で悩んでいるとき、食事のワゴンを押しながら部屋に入ってきたのはシーグルードである。
「し、シーグルード様……。シーグルード様自らそのようなことを……」
アルベティーナが慌てて寝台から降りようとすると、足がもつれて転びそうになってしまう。シーグルードが慌てて駆け寄り、彼女の身体を支えた。
「大丈夫か? 私の子が宿っているかもしれないのだから、気をつけなさい」
アルベティーナはシーグルードの腕の中で彼の顔を見上げた。昨日のことを考えると、彼の言っていることは正しい。避妊薬を飲まなかった。つまり、避妊をしなかった。
「シーグルード様……」
アルベティーナが声をあげたのは、その身体がふわりと浮いたからだ。シーグルードはアルベティーナの身体を抱きかかえると、彼女をソファの方へと連れていく。ソファも白が基調としてあるデザインで、細かな花柄の刺繍が施されている。そのソファの上におろされるのかと思いきや、彼女がおろされたのはシーグルードの膝の上だった。
「シーグルード様……。私、一人で座ることができますから」
「私が君と触れていたいのだよ。それに、君に名前を呼ばれるのは心地よい」
シーグルードは食事のワゴンに手を伸ばし、それを引き寄せる。
「ティナは、これが好きだったよね」
シーグルードが手にしたのは、ポタージュだ。アルベティーナがポタージュを好きであることは事実であるが、なぜシーグルードがそれを知っているのかがわからない。
「あっ、シーグルード様、……んぐっ」
アルベティーナの言葉を遮るかのように、シーグルードは彼女の口の中にスプーンを押し込んだ。
「美味しいかい?」
口を開くことができないアルベティーナはこくこくと頷くことしかできない。シーグルードは次から次へと料理を手にしては、アルベティーナの口元まで運んでくる。渋々とアルベティーナはそれを受け入れていた。だが、そうやって食事をしていても、永遠と食べられるわけではない。
「もう、お腹がいっぱいです」
「そうかい?」
シーグルードは、残念そうにアルベティーナを見つめてから、食事を片付け始めた。しかもアルベティーナを膝の上にのせたまま。
「あの、シーグルード様」
シーグルードが一方的に彼女をかまっているため、アルベティーナは聞きたいことを聞けずにいた。だが、今なら聞けるかもしれない。
「その……。昨日、避妊は」
「ああ、しなかったな。私は君との間に子を授かることを望んでいる」
シーグルードはアルベティーナの腹部に触れ、優しく撫で上げる。
「それに先ほども……。まあ、そういうわけだから、ティナには一か月はここにいてもらう必要がある」
それをわかっていながら先ほどもアルベティーナを抱いたシーグルードは確信犯なのだろう。だからこそ、アルベティーナも対抗したい気持ちになる。
「でしたら、今日から一か月。殿下は私を抱かないということで、よろしいでしょうか?」
「いや、それは……」
なぜかシーグルードが顔を赤く染めながら、口ごもっていた。
「好きな女性が側にいるのに、その、抱くことができないというのは、拷問というか、なんというか……」
「冗談です」
「では、私は君を抱いてもいいのだろうか」
シーグルードがアルベティーナの首元に顔を埋めた。すんすんと匂いを嗅がれているような気がする。
(完璧に流されている……)
シーグルードから求められてしまうと、身体が勝手に開いてしまう。今は、この状況を整理して理解することが必要であるとわかっているはずなのに。
(結局、好きだと思っていた団長が、シーグルード殿下だったなんて……)
しかもよりによって、その本人に向かって「純潔を奪って欲しい」とまで口走っている。冷静にならなければ、と思えば思うほど恥ずかしさが込み上げてくる。
「ああ、ティナ。待たせてしまって悪かった。お腹が空いただろう?」
アルベティーナがそうやって一人で悩んでいるとき、食事のワゴンを押しながら部屋に入ってきたのはシーグルードである。
「し、シーグルード様……。シーグルード様自らそのようなことを……」
アルベティーナが慌てて寝台から降りようとすると、足がもつれて転びそうになってしまう。シーグルードが慌てて駆け寄り、彼女の身体を支えた。
「大丈夫か? 私の子が宿っているかもしれないのだから、気をつけなさい」
アルベティーナはシーグルードの腕の中で彼の顔を見上げた。昨日のことを考えると、彼の言っていることは正しい。避妊薬を飲まなかった。つまり、避妊をしなかった。
「シーグルード様……」
アルベティーナが声をあげたのは、その身体がふわりと浮いたからだ。シーグルードはアルベティーナの身体を抱きかかえると、彼女をソファの方へと連れていく。ソファも白が基調としてあるデザインで、細かな花柄の刺繍が施されている。そのソファの上におろされるのかと思いきや、彼女がおろされたのはシーグルードの膝の上だった。
「シーグルード様……。私、一人で座ることができますから」
「私が君と触れていたいのだよ。それに、君に名前を呼ばれるのは心地よい」
シーグルードは食事のワゴンに手を伸ばし、それを引き寄せる。
「ティナは、これが好きだったよね」
シーグルードが手にしたのは、ポタージュだ。アルベティーナがポタージュを好きであることは事実であるが、なぜシーグルードがそれを知っているのかがわからない。
「あっ、シーグルード様、……んぐっ」
アルベティーナの言葉を遮るかのように、シーグルードは彼女の口の中にスプーンを押し込んだ。
「美味しいかい?」
口を開くことができないアルベティーナはこくこくと頷くことしかできない。シーグルードは次から次へと料理を手にしては、アルベティーナの口元まで運んでくる。渋々とアルベティーナはそれを受け入れていた。だが、そうやって食事をしていても、永遠と食べられるわけではない。
「もう、お腹がいっぱいです」
「そうかい?」
シーグルードは、残念そうにアルベティーナを見つめてから、食事を片付け始めた。しかもアルベティーナを膝の上にのせたまま。
「あの、シーグルード様」
シーグルードが一方的に彼女をかまっているため、アルベティーナは聞きたいことを聞けずにいた。だが、今なら聞けるかもしれない。
「その……。昨日、避妊は」
「ああ、しなかったな。私は君との間に子を授かることを望んでいる」
シーグルードはアルベティーナの腹部に触れ、優しく撫で上げる。
「それに先ほども……。まあ、そういうわけだから、ティナには一か月はここにいてもらう必要がある」
それをわかっていながら先ほどもアルベティーナを抱いたシーグルードは確信犯なのだろう。だからこそ、アルベティーナも対抗したい気持ちになる。
「でしたら、今日から一か月。殿下は私を抱かないということで、よろしいでしょうか?」
「いや、それは……」
なぜかシーグルードが顔を赤く染めながら、口ごもっていた。
「好きな女性が側にいるのに、その、抱くことができないというのは、拷問というか、なんというか……」
「冗談です」
「では、私は君を抱いてもいいのだろうか」
シーグルードがアルベティーナの首元に顔を埋めた。すんすんと匂いを嗅がれているような気がする。
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