隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~

澤谷弥(さわたに わたる)

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 また、頭がぼんやりとしてきてしまう。彼は一度唇を離すと、おでこ、まぶた、頬と顔中に口づけを落とし、鎖骨や胸元にも赤い印を残していく。
 その間もアルベティーナは、自身から溢れる蜜がお尻まで伝っていく感覚があった。先ほど、一度達してしまったからか、ルドルフに触れられるだけで、奥からどっと蜜が染み出してくる感覚がある。
「先ほどよりも、柔らかくなった感じがするな。そんなに俺が欲しいのか?」
 彼の言葉でまた彼女の身体が引き締まる。
 ルドルフは一度指を抜き、てらてらと光るその指を彼女の前に見せつけた。
 アルベティーナは彼の指を汚している液体が、自分のものであることにいささか信じられなかった。だが、身体が喜んでいるのは事実だ。
 ルドルフは、アルベティーナが中途半端に袖を通していたガウンを脱がせる。彼女も背をよじって、素直にそれに従う。パサリとガウンが投げ出された。
 何も身に着けていないアルベティーナを見下ろすルドルフは、満足そうに笑っている。
(中途半端な灯りが、余計に恥ずかしい……)
 涙の滲む眼差しで、ルドルフの顔に視線を向ける。それが合図になったかのように、彼はアルベティーナの足を、もう一度大きく開いた。下着を寛げて、屹立した己を取り出している。ずっと隠していたのは、アルベティーナに恐怖心を植え付けさせないためだったのだろうと勝手に彼女は思っていた。
 ひたっと指とは違う何かが、秘所に押し当てられた感覚があった。
「何だ? 見たいのか?」
 先ほどからルドルフはいじわるなことしか口にしない。アルベティーナは強張った表情のまま、答えない。ルドルフが苦しそうに顔を歪めた。
 ぐちっと何かがアルベティーナの隘路に押し入ってきた。
「はっ……んんっ……」
 いくら中を解され指で慣らされたとしても、屹立した男根はそれ以上のものだった。
「力を抜け……」
「む、無理……」
 ルドルフがアルベティーナの手を掴み、優しく口づけを落とす。
「息を吐け……」
「んっ」
 苦しくて、一言頷くことしかできない。目尻から溢れそうになる涙を、ルドルフが唇で吸い上げる。
「お前は、涙も甘い……」
 耳元でルドルフに囁かれてしまうと、なぜか心がぐ。
「ゆっくり、息を吐け」
 彼の声に促されるように、アルベティーナは大きく息を吸って、ゆっくりと息を吐いた。
 身体を引き裂くような痛みが、下半身を襲う。だが、それに耐えられるのはその痛みを与えているのが、ルドルフだからだ。
「だ、団長……」
「名前で呼べ、ルディと」
「ルディ……」
「ティナ、いい子だ」
 ルドルフが優しく笑んでから、耳朶を食む。
「んっ」
 それすらアルベティーナにとっては快楽の刺激となり、ふっと力が抜けた。ルドルフはその隙を見逃すはずもなく、ぐぐっと腰を押しすすめた。
 下腹部が隙間なくぴったりと重なる。
「全部、入ったぞ……」
 ルドルフの吐く息が熱い。
「痛むか?」
 頷いたアルベティーナは「もう少し、このままで」とルドルフの背に手をまわして答える。ルドルフもアルベティーナの首元に顔を埋める。熱を孕んだ吐息が首筋に触れる。
「ルディも痛いの?」
 下腹部がじんじんとしているが、それも先ほどよりは和らいでいる。
「痛くはないが、辛い……。お前の中が、気持ち良すぎる……」
「どうぞ……。動いてください」
 アルベティーナが口にすると、ルドルフは顔をしかめる。
「お前は……。俺を煽っているのか?」
「ち、違います」
 必死で言い訳をしようと、首を振ると、またルドルフがうっと呻く。どうやらアルベティーナが無意識のうちに、身体に力を込めてしまったらしい。なかに埋もれている彼を、締め上げてしまったようだ。
「お、お前……」
 アルベティーナを見つめるルドルフの瞳には、皮肉の色が灯る。これは、アルベティーナを啼かせてやろうという、意地悪めいた色だ。
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