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聖女(6)*
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まさか、他の人に今までの行為を見られていた?
ぱっと顔をあげると、身体を起こしているニールと目が合った。
(え? な、なんで?)
彼は今まで手足に枷をつけられ、身体の自由を奪われていたはずではないのか。それに口枷すらなくなっている。
「聖女よ」
唇だけが異様に艶めいて見えた。
「お前のおかげで、やっと魔力制御を取り戻せたよ……」
魔力制御を取り戻すとは、自分の意思によって魔力を自在に操れる、ようするに魔法を使うのが可能になったということである。
「え? 口枷は……」
「俺ほどの魔導士となれば、詠唱なくとも魔法は使える」
その言葉にガツンと頭を殴られたような衝撃を覚えた。
ミロはなんと言っていたか?
ニールが魔法を使えなくなったとは言っていない。ただ、激しい興奮状態に陥っており、自我を失い暴れていると。それを阻止するために、四肢の自由を奪い、無闇に魔法の詠唱をさせないように口枷をした。
さらにその状態が長く続けば、命を失ってしまうと。
となれば、目の前にいる彼はその自我を取り戻した彼であり、他の者に害をなさない彼である。
「では、私の役目はおしまいですね」
アズサはにこぉっと笑って、ニールからおりようとした。しかし、彼女の腰にがっとニールの両手が回される。
「残念ながら、まだ終わりじゃないんだな。悪いが、最後まで責任を取ってもらおう。俺をこのようにした責任をな」
パチンとニールが指を鳴らすと、アズサが着ていた聖女のローブは瞬く間に無くなってしまう。
「えっ?!」
彼女が驚くのも無理はない。着ている物がなくなったら、真っ裸である。そう、だから今、アズサは全裸なのだ。
「ミロから聞いただろう? 魔物の毒素によって、俺が興奮状態に陥り自我を失っていた、と」
「え、えぇ……」
いつの間にか身体を起こしている彼とは性交渉における対面座位的な位置関係にある。ナニが入っておらず、アズサの前にそそり立っているのが、それとの違いだろう。
「お前と俺の体液が交じり合って、その毒素が薄れた」
口淫によって彼の体液とアズサの唾液は交じり合った。
「そ、それはようございましたね……。となれば、私の役目は終わったはずですよね? この手はなんですか? 離してください」
ふっと、彼は鼻で笑った。
「離すわけがないだろう? これからお前は、俺のためにまぐわってくれるんじゃないのか? お前が入れやすいようにと、俺のここを濡らしてくれたのだろう?」
彼の視線が下を向いた。アズサも釣られて下を見る。
衰えない彼の彼は勢いが増しているし、アズサの唾液によって美味しそうに輝いている。
「それは……。アンヒム団長が死ぬかもしれないからと聞いたからです。ですが、まぐわう前に治ったのであれば、まぐわう必要はありませんよね?」
あれだけ彼を征服してやりたいと思った気持ちは、一気に萎えている。
可愛らしかったのに、いじらしかったのに、その彼はもういない。
「残念ながら、あれだけの体液の交わりだけではすべての毒素は抜けきらないんだ。俺を死なせたくないんだろう?」
唇をペロリと舐める姿を見せつけられたら、ぞくぞくと肌が粟立った。
「それに、俺にまたがっているようだが……。先ほどから、俺の足を濡らしているものがあるんだよな」
(ば、バレた!!)
全裸だから仕方ない。それに、アズサの手によって悶えているニールを見ていたら、興奮したのも事実。
「そ、それは失礼いたしました。すぐに、お拭きしましょう」
「いや、拭く必要はない。お前の体液は、俺にとっては解毒剤だからな」
ニタリと笑っている。
(こ、怖い……)
「まずは、たっぷりと礼を尽くさねばならないな」
「ひっ」
アズサは息を呑んだ。
ニールの整った顔が近づいてくる。
ぱっと顔をあげると、身体を起こしているニールと目が合った。
(え? な、なんで?)
彼は今まで手足に枷をつけられ、身体の自由を奪われていたはずではないのか。それに口枷すらなくなっている。
「聖女よ」
唇だけが異様に艶めいて見えた。
「お前のおかげで、やっと魔力制御を取り戻せたよ……」
魔力制御を取り戻すとは、自分の意思によって魔力を自在に操れる、ようするに魔法を使うのが可能になったということである。
「え? 口枷は……」
「俺ほどの魔導士となれば、詠唱なくとも魔法は使える」
その言葉にガツンと頭を殴られたような衝撃を覚えた。
ミロはなんと言っていたか?
ニールが魔法を使えなくなったとは言っていない。ただ、激しい興奮状態に陥っており、自我を失い暴れていると。それを阻止するために、四肢の自由を奪い、無闇に魔法の詠唱をさせないように口枷をした。
さらにその状態が長く続けば、命を失ってしまうと。
となれば、目の前にいる彼はその自我を取り戻した彼であり、他の者に害をなさない彼である。
「では、私の役目はおしまいですね」
アズサはにこぉっと笑って、ニールからおりようとした。しかし、彼女の腰にがっとニールの両手が回される。
「残念ながら、まだ終わりじゃないんだな。悪いが、最後まで責任を取ってもらおう。俺をこのようにした責任をな」
パチンとニールが指を鳴らすと、アズサが着ていた聖女のローブは瞬く間に無くなってしまう。
「えっ?!」
彼女が驚くのも無理はない。着ている物がなくなったら、真っ裸である。そう、だから今、アズサは全裸なのだ。
「ミロから聞いただろう? 魔物の毒素によって、俺が興奮状態に陥り自我を失っていた、と」
「え、えぇ……」
いつの間にか身体を起こしている彼とは性交渉における対面座位的な位置関係にある。ナニが入っておらず、アズサの前にそそり立っているのが、それとの違いだろう。
「お前と俺の体液が交じり合って、その毒素が薄れた」
口淫によって彼の体液とアズサの唾液は交じり合った。
「そ、それはようございましたね……。となれば、私の役目は終わったはずですよね? この手はなんですか? 離してください」
ふっと、彼は鼻で笑った。
「離すわけがないだろう? これからお前は、俺のためにまぐわってくれるんじゃないのか? お前が入れやすいようにと、俺のここを濡らしてくれたのだろう?」
彼の視線が下を向いた。アズサも釣られて下を見る。
衰えない彼の彼は勢いが増しているし、アズサの唾液によって美味しそうに輝いている。
「それは……。アンヒム団長が死ぬかもしれないからと聞いたからです。ですが、まぐわう前に治ったのであれば、まぐわう必要はありませんよね?」
あれだけ彼を征服してやりたいと思った気持ちは、一気に萎えている。
可愛らしかったのに、いじらしかったのに、その彼はもういない。
「残念ながら、あれだけの体液の交わりだけではすべての毒素は抜けきらないんだ。俺を死なせたくないんだろう?」
唇をペロリと舐める姿を見せつけられたら、ぞくぞくと肌が粟立った。
「それに、俺にまたがっているようだが……。先ほどから、俺の足を濡らしているものがあるんだよな」
(ば、バレた!!)
全裸だから仕方ない。それに、アズサの手によって悶えているニールを見ていたら、興奮したのも事実。
「そ、それは失礼いたしました。すぐに、お拭きしましょう」
「いや、拭く必要はない。お前の体液は、俺にとっては解毒剤だからな」
ニタリと笑っている。
(こ、怖い……)
「まずは、たっぷりと礼を尽くさねばならないな」
「ひっ」
アズサは息を呑んだ。
ニールの整った顔が近づいてくる。
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