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 恐らくルドルフには気付かれてしまったのだろう。口づけをしながらも、ふっと鼻で笑っている。
 彼は閉じ切ったアルベティーナの唇をこじ開けるかのように、唇を食み始めた。
「ふぁっ……」
 息苦しくなり、言葉と共に唇を薄く開けた瞬間、ルドルフの舌が口腔内を舐めとった。奥に縮こまっていたアルベティーナの舌は、ルドルフによって絡めとられてしまう。
「んっ……。はぁ……」
 深い口づけが、こんなに気持ちいいものとは知らなかった。アルベティーナの口腔内で暴れ回っているルドルフの舌が、感じるところを繊細に攻め立ててくるのだ。ぴくっと、アルベティーナは肩を震わせる。
(な、何……。今の感覚……)
 いつの間にか、ルドルフの両手がアルベティーナの頬に添えられていた。まるで食べられてしまうんじゃないかと思えるくらい、彼の口づけによって思考がとろけていく。
 名残惜しそうにルドルフが唇を離すと、銀の糸が二人を繋ぎ、それがぷつっと途切れる。
「なんだ、気持ちよさそうな顔をしやがって」
 唇を舐めながら、ルドルフはアルベティーナを見下ろしていた。
「だが、これだけで呆けられては困るな」
 ルドルフの右手が、ガウンの合わせ目からアルベティーナの肌に直接触れてくる。鎖骨をなぞり、そのまま膨らみへ。
「くぅ……、ん……」
 敏感な先端に触れられた時、思わず声が漏れた。その声を耳にした彼は、満足そうに微笑みながら、左手も使ってガウンの前をはだけさせる。
 アルベティーナの豊かな胸が、外気に晒された。
(恥ずかしい。見られてる)
 彼女が腕を動かそうとすると、すかさずルドルフの左手がそれを捕らえる。
「隠すなよ……」
 そのまま彼はアルベティーナの左胸を大きく口に含み、空いている手でもう片方の胸を大きく包む。
「ひゃっ……」
 予想していなかった刺激に、ルドルフの身体の下にある腰が思わず揺れ、寝台もその振動で跳ねた。
 胸を弄られているだけなのに、アルベティーナの下腹部はくすぐったいような感じがしてむずむずとし始めていた。それでも、胸の先端の敏感な部分を唇で食まれたときは、ピリッと身体に熱が走り抜ける。
 彼の手によって淫らに形を変えている胸の方からも、刺激が伝わってくる。
「あぁっ……。んっ……」
 呼吸が荒くなってきているのは、その淫らな行為をされて恥ずかしいからなのか、緊張しているからなのかはわからない。ただ、吐く息が熱を帯び始めている。
 胸を弄っていた彼の手は、脇腹をなぞり、腰を撫で上げた。前のはだけたガウンなど、アルベティーナの身体を隠す役割を放棄している。
 胸元を貪っていたルドルフも、次第に下へとおりていく。そのまま、胸の谷間をきつく吸い上げ、舌を這わせながら腹部の方へ。臍の周りも舌を這わせて舐め上げていく。
「お前は肌が白いから、きつく吸っただけですぐに跡がつく」
 彼の声さえも、アルベティーナを快楽にいざなう。片手はルドルフに押さえつけられているが、もう片方の手で彼の肩を掴んだ。ルドルフはそれに気付いたようだが、彼の態度は何も変わらない。執拗にアルベティーナの腹部を舐め回し、下着の上から秘所を弄ろうとしている。
「ふぅっ、ん……」
 ルドルフが触れる全ての場所が気持ちよく感じてしまう。
「腰を浮かせ」
 ルドルフはアルベティーナの腹部に熱い息と共に、言葉を吐き出す。彼女はそれに素直に従い、腰をあげた。
 アルベティーナの腕が解放された。するりとルドルフの手が下着を奪い去った。そして、アルベティーナの足を大きく開くと、その間に身体を滑り込ませてくる。これで彼女が足を閉じることなどできなくなったしまった。
 下着を奪われ、恥ずかしく足を広げられてしまったことで、少しだけ濡れている敏感なところにひんやりとした空気が触れた。触れられてもいないのに、ルドルフに見られている事実によって、下腹部が疼く。
 ルドルフの両手は、アルベティーナの膝にかけられたまま。
「んっ……ぁ、あっ……いや……」
 ぬるりっと秘所を舐められた。どこを掴んでいいかわからない不安定な手で、アルベティーナがガウンを握りしめる。
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